SMCラボラトリーズからのお知らせや新着情報を発信します。
本日は、新しい薬効評価試験サービスとして、STAM-IOモデルの陽性対照にLenvatinibを設定し、ローンチしましたのでご紹介いたします。 陽性対照として設定したLenvatinibはマルチターゲット阻害剤(VEGFR2(KDR)/VEGFR3(Flt-4) )です。 Vehicle群と比較してLenvatinib投与群では生存率および腫瘍増殖率を有意に改善し、Lenvatinibによる抗腫瘍効果が確認されました。 Lenvatinibを用いた薬効評価試験のデザイン例は以下の通りです。 薬効評価試験における陽性対照の意義は、既知の有効な治療と同程度の被験物質の有効性を示すこと、及び、陽性対照と直接比較して被験治療の優越性を示すことにより被験治療の有効性を示すことです。つまり、陽性対照を設定することで、被験物質の薬効を陽性対照と比較して評価することが可能です。 このポジティブコントロールを用いて、貴社の被験物質の薬効評価試験を実施するのはいかがでしょうか。 当社STAM-IOモデルのサービス内容について、さらに詳細にお知りになりたい方は、お気軽にお問い合わせください
本日は、新しい薬効評価試験サービスとして、IPFモデルの陽性対照にNerandomilastを設定し、ローンチしましたのでご紹介いたします。 陽性対照として設定したNerandomilastはPDE-4阻害薬です。 BLM-induced IPFモデルの主要評価項目である肺の組織学的解析によるAshcroft scoreは、vehicle群と比較してNerandomilast投与群で有意に低下し、Nerandomilastによる肺線維化の治療効果が確認されました。 Nerandomilastを用いた薬効評価試験のデザイン例は以下の通りです。 薬効評価試験における陽性対照の意義は、既知の有効な治療と同程度の被験物質の有効性を示すこと、及び、陽性対照と直接比較して被験治療の優越性を示すことにより被験治療の有効性を示すことです。つまり、陽性対照を設定することで、被験物質の薬効を陽性対照と比較して評価することが可能です。 このポジティブコントロールを用いて、貴社の被験物質の薬効評価試験を実施するのはいかがでしょうか。 当社IPFモデルのサービス内容について、さらに詳細にお知りになりたい方は、お気軽にお問い合わせください。
本日はSTAM™マウスを用いた、腸肝軸に着目したMASH薬効評価試験の例をご紹介いたします MASH患者ではマイクロバイオームの変化やLeaky Gutなどが示されています(Lixin et al., Hepatology, 2012; Jay et al., CMGH, 2015)。 実際にMASHマウスモデルを用いた解析からLeaky Gut、細菌の異常増殖、腸内毒素症などの腸肝軸の機能障害が、炎症や線維化の進行に寄与することが示されています(Samuele et al., Hepatology, 2013; Lau et al., BioMed Res. Int.,2015)。 これらのことから、腸肝軸に着目したMASHの治療および予防研究が進められております。 STAM™マウスは、Atopobium spp., Bacteroides spp., Bacteroides vulgatus, Bacteroides acidifaciens, Bacteroides uniformis, Clostridium cocleatum, Clostridium xylanolyticum, Desulfovibrio sppの増加を特徴とするdysbiosisを示すMASH-肝癌モデルです(Guoxiang X et al, Oncotarget, 7, 19355-19366, 2016)。 また、STAM™マウスは、現在までに報告されているdysbiosisを伴うMASH-肝癌モデルの中では、唯一MASH-肝癌病態を再現したモデルであり、このモデルを使用することで脂肪肝から肝癌まで幅広く評価することが可能になります。実際にFMTおよびインスリン投与により、腸内細菌叢の改善を介した発癌の抑制が報告されております(Soeda K et al,…
当社の新しい薬効評価試験サービスとして、ブタ膵臓エラスターゼ(PPE)誘導性COPDモデルを用いた薬効評価試験において、陽性対照にロフルミラストを設定しましたのでご紹介いたします。 陽性対照として設定したロフルミラストはPDE-4阻害薬です。 PPE-induced COPDモデルの主要評価項目である肺の組織学的解析によるMean linear interceptは、vehicle群と比較してロフルミラスト投与群で有意に低下し、ロフルミラストによる肺報壁の破壊を保護する作用が確認されました。 このロフルミラストの作用は、再現性が確認されております。 薬効評価試験における陽性対照の意義は、既知の有効な治療と同程度の被験物質の有効性を示すこと、及び、陽性対照と直接比較して被験治療の優越性を示すことにより被験治療の有効性を示すことです。つまり、陽性対照を設定することで、被験物質の薬効を陽性対照と比較して評価することが可能です。 このポジティブコントロールを用いて、貴社の被験物質の薬効評価試験を実施するのはいかがでしょうか。 当社COPDモデルのサービス内容について、さらに詳細にお知りになりたい方は、お気軽にお問い合わせください。
当社クライアントがProc Natl Acad Sci U S A.誌に投稿された論文についてご紹介いたします。 著者らはSTAM™マウスは肝がんモデルマウスとして最も適していると報告しております。 Title: Integrative genomic analysis of mouse and human hepatocellular carcinoma Dow, et al. Proc Natl Acad Sci U S A. 2018 本論文では、肝がんフェーズのNASH-HCCモデルマウス (STAM™モデル)の肝臓サンプルを用い、ヒト肝がん患者の肝臓サンプルと比較したトランスクリプトーム解析を実施しております。興味深いことに、STAM™モデルの肝がんは、他の肝がんモデル(MUPモデル, TAK1モデル, DENモデル)と比較して、ヒトの分子パターンに最も近いことが報告されました。 肝がんに対する薬効評価試験をご検討中であれば、弊社STAM™モデルを、ぜひご一考いただければ幸いです。 当社ではお客様の化合物やご要望に合わせて、肝がんの予防試験や治療試験など、試験デザインを提案することが可能です。 また、本論文のように、基礎研究でのご利用を目的としてSTAM™モデルの肝臓やがん組織, 血漿サンプルなどをご購入いただいて解析していただくことも可能です。 STAM™モデルの利用にご興味ある場合は、是非お問い合わせください。
本日は、当社の病態モデルラインナップから、 乾癬のマウスモデルである「イミキモド(IMQ)誘発皮膚炎モデル」についてご紹介します。 乾癬は、遺伝的要因と環境要因の両方によって引き起こされる難治性の皮膚疾患です。臨床的には、皮膚の紅斑と鱗屑を特徴とする慢性の炎症を引き起こします。 乾癬の有病率は2~4%であり、全世界で少なくとも1億人が罹患しているとされております。しかしながら、現在、乾癬を完全に治癒させる治療法はなく、現在の治療法は病気の症状を管理するのみです。 IMQモデルは、乾癬の研究に最も広く使用されているモデルの一つです。このモデルでは、ヒトの乾癬患者に見られるようなケラチノサイトの過度な増殖、免疫細胞の浸潤、IL-17/IL-23軸の活性化などが観察されます。 ■当社IMQモデルを用いた公表データの一例はこちら: Takezaki D et al., Front Immunol. 2023 (Link► https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC10461570/) IMQモデル以外にも、様々な線維症・炎症性疾患モデルをご用意しております。 当社のサービスやIMQモデルについて詳しく知りたい方は、お気軽にお問い合わせください。
本日はSTAM™マウスを用いた、GLP-1に着目したMASH薬効評価試験の例をご紹介いたします。 GLP-1といえば、肥満症治療薬としてFDAに承認されたウゴービ®(Semaglutide)は、GLP-1 receptor agonistです。SemaglutideなどのGLP-1 receptor agonistは糖尿病治療薬として開発されてきましたが、上記のような肥満症やMASH(NASH)への適応拡大も期待され、創薬研究が進められてきました。 GLP-1をターゲットとしたMASH創薬研究において、STAM™マウスはGLP-1をターゲットとしたLiraglutide, Linagliptin, DA-1241, APD668といった薬剤の評価実績があるモデルです。 様々な薬剤の評価実績があるSTAM™マウスを用いることで、Liraglutide, Linagliptin, Sitagliptinといった上市品とhead-to-headで比較することができます。また、SemaglutideのMASH治療薬としての適応拡大を検討するなどの用途が可能です。 以下に、GLP-1関連MOAに関するMASH薬効評価試験の投稿論文リストを記載いたしましたので、ご参考にご覧ください。 投稿論文リスト – STAM™マウスを用いたGLP-1関連MOAの薬効評価試験(ターゲット別)- ■GLP-1 receptor agonist - 【Liraglutide】:Kojima M et al, Int J Mol Sci, 2020 ■DPP-4 inhibitor - 【Linagliptin】:Klein T et al, Med Mol Morphol, 2013 - 【Sitagliptin】:Kawaguchi T et al., Liver Cancer, 2018 - 【Sitagliptin】:Nishina S et…
近年、治療薬開発のニーズや疾患の多様化に伴い、病態モデル樹立から実施する”カスタムモデルサービス”へのご質問が多くございます。 本日は、当社カスタムモデルサービスに関する事例をご紹介いたします。 【お客様の事例:関節リウマチと線維化の研究に向けたCAIAモデル取り扱いの検討】 〈研究テーマ〉複数の適応症評価に向けた非臨床試験の実施 ・お悩み、課題 複数の線維化モデルに加えて、関節炎モデルの評価を希望されており、それを実施可能な委託先が見つからず、さらに、今回はターゲットの発現 確認が必須であり、その後に薬効評価試験に進めたいという課題がありました。 ・状況 複数のCROへご相談される中で、線維化モデルの評価で圧倒的な経験を持つ企業という点で当社にご相談頂きましたが、残念ながら、当時の当社では提供可能なモデルに関節炎モデルはございませんでした。 ・当社からのご提案 ご提案として、ターゲットの発現確認、並びに病態確立試験成功後に本試験を実施するという段階的な試験をご提案しました。また、病態確認のために臨床試験や論文を元にした病理評価の実施後にターゲットの評価、適切な病理評価方法のご提案をしました。 さらに、病態確立試験までのデータの公表にご快諾頂くことで、コストシェアでの試験実施により、通常よりもお求めやすい金額で試験を実施することができました。 ・結果 関節炎モデルに関しては、病態の確認と評価を実施でき、再現性確認の後、当社から提供可能な新規モデルとしてリリースいたしました。 今回事例では線維化モデルでの評価を検討されており、実績や技術力の高さから追加のご相談を頂き、モデルの樹立試験の実施にも至っております。 お客様が当社に委託を決定された理由の一つとして、臨床試験を見据えた評価項目や化合物やそのターゲットに合わせたスコアリングの幅広い提案があったため、とご意見を頂いております。 このように、当社では ”カスタムモデルサービス”を通じてお客様によりそったご提案・実施を行うことが可能です。 今回は関節炎モデルに関して、カスタムモデルサービスにより試験のご提供に至った事例をご紹介いたしました。 当社は既存のサービスだけに捉われず、お客様の問題解決が医薬品産業への貢献に繋がると考え、事業に取り組んでおります。 創薬研究に関して、お困りや悩まれていることがございましたら、ぜひ当社までご相談ください。
AdiponectinやadipoR1 , adipoR2などをMOAとした、MASH治療薬開発における非臨床試験についてご紹介いたします。 adiponectin-derived peptide ALY688のSTAM™マウスを用いた薬効評価試験の実証例 ►The adiponectin‐derived peptide ALY688 protects against the development of metabolic dysfunction‐associated steatohepatitis – Huang – 2024 – Clinical and Translational Science – Wiley Online Library (Zhe Huang et al., Clinical and Translational Science, 17, e13760, 2024) PMID: 38847320 本論文は、アメリカのAllysta Pharmaceuticals社の研究チームにより、Clinical and Translational Science誌にて発表されたものです。 STAM™マウスのほかCDAHFDモデルマウスも用いて、ALY688の薬効評価試験を行っております。 これらの試験から得られたデータをもとに、ALY688のanti-NASHおよびanti-fibrosis効果について報告しています。…
肝癌モデルマウスを用いた薬効評価試験を考えている場合、現在考えているモデルマウスより、STAM™-HCC/IO+モデルを利用することで、ヒトの肝癌患者で見られる病態や特徴をより再現し、化合物の効果を最大限評価することが可能です。 肝癌の治療薬としては、レンバチニブ、ソラフェニブといった分子標的薬の他、近年アテゾリズマブ+ベバシズマブ、ニボルマブ、ペムブロリズマブといった免疫チェックポイント阻害剤が臨床の現場で使用されています。 これら化合物の評価を考えた場合、腫瘍抑制効果だけでなく、免疫細胞の評価や癌微小環境、腫瘍の不均一性など、ヒト肝癌患者で見られる様々な特徴を評価できることが重要であると考えられます。 以下、研究者の皆様からよくご質問頂くポイントについて、4つの癌モデルの比較を行った表です。 上記の表のように、STAM™-HCC/IO+モデルは、16-20週間という短期間で肝臓癌を100%発症し、腫瘍の不均一性、癌微小環境や免疫細胞の評価が可能なモデルとなっています。 また、STAM™-HCC/IO+モデルには以下のような特性もあり、腫瘍遺伝子変異量が高いことが明らかになっています。 (特性) ◆細胞傷害性T細胞(CD8陽性T細胞)の浸潤細胞数および局在などの評価が可能 ◆免疫チェックポイント阻害剤の抗腫瘍効果を評価することが可能 ◆標的病変の腫瘍径和の最大変化率をCTにより算出し、腫瘍発育阻害の評価ができる ◆腫瘍微小環境およびそれを形成する免疫細胞や因子(immunosuppressive cells、免疫調節サイトカイン/シグナル伝達、代謝異常、腸内細菌叢)を標的にした評価が可能 これらの特性は、非臨床試験で腫瘍免疫制御をベースとする治療法の評価に極めて有用で、これらの特性を全て備えているSTAM™-HCC/IO+マウスは、現在のところ腫瘍免疫学の研究においては最も適した非臨床肝癌モデルであるとも報告されています (Shalapour S et al, Nature, 551, 340-345, 2017, Dow M et al, PNAS, 115, E9879-E9888, 2018)。 上記以外の癌モデルとの比較やSTAM™-HCC/IO+モデルの特性を示す実際のデータについては、モデルのご紹介を含めて実施が可能です。 詳細につきましては、お気軽にお問い合わせください。