コラムcolumn

SMCラボラトリーズが毎⽉発信している研究コラムをご覧いただけます。

2025.02.02

特許取得慢性肝疾患モデルマウスのご紹介

本記事では、弊社SMCラボラトリーズが開発した世界初のNASH*から肝ガンを発症する病態モデルマウスSTAM™について、ご紹介します。 後期2型糖尿病を背景にNASHを発症する本モデルは、他NASHモデルと比較して以下のような特徴を有します。 *: 非アルコール性脂肪肝炎   ヒトNASHに類似した病態進行(脂肪肝→NASH→肝線維化→肝ガン)を示す 軽度のALT上昇やBallooningの所見、中心静脈周囲性の線維化など、ヒトNASH患者の特徴を再現している 肝ガンが、16週齢から認められ、20週齢で100%の発症が認められます 規則正しく病態が進行することから、被験物質の作用機序やターゲットによって試験期間をカスタマイズ可能 日本国内外、評価した化合物の数は700以上の試験実施経験あり 陽性対照薬を設定し、評価系を保証 本モデルを用いた薬効評価試験から、臨床試験に進んだ被験物質が15種   [1] Fujii M et al, Med. Mol. Morphol, 2013 [2] Van der Schueren B et al, Int. J. Obes, 2015 [3] Asqharpour A., et al, J. Hepatol., 2016 [4] Clapper JR et al, Am. J. Physiol. Gastrointest. Liver Physiol, 2013 [5] Hansen…

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2025.02.02

COVID-19重篤化リスクにより高まるNASH治療薬開発の需要

本記事では、弊社肝疾患モデルマウスとCOVID-19重篤のリスクに関連する内容をご紹介をさせていただきます。   COVID-19は様々な代謝疾患により重篤化することが報告されており、非アルコール性の肝疾患(NAFLD/NASH)の患者でも重篤化リスクが報告されております[Pawlotsky, J., Nat Rev Gastroenterol Hepatol,2020]。   NAFLD/NASHは上市されている治療薬がない為、新薬の開発がなされてきましたが、 COVID-19感染後の重篤化リスクが報告されたことにより、新薬の開発はこれまで以上に急務となると考えられます。 新薬の開発では非臨床段階で適切なモデルを選択することで、臨床試験をより円滑に進めることが可能となります。   今回ご紹介させていただくSTAM™マウスはNAFLD/NASHの優れたモデルであり、 弊社独自の特許モデルでございます。STAM™マウスは以下の様な特徴をもちます。   – 脂肪肝・炎症・線維化・発がんといったNAFLD/NASH患者で見られる病態を再現 – 高血糖、高脂血症、Ⅱ型糖尿病様の症状を持つ – 臨床試験のEndpointである、NAFLD Activity Scoreや線維化の組織学的解析が実施可能 – STAM™で試験した化合物でNAFLD/NASHの臨床試験Phase2以上に進んだ化合物が15件   現在、肝硬変やHCCなどの肝疾患をターゲットとした創薬をされている方や、既存薬の適応拡大を考えている方も、 STAM™を御社の非臨床研究にご活用されるのはいかがでしょうか

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2025.02.02

COVID-19と肺線維症

本記事では、COVID-19と肺線維症の関係性についてご紹介致します。   COVID-19患者ではSARS-CoV-2の感染、及び継続的な炎症により下記表に示す特徴が観察されています(Rothan et al., J Autoimmun., 2020; Weiren et al., Preprint, 2020 )。 同様の特徴が突発性肺線維症(Idiopathic pulmonary fibrosis, IPF)患者とBleomycin(BLM)-induced IPFモデルマウスにおいても報告されています(Li  et al., Am J Physiol Lung Cell Mol Physiol., 2008; Le et al., J Immunol., 2014 )。   弊社では肺線維症モデルとしてBLM-IPFモデルを保有しており、上記の項目に関してqPCR、 ELISAや病理学的解析を用いて解析することが可能です。   ウイルス感染による肺損傷の予後症状としてIPFを発症することも報告されているため、開発の必要性が高まっています。線維化の予防・治療に関しまして研究をされる方がいらっしゃいましたら、IPFモデルをご活用するのはいかがでしょうか。

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2025.02.02

IPFモデルにおけるGalectin-3の免疫組織学的解析

本記事では、Idiopathic Pulmonary Fibrosis (IPF)モデルにおいての潜在的な治療ターゲット分子であるGalectin-3について紹介させて頂きます。   Galectin-3は様々な臓器のマクロファージで発現が増加することが知られており、線維化の発達に関与するレクチンタンパク質です。また、Galectin-3欠損マウスでは肝臓、肺、心臓の線維化に抵抗性を持つことが報告されています。   弊社IPFモデルにおけるGalectin-3の組織解析の結果は下記の特徴を示します。   IPFにおけるGalectin-3 後期線維化ステージであるDay21での評価 貪食により膨張したマクロファージの顕著な染色 ヒトのIPF患者と同様にマクロファージ中のGalectin-3 レベルが上昇 [Nishi et al., Allergol Int., 2007]   ご質問等ございましたらお気軽にご連絡ください。

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2025.02.02

STAMマウスの様々な病態に対する実績について

本記事では、弊社開発のNASH-HCCモデルであるSTAMモデルの非臨床研究における幅広い試験実績ついて、ご紹介させていただきます。   弊社のSTAMマウスには以下の様な特徴があり、多くの企業様や大学様にサービス提供を行っております。 脂肪肝、炎症、線維化、肝がん (HCC)など、幅広い病態での予防・治療効果の評価試験が実施可能 モデル作成から病態発症までの時間が短い(脂肪肝:5-6 週齢、炎症:7-8 週齢、線維化:9-12 週齢、肝がん:16-20 週齢)   STAMモデルを用いて薬効薬理試験を実施し、現在は臨床試験中(Phase 2またはPhase 3)の被験物質を、標的とする疾患領域ごとに分類したグラフを示しています。   弊社の専門領域である「炎症・線維化経路」にとどまらず、脂質合成経路やがん形成に関わる被験物質の試験実績がございます。   弊社ではSTAMモデル以外のモデルもご用意しており、クライアント様のご要望やニーズに沿った試験プランを提案致しております。 ご質問等がございましたらお気軽にご連絡ください。

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2025.02.02

NASHモデルを用いた薬効評価試験実績_マイクロバイオーム

本記事では、弊社クライアント様がBiomedicinesに投稿された論文についてご紹介いたします (Pinheiro et al., 2022)。   Title: A Nine-Strain Bacterial Consortium Improves Portal Hypertension and Insulin Signaling and Delays NAFLD Progression In Vivo.   本論文では、弊社が開発したNASHモデルであるSTAM™マウスを用いて、腸内細菌叢の改善に伴うNASHおよび肝線維化の病態変化を評価しています。   5週齢STAM™マウスに対して、ヒトの腸内常在菌9種類を経口投与することで、NAFLD Activity Scoreおよびシリウスレッド陽性面積の有意な減少が認められました。 またNASHのバイオマーカーであるCK-18においても、有意な減少が確認されております。 以上の結果から、腸内細菌叢の改善がによりSTAMマウスにおいてNAFLDの病態進行を遅らせることができることが示唆されました。   腸内環境をコントロールすることは、NAFLDやNASHの治療や予防に役立つことが期待されます。 腸内環境の改善に作用するプロバイオティクスやプレバイオティクスや、腸疾患の改善に繋がる化合物をお持ちの場合は評価してみるのはいかがでしょうか。 STAM™マウスの利用にご興味ある場合は、お気軽にお問い合わせください。

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2025.02.02

NASHモデルを用いた研究実績_β-グルカン

本記事では、弊社クライアント様がBMJ Open Gastroenterologyに投稿された論文についてご紹介いたします (Preethy et al., 2022)。   Title: “Two unique biological response-modifier glucans beneficially regulating gut microbiota and faecal metabolome in a non-alcoholic steatohepatitis animal model, with potential applications in human health and disease“.   本論文では、黒酵母菌Aureobasidium pullulansのAFO-202株およびN-163株由来の、2種類のβ-グルカンが、弊社STAM™マウスにおける腸内細菌叢の変化および糞便中の代謝物質プロファイルを評価しております。   AFO-202およびN-163 由来β-グルカン投与に伴い、STAM™モデルにおける腸内細菌の種多様性の増加や善玉菌の増加が確認されました。 このことから、これらのβ-グルカンがNASHの予防/治療における有用な補助食品となる可能性が示唆されました。   弊社STAM™マウスの利用にご興味ある場合は、お気軽にお問い合わせください。

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2025.02.02

肝細胞ガンモデルとしてのSTAMモデル

本記事では、弊社のMASH-HCCモデルであるSTAMTMモデルにつきまして、肝細胞ガン(HCC)モデルとしての側面をご紹介します。 従来より使用されているHCCモデルと比較しますと、STAMTMには以下のような特徴と利点がございます。   STAMTMモデル; ・    HCCが、16週齢から認められ、20週齢では100%の発症が認められます。 ・    遺伝子改変を行っておらず、NASHを背景にHCCが自然発症します。そのため、微小環境を含めたガン組織構造の再現が可能となっております。 ・    クライアント様のご要望やニーズに沿って、予防試験や治療試験の実施が可能となっております。   DEN: Diethylnitrosamine, TAA: Thioacetamide   [1] Takakura K., et al., World J. Gastroenterol 24: 1989–1994 [2] Heindryckx F., et al., Int J Exp Path 90:367, 2009   上記に加え、STAMTMモデルでは、ヒトのHCCマーカーであるAFPやGlypican-3、Glutamine synthetaseの上昇が認められております。 また弊社には小動物用のCT装置もございますので、病態進行を多角的かつ正確に評価することが可能となっております。   ご質問等ございましたらお気軽にご連絡ください。  

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2025.02.02

弊社クライアントによる論文発行のお知らせ/Cells

本日はCellsにて弊社クライアント様による論文発表がございましたので、ご紹介させていただきます。   NeuroVive社 Title: “Evaluation of NV556, a Novel Cyclophilin Inhibitor, as a Potential Antifibrotic Compound for Liver Fibrosis”   本論文では、線維化の発症に関わるとされるCyclofilinの阻害剤NV556の抗線維化効果をin vivoにて解析しております。 ※STAMでのNALFD activity scoreと線維化 (Fig.2F, G)   -線維化能の阻害- NASHに対する効果を検討する試験では、弊社のSTAM™モデルが用いられました。 NV556の投与によって肝中性脂肪やコレステロール、病理学的評価であるNALFD activity scoreの大きな変化は認められませんでしたが、シリウスレッド染色を用いた病理学評価により、NV556による線維化の改善が認められました。   これらの結果から、NV556が細胞外マトリックス (ECM) の蓄積に対して作用することで、抗線維化効果を示すことが予測されています。 NV556の臨床試験の実施に関しては未定ですが、今後の臨床試験の結果が期待されます。   STAM™モデルは新薬開発の優れたプラットフォームであり、円滑な臨床試験への進行をサポートできると考えております。また、STAM™の他に今回ご紹介した論文内で使用されているMCDモデルなど、複数のNASHモデルの試験実施も可能となっております。

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2025.02.02

HCCモデルに関するレビュー論文のご案内

STAM™モデルは20週齢までにNASH由来のHCCを発症する弊社の独自モデルであり、NASH-HCC研究や治療法開発に最適なモデルです。HCC研究に関連するモデルマウスに関するレビュー論文がHepatoma Researchに投稿され、その中で、STAM™モデルの利点についてもご紹介いただいております。今回はその内容を抜粋してご紹介いたします。   高いヒトHCCの再現性 広くHCCモデルとして使われるDENモデルの腫瘍と比べて、STAM™ モデルの腫瘍は予後不良な、悪性度の高い腫瘍の発生するなど、ヒトのHCCと高い相関が確認されました。 更にSTAM™ モデルで発生する腫瘍はマイクロCTを用いた解析により、ヒトのがんステージ分類法であるBarcelona Clinic Liver Cancer Staging systemにおいて、Stage BまたはCであることが報告されております。   高い分子遺伝学な再現性 STAM™ モデルではヒトHCCで発生するCTNNB1変異やTP53変異を再現しております。   短期間での腫瘍形成能 STAM™ モデルは他のモデルが40週で腫瘍形成するのと比較して、わずか20週という短期間での腫瘍形成がなされるため、試験期間の短縮が可能となっております。   肝臓がん研究に対する優秀なプラットフォーム STAM™ モデルはがん研究を行う上で、画期的なプラットフォームとなりえます。 Shalapour氏はSTAM™ モデルを用いた研究で、NASH性肝細胞がん発生では、抗腫瘍細胞障害性CD8 + Tリンパ球の活性化を直接阻害する常在IgA +プラズマ細胞によって促進されるという報告をあげております。   今回ご紹介したレビュー論文では、HCC研究には単一のモデルだけではなく、複数のモデル動物を組み合わせた研究が不可欠であると論じています。 現在、がん研究を他のモデルでご検討されている方も、これから非臨床モデルでのがん研究を開始される方も、STAM™ モデルをがん研究のプロジェクトにご活用するのはいかがでしょうか。

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