SMCラボラトリーズからのお知らせや新着情報を発信します。
このたび、線維症評価のための新しいin vitro試験サービスを開始することになりましたので、お知らせいたします。 本サービスを開始することで、予備的な研究や潜在的な線維化作用について化合物をスクリーニングするための費用対効果に優れた効率的な方法を提供し、医薬品開発における貴重な時間とリソースを節約することができるようになりました。これにより、創薬プロセスの初期段階を速めるだけでなく、早急に本格的な in vivo試験に投資することに伴うリスクを軽減することができます。 In vitro試験の例 ■肺線維芽細胞(HEL299)を用いた被験物質の抗線維化評価 ■試験概要: HEL299を10%FBS含有EMEMにて培養します。Recombinant human TGF-β(10 ng/mL)を添加して線維化様反応を惹起した後、被験物質を添加して、24時間後の細胞を回収します。線維化関連因子の遺伝子発現解析など、生化学的解析を実施し、被験物質の抗線維化作用を評価します。 当社は長年にわたり、非臨床CROとして炎症、線維症、がんを中心とした薬効評価試験サービスを提供してきました。本サービスを通じて、医薬品開発のパイプラインを加速させ、まだ治療法のない化合物の多くを臨床試験に進めることに貢献します。 ご質問やご相談、この新サービスがお客様の現在および将来のプロジェクトにどのように役立つかを検討されたい場合は、ご遠慮なくお問い合わせください。
本日は、肺線維症のマウスモデルである「シリカ誘導性肺線維症モデル」をラインアップに加えましたので、お知らせいたします。 シリカモデルは、肺の線維化が早期に起こり且つ長期的に維持されるため、肺線維症の治療試験に有用なモデルマウスの一つです。 一般的に、ヒトの肺線維症は緩解しませんが、代表的な肺線維症モデルのブレオマイシンモデルは、病態誘導から3週間程度で線維化が緩解します。一方で、シリカモデルの線維化は9週間程度も維持されます。 したがって、線維化が維持される特徴を持つシリカモデルは、線維化が緩解するブレオマイシンモデルを補完するモデルとして、より臨床相関性の高い薬効評価試験を可能にします。 シリカモデルの病態は、肺胞内に侵入したシリカにより、炎症が起こり、間質の線維化が長期的に誘導されます。また、本モデルはヒトの珪肺症を模しており、珪肺症でも観察される結節も形成されます。 特発性肺線維症 (IPF)や、進行性肺線維症 (Progressive pulmonary fibrosis, PPF)に含まれる間質の線維症をターゲットとしている場合、シリカモデルを用いた薬効評価試験が有用だと考えられます。 また、既にブレオマイシンモデルによる薬効評価を試したが、異なるモデルでもデータを取得したい場合や、肺線維化が持続するモデルで試したい場合は、本モデルによる薬効評価試験を試されてみてはいかがでしょうか。 当社が取り扱っているブレオマイシンモデルとシリカモデルの比較など、当モデルにご関心がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
炎症性腸疾患(Inflammatory Bowel Disease; IBD)の病態モデルであるデキストラン硫酸ナトリウム(DSS)誘発大腸炎モデルをご紹介いたします。 本モデルは、病態誘導の簡便さやヒトIBDと類似した病態を持つことから、IBDの発症・進行メカニズム解明や治療薬の探索に活用されております。当社DSSモデルは、被験物質の作用機序や試験目的に合わせて、急性大腸炎と慢性大腸炎の2種の薬効評価試験が実施可能です。 急性大腸炎モデル: 被験物質の抗炎症効果の評価が可能です。5日間のDSS飲水投与に伴い、腸陰窩の消失や、腸管上皮のびらん、粘膜固有層への炎症性細胞の浸潤などのヒトIBDに類似した病理組織学的所見が確認できます。 慢性大腸炎モデル: 被験物質の抗線維化効果の評価が可能です。急性大腸炎を誘導後、通常飲水で14日間飼育することで、慢性大腸炎に認められる腸の線維化が観察されます。 弊社では、DSSモデルを始め、種々の臓器における炎症/線維化モデルを用いた薬効評価試験サービスを提供しております。研究員同席の下、Webミーティングも可能ございますので、ご関心がありましたらお問い合わせください。
慢性腎臓病 (chronic kidney disease, CKD)は、腎臓の構造または機能の異常によって特徴づけられる疾患である。腎不全の発生率や有病率が上昇し、予後不良の原因にもなることから、世界的な公衆衛生問題となっております。しかし、現在の治療法には完全に治療できるものはなく、病気の進行を抑える程度にとどまっています。 SMCでは、お客様の創薬プロジェクトをサポートするために、CKDモデルマウスを用いた薬効試験サービスを提供しています。 4種類のCKDモデルを用意し、お客様のニーズや被験物質の作用機序に合わせた試験を実施可能です。 - アデニン誘導性モデル: 尿細管および間質性評価 - アドリアマイシン誘発モデル: 糸球体評価 - UUO誘発モデル: 腎臓の線維化の評価 - Folic acid誘発モデル: 急性腎障害からのCKDの評価 私たちは常に、お客様のご要望やニーズに合わせて、各研究をカスタマイズさせていただいております。私たちの長年の経験、そして炎症と線維化の領域における専門知識を活かして、お客様の研究をお手伝いできれば幸いです。 私たちのサービスや提供するモデルについて、より詳しい情報につきましては、遠慮なくお問い合わせください。
非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)は、世界で最も一般的な慢性肝疾患です。現在、世界中でNAFLDの有病率は30%まで増加しており、今後も増加すると予想されています (Younossi Z et al., Hepatology. 2023)。 NAFLDは肝硬変や肝がんをはじめ、より深刻な疾患に進行することから、世界的に重要な健康課題となっています。したがって、NAFLD/NASHの治療のため、多くの化合物が開発されています。しかし、これらの化合物が臨床試験で成功するためには、まだ多くの課題があります。医薬品開発を困難にしている大きな要因の一つは、ヒトの病理を正確に再現する動物モデルが少なく、臨床相関性がないことです。 当社のNASHモデル 「STAM™モデル」 は、NASH臨床試験の主要評価項目であるNAFLD Activity Scoreに加え、NASH患者で観られる肝臓の線維化の程度にて薬効評価が可能です。これまでに600件以上の薬効評価試験を実施し、そのうちの多くの化合物が臨床試験へ進むことに成功しております。NASHの臨床試験を実施している企業の約40%が、当社のSTAM™モデルを使用した経験を有しており、各臨床結果からSTAM™モデルによる薬効評価の臨床的中率が算出できております。 詳細につきましては、当社までお気軽にお問い合わせください。
本日は、皮膚と肺の線維化が同時に進行する、臨床相関性の高い線維化モデルをご紹介します。 全身性強皮症は、皮膚だけでなく、心臓、肺、腎臓など全身の組織に線維化が起こる進行性の希少疾患です。特に線維化を伴う肺疾患は発症率の高い合併症であり、間質性肺炎は全身性強皮症の患者さんの主な死因として報告されています。 全身性強皮症の動物モデルは、ブレオマイシンの皮下投与による皮膚線維化の誘導が一般的です。 当社では、より臨床的な相関性の高いモデルを提供するために、条件検討を重ね、皮膚と肺の線維化を同時に誘導するSSc-ILDモデルも取り扱っております。SSc-ILDモデルでは、強皮症の典型的な病態である皮膚の肥厚と肺の線維化の両方が誘導されます。 現在、全身性強皮症に対する根治的な治療法はなく、皮膚や肺の症状に対する対症療法のみとなっています。そこで、全身性強皮症の皮膚症状と肺症状の両方を同時に治療する薬剤候補の有効性を評価したいお客様に、このSSc-ILDモデルを推奨しています。 SSc-ILDモデルについてご質問・ご相談がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
本日は、片側尿管閉塞(UUO)モデルにおけるポジティブコントロールとしてALK5 inhibitorをご紹介いたします。 ALK5 inhibitorは、慢性腎臓病(CKD)で観られる腎線維化において中心的な役割を担うTGF-β/ALK5シグナル経路を阻害する化合物です。当社ではUUOモデルにおいてALK5阻害剤が腎臓の線維化を有意に抑制することを確認しており、ポジティブコントロールとして確立しています。 UUOモデルは、腎線維化、尿細管萎縮、炎症細胞浸潤など、慢性腎臓病の様々な側面を研究するのに最適な方法です。さらに、腎臓での強い線維化と短期間での病態発症を特徴として、腎線維化に対する化合物のスクリーニングに適したモデルとなっております。 線維化及び腎臓疾患に対する候補化合物をお持ちでしたら、UUOモデルを用いた試験をご検討してはいかがでしょうか。 ご質問・ご相談がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
特発性肺線維症(IPF)の病態モデル動物として広く利用されておりますブレオマイシン誘導性IPFモデルについて、病理組織のデータをご紹介いたします。 病理組織学的解析は、薬理研究において被験物質投与による標的組織の病態変化を、理解する上で最も重要なエンドポイントの一つです。 当社では、炎症・線維化疾患に特化した非臨床CROとして、これまで150を超えるIPF薬効評価試験の病理像を評価してきた経験がございます。以下にお示しした様に、様々な病理組織学的染色が可能となっており、またこれらの病理像の定性的・定量的な解析を通じて病態を多角的に評価いたします。 研究員同席の下、Webミーティングも可能ございます。 当社IPFマウスや病理組織解析の経験について、ご関心がありましたらお問い合わせください。
本日は、当社が開発した世界初の非アルコール性脂肪肝炎(NASH)から肝癌(HCC)を自然発症する病態モデルマウス-STAM™モデル-について、肝癌モデルとしての特徴をご紹介いたします。 STAM™モデルは、後期2 型糖尿病の背景を有し、脂肪肝、肝炎、肝線維化、そして肝癌へと病態が進行する病態モデルマウスです。 本モデルは、ヒトNASHにおいて高い臨床相関性を示すことから、多くのNASH治療薬候補の薬効評価に利用されてきました。 更に、HCCモデルとしても下記のような特徴と利点を有しております。 STAM™モデル; ・ 肝細胞癌が、16週齢から認められ、20週齢では100%発症が認められます。 ・ 遺伝子改変を行っておらず、NASHを背景にHCCが自然発症します。そのため、微小環境を含めたガン組織構造の再現が可能となっております。 ・ クライアント様のご要望やニーズに沿って、予防試験や治療試験の実施が可能となっております。 表. STAM™モデルと他HCCモデルの比較 上記に加え、STAM™モデルでは、ヒトのHCCマーカーであるAFPやGlypican-3、Glutamine synthetaseの上昇が認められております。 また当社には小動物用のCT装置もございますので、病態進行を多角的かつ正確に評価することが可能となっております。 引き続き、当社モデルおよびサービスについてアップデートがございましたらご案内させていただきます。 当社サービスについてご質問やご相談等ございましたら、お気軽にお問い合わせください。
本日は、乾癬のマウスモデルである「イミキモド(IMQ)誘発皮膚炎モデル」をラインアップに加えましたので、お知らせいたします。 乾癬は、遺伝的要因と環境要因の両方によって引き起こされる難治性の皮膚疾患です。臨床的には、皮膚の紅斑と鱗屑を特徴とする慢性の炎症を引き起こします。 乾癬の有病率は2~4%であり、全世界で少なくとも1億人が罹患しているとされております。しかしながら、現在、乾癬を完全に治癒させる治療法はなく、現在の治療法は病気の症状を管理するのみです。 IMQモデルは、乾癬の研究に最も広く使用されているモデルの一つです。このモデルでは、ヒトの乾癬患者に見られるようなケラチノサイトの過度な増殖、免疫細胞の浸潤、IL-17/IL-23軸の活性化などが観察されます。 IMQモデル以外にも、様々な線維症・炎症性疾患モデルをご用意しております。 当社のサービスやIMQモデルについて詳しく知りたい方は、お気軽にお問い合わせください。