SMCラボラトリーズからのお知らせや新着情報を発信します。
当社の強皮症(SSc)モデル、ブレオマイシン誘導性SScモデルマウスを用いた、Mesenchymal stem/stromal cell-derived small extracellular vesicles (MSC-sEVs)の薬効評価試験例をご紹介いたします。 Title: An Assessment of Administration Route on MSC-sEV Therapeutic Efficacy ( Zhang B et al., Biomolecules. 2024 ) Article Link ► [DOI: 10.3390/biom14060622] 本研究において、当社はSScモデルにMSC-sEVsをi.p.またはs.c., 局所投与し、HE染色による真皮や脂肪層の厚さや、マッソントリクローム染色により皮膚の線維化領域を評価しました。 その結果、MSC-sEVs投与群では、対照群および陽性対照(イマチニブ)群と比較して、皮膚の線維化が有意に抑制されることが分かりました。 本研究のように、当社ではMSC-sEVsをはじめとした細胞治療法の薬効評価研究や、皮膚の線維化や強皮症の基礎研究にSScモデルを用いることが可能です。 当社SScモデルは、病態が均一に誘導されるよう弊社独自の方法でBLMを投与しております。 詳細についてはこちらをご覧ください ▶▶▶ 【 SScモデルについて 】 当社SScモデルやその他の線維化モデル、受託実績にご関心やご質問等ございましたら、お気軽にお問い合わせください。
当社の新しい薬効評価試験サービスとして、ブタ膵臓エラスターゼ(PPE)誘導性COPDモデルを用いた薬効評価試験において、陽性対照にロフルミラストを設定しましたのでご紹介いたします。 陽性対照として設定したロフルミラストはPDE-4阻害薬です。 PPE-induced COPDモデルの主要評価項目である肺の組織学的解析によるMean linear interceptは、vehicle群と比較してロフルミラスト投与群で有意に低下し、ロフルミラストによる肺報壁の破壊を保護する作用が確認されました。 このロフルミラストの作用は、再現性が確認されております。 薬効評価試験における陽性対照の意義は、既知の有効な治療と同程度の被験物質の有効性を示すこと、及び、陽性対照と直接比較して被験治療の優越性を示すことにより被験治療の有効性を示すことです。つまり、陽性対照を設定することで、被験物質の薬効を陽性対照と比較して評価することが可能です。 このポジティブコントロールを用いて、貴社の被験物質の薬効評価試験を実施するのはいかがでしょうか。 当社COPDモデルのサービス内容について、さらに詳細にお知りになりたい方は、お気軽にお問い合わせください。
当社クライアントがProc Natl Acad Sci U S A.誌に投稿された論文についてご紹介いたします。 著者らはSTAM™マウスは肝がんモデルマウスとして最も適していると報告しております。 Title: Integrative genomic analysis of mouse and human hepatocellular carcinoma Dow, et al. Proc Natl Acad Sci U S A. 2018 本論文では、肝がんフェーズのNASH-HCCモデルマウス (STAM™モデル)の肝臓サンプルを用い、ヒト肝がん患者の肝臓サンプルと比較したトランスクリプトーム解析を実施しております。興味深いことに、STAM™モデルの肝がんは、他の肝がんモデル(MUPモデル, TAK1モデル, DENモデル)と比較して、ヒトの分子パターンに最も近いことが報告されました。 肝がんに対する薬効評価試験をご検討中であれば、弊社STAM™モデルを、ぜひご一考いただければ幸いです。 当社ではお客様の化合物やご要望に合わせて、肝がんの予防試験や治療試験など、試験デザインを提案することが可能です。 また、本論文のように、基礎研究でのご利用を目的としてSTAM™モデルの肝臓やがん組織, 血漿サンプルなどをご購入いただいて解析していただくことも可能です。 STAM™モデルの利用にご興味ある場合は、是非お問い合わせください。
本日は、当社の病態モデルラインナップから、 乾癬のマウスモデルである「イミキモド(IMQ)誘発皮膚炎モデル」についてご紹介します。 乾癬は、遺伝的要因と環境要因の両方によって引き起こされる難治性の皮膚疾患です。臨床的には、皮膚の紅斑と鱗屑を特徴とする慢性の炎症を引き起こします。 乾癬の有病率は2~4%であり、全世界で少なくとも1億人が罹患しているとされております。しかしながら、現在、乾癬を完全に治癒させる治療法はなく、現在の治療法は病気の症状を管理するのみです。 IMQモデルは、乾癬の研究に最も広く使用されているモデルの一つです。このモデルでは、ヒトの乾癬患者に見られるようなケラチノサイトの過度な増殖、免疫細胞の浸潤、IL-17/IL-23軸の活性化などが観察されます。 ■当社IMQモデルを用いた公表データの一例はこちら: Takezaki D et al., Front Immunol. 2023 (Link► https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC10461570/) IMQモデル以外にも、様々な線維症・炎症性疾患モデルをご用意しております。 当社のサービスやIMQモデルについて詳しく知りたい方は、お気軽にお問い合わせください。
本日はSTAM™マウスを用いた、GLP-1に着目したMASH薬効評価試験の例をご紹介いたします。 GLP-1といえば、肥満症治療薬としてFDAに承認されたウゴービ®(Semaglutide)は、GLP-1 receptor agonistです。SemaglutideなどのGLP-1 receptor agonistは糖尿病治療薬として開発されてきましたが、上記のような肥満症やMASH(NASH)への適応拡大も期待され、創薬研究が進められてきました。 GLP-1をターゲットとしたMASH創薬研究において、STAM™マウスはGLP-1をターゲットとしたLiraglutide, Linagliptin, DA-1241, APD668といった薬剤の評価実績があるモデルです。 様々な薬剤の評価実績があるSTAM™マウスを用いることで、Liraglutide, Linagliptin, Sitagliptinといった上市品とhead-to-headで比較することができます。また、SemaglutideのMASH治療薬としての適応拡大を検討するなどの用途が可能です。 以下に、GLP-1関連MOAに関するMASH薬効評価試験の投稿論文リストを記載いたしましたので、ご参考にご覧ください。 投稿論文リスト – STAM™マウスを用いたGLP-1関連MOAの薬効評価試験(ターゲット別)- ■GLP-1 receptor agonist - 【Liraglutide】:Kojima M et al, Int J Mol Sci, 2020 ■DPP-4 inhibitor - 【Linagliptin】:Klein T et al, Med Mol Morphol, 2013 - 【Sitagliptin】:Kawaguchi T et al., Liver Cancer, 2018 - 【Sitagliptin】:Nishina S et…
近年、治療薬開発のニーズや疾患の多様化に伴い、病態モデル樹立から実施する”カスタムモデルサービス”へのご質問が多くございます。 本日は、当社カスタムモデルサービスに関する事例をご紹介いたします。 【お客様の事例:関節リウマチと線維化の研究に向けたCAIAモデル取り扱いの検討】 〈研究テーマ〉複数の適応症評価に向けた非臨床試験の実施 ・お悩み、課題 複数の線維化モデルに加えて、関節炎モデルの評価を希望されており、それを実施可能な委託先が見つからず、さらに、今回はターゲットの発現 確認が必須であり、その後に薬効評価試験に進めたいという課題がありました。 ・状況 複数のCROへご相談される中で、線維化モデルの評価で圧倒的な経験を持つ企業という点で当社にご相談頂きましたが、残念ながら、当時の当社では提供可能なモデルに関節炎モデルはございませんでした。 ・当社からのご提案 ご提案として、ターゲットの発現確認、並びに病態確立試験成功後に本試験を実施するという段階的な試験をご提案しました。また、病態確認のために臨床試験や論文を元にした病理評価の実施後にターゲットの評価、適切な病理評価方法のご提案をしました。 さらに、病態確立試験までのデータの公表にご快諾頂くことで、コストシェアでの試験実施により、通常よりもお求めやすい金額で試験を実施することができました。 ・結果 関節炎モデルに関しては、病態の確認と評価を実施でき、再現性確認の後、当社から提供可能な新規モデルとしてリリースいたしました。 今回事例では線維化モデルでの評価を検討されており、実績や技術力の高さから追加のご相談を頂き、モデルの樹立試験の実施にも至っております。 お客様が当社に委託を決定された理由の一つとして、臨床試験を見据えた評価項目や化合物やそのターゲットに合わせたスコアリングの幅広い提案があったため、とご意見を頂いております。 このように、当社では ”カスタムモデルサービス”を通じてお客様によりそったご提案・実施を行うことが可能です。 今回は関節炎モデルに関して、カスタムモデルサービスにより試験のご提供に至った事例をご紹介いたしました。 当社は既存のサービスだけに捉われず、お客様の問題解決が医薬品産業への貢献に繋がると考え、事業に取り組んでおります。 創薬研究に関して、お困りや悩まれていることがございましたら、ぜひ当社までご相談ください。
AdiponectinやadipoR1 , adipoR2などをMOAとした、MASH治療薬開発における非臨床試験についてご紹介いたします。 adiponectin-derived peptide ALY688のSTAM™マウスを用いた薬効評価試験の実証例 ►The adiponectin‐derived peptide ALY688 protects against the development of metabolic dysfunction‐associated steatohepatitis – Huang – 2024 – Clinical and Translational Science – Wiley Online Library (Zhe Huang et al., Clinical and Translational Science, 17, e13760, 2024) PMID: 38847320 本論文は、アメリカのAllysta Pharmaceuticals社の研究チームにより、Clinical and Translational Science誌にて発表されたものです。 STAM™マウスのほかCDAHFDモデルマウスも用いて、ALY688の薬効評価試験を行っております。 これらの試験から得られたデータをもとに、ALY688のanti-NASHおよびanti-fibrosis効果について報告しています。…
6月20日 (木) 9:30 ~ 10:00 AM (JST)に当社のウェビナーを開催いたします。 このウェビナーでは、THRβ作動薬と非臨床薬効評価試験についてご紹介いたします。 Resmetiromが世界で初めてのMASH治療薬としてFDAに承認されてから数ヶ月が経ちました。また、MASH非臨床モデル“STAM™マウス”におけるResmetiromの有効性に関するデータを紹介し、今後のMASH治療薬開発の戦略立案に役立つ情報を発信いたします。 ウェビナーへのご参加はこちら ► 【 https://www.linkedin.com/events/thr-agonistandpreclinicalpharma7204242895531393027/about/ 】 【 概 要 】 ウェビナータイトル:THRβ agonist and preclinical pharmacology study 開催日時:2024年6月20日 (木)、9:30 – 10:00 (JST) Agenda: ■Resmetiromの臨床試験について ■THRβ作動薬の非臨床薬理試験について - Resmetirom - VK2809 - TERN-501 ■STAM™マウスを用いたResmetiromの薬効評価試験とデータ ■STAM™マウスを用いたMASH薬の今後の開発戦略について 当社は、MASH、炎症、線維化、代謝、がん免疫に関する技術・ノウハウを活用した薬理試験を受託する非臨床コンサルティング型CROです。独自に開発したMASH-肝癌モデルであるSTAM™マウスを用いた非臨床試験において、これまでに800種類以上の化合物(15以上のMOAカテゴリーと270以上の標的分子)の脂肪症、MASH、線維症、肝癌に対する有効性を評価してきました。本ウェビナーでは、STAM™マウスにおけるTHRβ作動薬であるレスメチロムの薬効データをはじめ、今後のMASH治療薬開発の戦略立案に役立つ情報を発信いたします。
開発中の治療薬が、炎症や線維化など複数臓器で生じる病態の関連因子をターゲットとしている場合、当社の薬効評価試験サービスを用いることで、その効果を最大限引き出すことが可能です。 今回は、線維化に着目して医薬品開発を行い、当社でマウスを用いた前臨床試験を実施後に、その研究結果をNature Biotechnology誌に投稿された、Insilico Medicine社様の論文をご紹介いたします。 Ren et al., Nat Biotechnol., 2024 URL ► https://www.nature.com/articles/s41587-024-02143-0 こちらの論文ではAIを用いてTRAF2- and NCK-interacting kinase (TNIK) を抗線維化のターゲットと特定し、肺、皮膚、腎臓の線維化モデル動物を用いて前臨床試験を実施し、臨床試験まで進まれた結果が記載されております。 上記の様に複数臓器に渡る線維化に対して、同一化合物がその治療効果を示していることが見られます。 これまでも線維化に関わる治療薬開発において、肝臓、肺、腎臓、腸、皮膚など複数臓器に渡って同一化合物を評価し、その中で特に有望な疾患に対する開発を進められた企業様もいらっしゃいます。 当社では各臓器における線維化モデルを複数展開しておりますので、本論文のように、様々な臓器の線維化モデルを用いた薬効評価試験を実施することが可能です。 例えば、以下のような課題に対し、開発されている被験物質に合わせた試験デザインのご提案が可能です。 「どの臓器の線維症を適応症とするか決めたい」 「肝臓疾患に効きそうな被験物質があるが、適応症がわからない」 「適応拡大を狙って色々な炎症・線維化モデルで試したい」 ご関心がございましたら、以下より是非一度お問い合わせ下さい。
当社はSTAM™-HCC/IO⁺マウスに関するimmuno-oncology分野における最新の病理、病態のデータについて、2024年6月5日から8日にイタリアのミラノで開催されるEuropean Association for the Study of the Liver 2024 Congres(EASL Congress 2024)でポスター発表いたします。 STAM™-HCC/IO⁺マウスは、今年2月にローンチを発表した、新たな肝癌治療薬開発のための、腫瘍免疫学の分野では初となる非臨床モデルです。 ローンチに関するニュースはこちら ►►► https://kyodonewsprwire.jp/release/202402076294 EASL Congress 2024では、新た公表するデータを踏まえ、STAM™-HCC/IO⁺マウスが分子標的薬に加え、免疫細胞、腫瘍微小環境を考慮した肝がん治療のための薬剤の評価が可能なモデルであることを発表します。 プレゼンテーションの詳細は以下の通りです。 ■ Abstract Title: Metabolic dysfunction associated steatohepatitis derived HCC model mouse for immune-oncology. ■ Abstract Number: 1859 ■ Format: Poster ■ Presenting Author: Taishi Hashiguchi, PhD, Executive Vice President, SMC Laboratories, Inc….