SMCラボラトリーズからのお知らせや新着情報を発信します。
米国肝臓学会議 (AASLD)と、欧州肝臓研究協会 (EASL)、中南米肝臓学会 (ALEH)により、非アルコール性脂肪肝疾患 (NAFLD)/非アルコール性脂肪肝炎 (NASH)の定義、名称、診断方法についての声明が発表されました。 Title: A multi-society Delphi consensus statement on new fatty liver disease nomenclature ( Rinella et al., J. Hepatol., 2023 ) これまでは、NAFLD/NASHという疾患名が利用されておりましたが、病因や症状を正確に表すために metabolic dysfunction-associated steatotic liver disease (MASLD) / metabolic dysfunction-associated steatohepatitis (MASH) へと疾患名が変更となります。 当社はこれまでSTAM™モデルをNAFLD/NASH-HCCモデルとご紹介して参りましたが、今回の定義/名称変更を受け、疾患カテゴリーについて医療専門家と協議を始めております。 新しいSLDにおけるSTAM™マウスの位置付けについては近日発表いたします。 ご関心やご質問等ございましたら、お気軽にお問い合わせください。
腸内細菌叢に着目した非アルコール脂肪肝炎 (NASH)の治療薬開発と、STAM™マウスを用いた研究例についてご紹介いたします。 腸内環境を変化させることにより、疾患の治療や予防に結びつける試みが現在世界で活発に行われています。 非アルコール性脂肪性肝炎 (NASH)においても、腸管透過性の亢進やDysbiosis、胆汁酸の代謝異常等を介して、NASH病態と腸内細菌叢との関連性が示唆されており、治療ターゲットとして注目を集めています [1-3]。 Guoxiangらは、STAM™マウスでは、腸内のBacteroidesやClostridiumの増加をはじめとした腸内細菌叢の変化が起き、それらは血中や肝臓のLPS濃度の上昇やNAFLD Activity Scoreの上昇と相関したことを報告しており、腸内細菌叢はNASHの進行に伴って変化することを示唆しています。また、これらの腸内細菌叢の変化はヒトNASHでも観察されております [4, 5] STAM™マウスを用いたNASH薬効評価試験例 ■Tsumura & Co. (JPN)は、大柴胡湯を投与したSTAM™マウスにおいて、NAFLD Activity Scoreや腸内細菌の多様性が改善されたことを明らかにしております。また、それらの腸内細菌の変化がNASH病態に相関したことも裏付けております。 詳細はコチラ ► Ishizawa S et al., Gene. 2022 ■MRM Health NV (BEL)は、ヒトの腸内常在菌9種類を投与したSTAM™マウスにおいて、NAFLD Activity Scoreおよびシリウスレッド陽性面積、NASHのバイオマーカーCK-18が有意に減少したことを明らかにしております。 詳細はコチラ ► Pinheiro I et al., Biomedicines. 2022 ■GN Corporation Co. Ltd. (JPN)は、2種類のβ-グルカンを投与したSTAM™マウスにおいて、NAFLD Activity Scoreおよびシリウスレッド陽性面積、腸内細菌の多様性が改善されたことを明らかにしております。 詳細はコチラ ► Ikewaki N et al., J…
7月28日は “世界肝炎デー”です。 肝炎について関心を深めてみませんか? 世界保健機関(WHO)は、2010年に世界的レベルでのウイルス性肝炎のまん延防止と患者・感染者に対する差別・偏見の解消や感染予防の推進を図ることを目的として、7月28日を”World Hepatitis Day” (世界肝炎デー)と定め、肝炎に関する啓発活動等の実施を提唱しました。 この世界肝炎デーでは主にウイルス性肝炎について言及しておりますが、非アルコール性脂肪肝炎 (NASH)や、薬物性や自己免疫性の急性肝炎などさまざまな肝炎があります。肝炎は患者のQoLを低下させるだけでなく、最終的に肝機能不全や肝がんなどを引き起こします。 肝臓は生命を維持するうえで非常に重要な機能を果たしております。 当社はNASHをはじめとした肝臓疾患のリーディング非臨床CROとして、「人生は一つしかない、肝臓も一つしかない」という本年のテーマに賛同して、多くの肝疾患患者を救えるよう世界中の医薬品開発に貢献してまいります。 世界肝炎デーについて ■World Health Organization ► https://www.who.int/campaigns/world-hepatitis-day/2023 ■日本WHO協会 ► https://japan-who.or.jp/news-releases/2307-39/ ► STAMTMマウスについてはこちら。 ► 当社の病態モデルラインナップはこちら。
当社は2023年7月26-30日にて開催されるバイオテクネットワークイベント 「Bio Asia-Taiwan 2023」のBIO One-on-One Partnering™にバーチャル参加いたします。 当イベントに参加される方で、当社のサービスにご興味・ご関心のある方はぜひこの機会にWeb面談を実施しませんか? バーチャルでお会いして、私たち自身や前臨床モデルを紹介する機会を設けたいと思います。 具体的な研究についてのご相談は、事前にご希望の日時をお知らせください。当社コンサルティングチームとの面談を設定させていただきます。皆様からのご連絡をお待ちしております。 また、イベントに参加しない場合でも、商談のご希望などがございましたら、お気軽にお問い合わせください。 【イベントについて】 ■Bio Asia-Taiwan 2023 【Website】 https://bioasiataiwan.com/en 【会期】 2023年7月26日 (Wed) ~ 7月30日(Sun) 【開催形式】 オンサイト (台湾) / オンライン [当社はBIO One-on-One Partnering™にてオンラインで参加いたします] 【主催】 Taiwan Bio Industry Organization, Biotechnology Innovation Organization
本日は、肝細胞がんと非アルコール性脂肪肝炎 (NASH)の治療ターゲットとして、細胞内の鉄代謝やマイトファジーに着目した論文をご紹介いたします。 Title: Iron loss triggers mitophagy through induction of mitochondrial ferritin ► Full text LINK [Hara Y et al., EMBO Rep. 2020] 本論文では、鉄キレート剤による肝細胞のマイトファジーの誘導がHCC発症を抑制することを明らかにしており、STAM™マウスにおいても鉄キレート剤の摂取によりマイトファジーの促進およびHCC発症の抑制効果が確認されております。 【概要】 鉄キレートにより肝細胞における鉄欠乏を誘導すると、 ・hypoxia‐inducible factor‐1α (HIF1α)‐specific protein 1 (SP1) 経路を介してミトコンドリアのフェリチン(MTFT)が増加した ・ミトコンドリアフェリチン(FTMT)は、オートファジーのカーゴ受容体であるnuclear receptor coactivator 4(NCOA4)と特異的に相互作用した ・マイトファジーは、脱分極したミトコンドリアに対して選択的に生じることが示唆された ・HCCの発生が抑制された 本研究ではNASH病態を形成し始めるフェーズのSTAMマウスに介入していることから、鉄キレート剤の摂取やマイトファジーの促進はHCCだけではなく、NASH予防にも繋がることが示唆されます。 一般的に、フェリチンがオートファジー分解されることはフェリチノファジーとして知られており、細胞内の鉄レベルの維持に重要な機能です。本研究で観察されたFTMT特異的なマイトファジーも、フェリチノファジーの一部である可能性があります。また、フェリチノファジーはフェロトーシスを正に制御することが報告されております [Santana-Codina N. and Mancias JD., Pharmaceuticals (Basel). 2018]。したがって、本研究内容は、フェロトーシスによるNASHおよびHCCの予防・治療の研究開発のヒントになることが考えられます。 …
当社のマンスリーウェビナーを、7月20日 (木) 9:30 ~ 10:00 AM (JST)に開催いたします。 今月のウェビナーでは、慢性腎臓病(CKD)に対する非臨床薬効評価について講演いたします。 特に、CKDの診断基準の一つである腎障害の病理所見について、tubular injury scoreによる評価方法を中心に解説いたします。 高い臨床相関性を追求し続けてきた当社のノウハウを、ぜひ、覗いてみませんか? ウェビナーや当社CKDモデルに関するご質問、ご不明な点がございましたら、お気軽にお問い合わせください。 ウェビナーへのご参加はこちら ► 【 Link 】 ■概要 ウェビナータイトル: Chronic kidney disease model ~Instructions on how to Tubular injury score ( 慢性腎臓病モデル ~tubular injury scoreの解説~) 開催日: 2023年7月20日 (木) 時間: 9:30 – 10:00 (日本時間) Agenda: …
当社は時折、NASHとIPFに焦点を当てたウェビナーを開催しております。 これまでにも様々なテーマを取り上げており、ウェビナー・アーカイブで録画をご覧いただけます。 ▶ ウェビナーアーカイブは [ こちら ] これまでのトピック – 非臨床試験におけるNAFLD activity scoreの採点方法 – 様々なNASH動物モデルの紹介 – STAM™におけるFXRアゴニストの薬効評価の結果の紹介 – 線維化評価のためのAshcroft score(IPFマウスモデルの主要評価項目)の説明 NAFLD activity scoreやAshcroft scoreのような病理学的画像を用いたスコアリングは、その領域の評価が複雑です。 高い臨床相関性を追求し続けてきた当社のノウハウを、ぜひ覗いてみませんか? ウェビナーは15 – 20分程度の内容です。ご興味のある方は、当社ウェビナーアーカイブをご覧ください。 また、ウェビナーをご覧になった場合、またはそうではない場合でも、ご質問やご関心等ございましたら、お気軽にお問い合わせください。
2023年6月21 ~ 24日で開催されるThe European Association for the Study of the Liver (EASL) Congress 2023にて、当社クライアント 89bio Inc. (CA/ISR) および当社による研究発表がございます。 当社のSTAM™マウスを用いた、非アルコール性脂肪性肝炎由来の肝細胞がん (NASH-HCC)に対するPegozaferminの薬効評価試験の結果に関する発表です。 ■研究発表 タイトル: Pegozafermin inhibits NASH-induced hepatocellular carcinoma in the STAM™ model 抄録番号: SAT-243 発表形式: ポスター発表 発表者: Maya Margalit, M.D., of 89bio 発表時間: 6月24日(土)9:00~17:00 (CET) ■EASL Congress 2023 URL: https://www.easlcongress.eu/ 会期: 2023. 6. 21…
2023年6月21 ~ 24日で開催されるThe European Association for the Study of the Liver (EASL) Congress 2023にて、当社クライアントAprilBio Co., Ltd.,(KOR)による研究発表がございます。 当社のSTAM™マウスを用いた、非アルコール性脂肪性肝炎 (NASH)に対するAPB-R3の薬効評価試験の結果に関する発表です。 ■研究発表 タイトル: APB-R3, a novel long-acting IL-18 binding protein, inhibits IL-18 activity, and thereby ameliorates NASH progress with reduced liver fibrosis 抄録番号: WED-427 発表形式: ポスター発表 発表時間: 6月21日(水)9:00~18:00 (CET) ■EASL Congress 2023 URL: https://www.easlcongress.eu/ 会期: 2023….
当社の記事がNature BrandのBiopharma Dealmakers誌に掲載されましたので、ご紹介させて頂きます。 代謝異常関連脂肪性肝疾患 (MAFLD)の概念とその必要性に関して、非アルコール性脂肪性肝疾患 (NAFLD)の薬剤開発にも有益な視点を与える内容となっております。 ご存じのように、NAFLDに対する適切な病態モデルマウスの欠如は、医薬品開発の障壁になっており、いまだNAFLD治療薬開発が成功していない原因の一因と考えられます。また、近年ではNAFLDからMAFLDへと疾患の診断や分類の必要性が認知され、この疾患の基準の変化はMAFLDに対する治療薬開発に重要な意味をもたらすと考えております。 当社は後期2型糖尿病の背景を有し、世界初の非アルコール性脂肪性肝炎から肝ガンを発症する病態モデルマウスであるSTAM™マウスを開発し、サービスを提供してまいりました。さらに、MAFLD疾患に対する治療薬開発をサポートするリーディングカンパニーとして、MAFLDとそのサブタイプを反映したモデルマウスの開発も行っております。 ► 記事はこちら(From NAFLD to MAFLD: navigating the future of fatty liver treatment)。 本記事や当社のSTAM™マウス、サービスにご関心がある場合は、お気軽にお問い合わせください。