SMCラボラトリーズからのお知らせや新着情報を発信します。
本日は、原発性硬化性胆管炎モデルである(3,5-Diethoxycarbonyl-1,4-Dihydrocollidine)DDCモデルをご紹介します。 原発性硬化性胆管炎 (PSC)は胆管に生じる斑状の炎症、線維化、および狭窄を特徴とする慢性的な胆管障害で、末期まで進行すると肝臓移植が必要とされます。 PSCの治療薬にはウルソデオキシコール酸が知られていますが、進行を完全に抑えるほどの効果はなく、PSCの根治療法は開発段階にあります。 DDCモデルは、細胆管反応を経て胆管周囲の線維化へと進行していく点でヒトPSC病態と高い臨床相関性を示すモデルであり、以下のような特徴を有します。 ・胆管へのプロトポルフィリン蓄積に続く、硬化性胆管炎と胆管型肝線維症が誘発可能 ・外科モデルであるBDLモデルと比較して高い生存率を示し、再現性が高い ・ヒト胆汁うっ滞性疾患の主な組織病理学的特徴を再現可能 本モデルは、肝臓における病態変化に加え、ALTやAST、ビリルビン等の各種血液マーカーの増加も確認されております。 弊社では、本モデル以外にも炎症/線維化に関連した様々な病態モデルを取り揃え、薬効評価試験サービスをご提供しております。 その他、資料請求やご質問等ございましたらお気軽にお問い合わせください。
COVID-19の発生は、多くの合併症を引き起こし、特に重度の肺線維症を長期に渡って患者さんに害を及ぼします。 当社では、肺線維症の治療薬開発のためのマウスモデルとして、特発性肺線維症(IPF)モデルマウスを提供しており、その有用性をご紹介することで、多くのお客様にご利用いただいています。 特発性肺線維症のBleomycin誘導IPFモデルマウスとは? ブレオマイシンはがんの治療に用いられる化学療法剤ですが、その副作用のひとつに肺毒性があります。現在、ブレオマイシンは酸化ストレスによって肺にダメージを与え、肺のダメージが炎症反応や線維化反応を誘発すると考えられています。 SMCのBleomycin誘導IPFモデルのしくみ 当社のBleomycin誘導IPFモデルは、マイクロスプレイヤーを用いて気管内にブレオマイシンを噴霧状で投与することにより、ブレオマイシンを肺へ均等に暴露するため、再現性のある均一な病態を発症します。ブレオマイシンの局所投与により肺胞上皮細胞に直接損傷を与え、炎症性細胞の浸潤と間質性線維の発生を引き起こします。 SMCのプラットフォームと当社のIPFモデルのメリット – SMCの専門性: 安定的で再現性の高い表現型を持つIPFモデルを扱い、10年以上の経験を有しております。 – 様々なモダリティの100以上の物質の評価に使用されてきました。 – 予防と治療のための2つのポジティブコントロールが確立されており、クライアントのニーズに基づいた試験デザインをご提案します。 – CTスキャン、生化学、熟練した病理組織学者による組織学的解析など、複数の解析項目があります。 詳細について、またご興味のある方は、ぜひお気軽にお問い合せください。 ■COVID-19と肺線維症について ■Bleomycin誘導IPFモデルについて
当社NASHモデル(STAMTM)のNASHマーカーについて、紹介します。 NASHの診断において、肝細胞の風船様腫大は単純性脂肪肝とNASHを区別するために重要な所見です。 風船様腫大を同定する上で有効とされている非侵襲性マーカーの1つにCK-18(サイトケラチン18)があります。CK-18はAASLDのFDAのワークショップでearly phaseのNASHマーカーとして推奨されており、これまでの臨床試験でも、病理との関連性が報告されています[Arun J. S, et al., Hepatology, 2015]。 STAMTMのCK-18 – 初期NASHを表す6週齢以降から上昇する – 病態の進行(単純性脂肪肝からNASH、線維症に至るまで)に伴い段階的に上昇する – ヒトのNASH患者と同程度の上昇を示す[Ariel E. Feldstein et al., Hepatology, 2009]
胆汁うっ滞性肝疾患のモデルとして知られており、新しく当社モデルとしてサービスの提供を開始した、3,5-diethoxycarbonyl-1,4-dihydrocollidine (DDC) 誘導性肝障害モデル*について紹介します。 DDC誘導性肝障害モデルを用いることで、以下の様に胆管炎と肝線維化を評価することが可能となります。 肝臓に対する病態モデルマウスとして、上記のDDC誘導性肝障害モデルだけでなく、Concanavalin AやD-gal/LPS誘導性の急性肝炎モデル、またNASHモデルマウスなどもあります。 詳細についてはこちらからもご確認頂けます。 * -DDCモデルマウスの特徴について 胆管へのプロトポルフィリン蓄積に続く、硬化性胆管炎と胆管型肝線維症が誘発可能 外科モデルであるBDLモデルと比較して高い生存率を示し、再現性が高い ヒト胆汁うっ滞性疾患の主な組織病理学的特徴を再現可能
癌モデルにおいて腫瘍の微小環境を含めて評価が可能な肝臓同所移植モデルの新規提供開始をお知らせします。 医療の進歩に伴う寿命の延長により癌患者の死亡者数は増加の一途を辿っています。 そのため、治療薬開発の需要は高く、多くの臨床試験が実施されていますが、前臨床試験での成功に反して、臨床試験での成功には大きな壁見られます。 原因の一つとして、ゼノグラフトモデル使用の影響が考えられます。 ゼノグラフトモデルは癌研究を行う際、細胞株の利用により簡便に目的の癌腫に対する薬効評価を行うことが可能です。 しかしながら、ゼノグラフトモデルを用いた前臨床試験と臨床試験の結果における相関関係は低いことが報告されています(Johnson et al., Br. J. Cancer., 2001)。 そこで注目されるのが、同所移植モデルであり、このモデルでは腫瘍を取り巻く環境を含めた評価が可能となっています。 腫瘍微小環境の重要性については過去に報告がされており(Min et al., Curr. Opin. Genet. Dev., 2008)、腫瘍細胞と組織特異的間質細胞との相互作用は、腫瘍の成長、分化、および薬剤感受性に影響を及ぼすことも報告されています(Douglas et al., Nat Med. 2010)。 同所移植モデルでは比較的安価に腫瘍微小環境の影響を含めた試験が可能となり、ゼノグラフトモデルよりも有益な結果を得られることが期待されます。 お手持ちの化合物を評価する際に、まずは同所移植モデルを用いて効果の確認を行うのはいかがでしょうか。
本日は肝硬変の疾患モデル動物として広く知られているCCl4誘発肝線維症モデルを紹介します。 CCl4誘発肝線維症モデルは、肝臓の門脈域周囲に架橋性線維化を形成するモデルです。 当社STAM™モデル(NASH-HCCモデル)が、軽度の肝線維症を発症する一方で、本モデルは肝硬変様の強い線維症を発症します。 また陽性対照薬としてバルサルタンを設定し、薬効評価試験を提供しております。 その試験期間は4週間と短期間であることから、線維化に対するin vivoスクリーニング試験にもご活用いただける有用なモデルであると言えます。 SMCではCCl4モデル以外に、STAM™モデルや胆管結紮(BDL)誘発性胆汁うっ滞性肝疾患モデル、急性肝炎モデルなど様々な肝疾患関連モデル動物をご用意しております。 資料請求やご質問等ございましたらお気軽に連絡ください。
片側尿管閉塞(UUO)モデルにおけるポジティブコントロールとしてALK5 inhibitorを設定致したので紹介します。 ALK5 inhibitorは、腎線維化において中心的な役割を担うTGF-beta/ALK5シグナルの阻害効果を持つ化合物になります。 弊社UUOモデルでALK5 inhibitorを用いて、線維化について解析を行った結果は以下の通りです。 ALK5 inhibitorはUUOモデルにおいて腎線維化の有意な減少を示し、この改善効果を再現良く確認しております。 UUOモデルは腎臓での強い線維化と短期間での病態発症を特徴として、腎線維化のスクリーニングに適したモデルとなっております。 また、尿細管の拡張、萎縮など尿細管間質領域の病変も示すため、線維化及び腎臓疾患に対する候補化合物をお持ちでしたら、UUOモデルを用いた試験をご検討してはいかがでしょうか。
急性肝障害モデル (CCl4, Concanavalin A (ConA), D-gal/LPS and TAA)を使用した新しいサービスについてご案内させて頂きます。 LEARN MORE…