SMCラボラトリーズが毎⽉発信している研究コラムをご覧いただけます。
2025.02.02
本記事では、弊社クライアント様がBMJ Open Gastroenterologyに投稿された論文についてご紹介いたします (Preethy et al., 2022)。 Title: “Two unique biological response-modifier glucans beneficially regulating gut microbiota and faecal metabolome in a non-alcoholic steatohepatitis animal model, with potential applications in human health and disease“. 本論文では、黒酵母菌Aureobasidium pullulansのAFO-202株およびN-163株由来の、2種類のβ-グルカンが、弊社STAM™マウスにおける腸内細菌叢の変化および糞便中の代謝物質プロファイルを評価しております。 AFO-202およびN-163 由来β-グルカン投与に伴い、STAM™モデルにおける腸内細菌の種多様性の増加や善玉菌の増加が確認されました。 このことから、これらのβ-グルカンがNASHの予防/治療における有用な補助食品となる可能性が示唆されました。 弊社STAM™マウスの利用にご興味ある場合は、お気軽にお問い合わせください。
2025.02.02
本記事では、弊社のMASH-HCCモデルであるSTAMTMモデルにつきまして、肝細胞ガン(HCC)モデルとしての側面をご紹介します。 従来より使用されているHCCモデルと比較しますと、STAMTMには以下のような特徴と利点がございます。 STAMTMモデル; ・ HCCが、16週齢から認められ、20週齢では100%の発症が認められます。 ・ 遺伝子改変を行っておらず、NASHを背景にHCCが自然発症します。そのため、微小環境を含めたガン組織構造の再現が可能となっております。 ・ クライアント様のご要望やニーズに沿って、予防試験や治療試験の実施が可能となっております。 DEN: Diethylnitrosamine, TAA: Thioacetamide [1] Takakura K., et al., World J. Gastroenterol 24: 1989–1994 [2] Heindryckx F., et al., Int J Exp Path 90:367, 2009 上記に加え、STAMTMモデルでは、ヒトのHCCマーカーであるAFPやGlypican-3、Glutamine synthetaseの上昇が認められております。 また弊社には小動物用のCT装置もございますので、病態進行を多角的かつ正確に評価することが可能となっております。 ご質問等ございましたらお気軽にご連絡ください。
2025.02.02
本日はCellsにて弊社クライアント様による論文発表がございましたので、ご紹介させていただきます。 NeuroVive社 Title: “Evaluation of NV556, a Novel Cyclophilin Inhibitor, as a Potential Antifibrotic Compound for Liver Fibrosis” 本論文では、線維化の発症に関わるとされるCyclofilinの阻害剤NV556の抗線維化効果をin vivoにて解析しております。 ※STAMでのNALFD activity scoreと線維化 (Fig.2F, G) -線維化能の阻害- NASHに対する効果を検討する試験では、弊社のSTAM™モデルが用いられました。 NV556の投与によって肝中性脂肪やコレステロール、病理学的評価であるNALFD activity scoreの大きな変化は認められませんでしたが、シリウスレッド染色を用いた病理学評価により、NV556による線維化の改善が認められました。 これらの結果から、NV556が細胞外マトリックス (ECM) の蓄積に対して作用することで、抗線維化効果を示すことが予測されています。 NV556の臨床試験の実施に関しては未定ですが、今後の臨床試験の結果が期待されます。 STAM™モデルは新薬開発の優れたプラットフォームであり、円滑な臨床試験への進行をサポートできると考えております。また、STAM™の他に今回ご紹介した論文内で使用されているMCDモデルなど、複数のNASHモデルの試験実施も可能となっております。
2025.02.02
STAM™モデルは20週齢までにNASH由来のHCCを発症する弊社の独自モデルであり、NASH-HCC研究や治療法開発に最適なモデルです。HCC研究に関連するモデルマウスに関するレビュー論文がHepatoma Researchに投稿され、その中で、STAM™モデルの利点についてもご紹介いただいております。今回はその内容を抜粋してご紹介いたします。 高いヒトHCCの再現性 広くHCCモデルとして使われるDENモデルの腫瘍と比べて、STAM™ モデルの腫瘍は予後不良な、悪性度の高い腫瘍の発生するなど、ヒトのHCCと高い相関が確認されました。 更にSTAM™ モデルで発生する腫瘍はマイクロCTを用いた解析により、ヒトのがんステージ分類法であるBarcelona Clinic Liver Cancer Staging systemにおいて、Stage BまたはCであることが報告されております。 高い分子遺伝学な再現性 STAM™ モデルではヒトHCCで発生するCTNNB1変異やTP53変異を再現しております。 短期間での腫瘍形成能 STAM™ モデルは他のモデルが40週で腫瘍形成するのと比較して、わずか20週という短期間での腫瘍形成がなされるため、試験期間の短縮が可能となっております。 肝臓がん研究に対する優秀なプラットフォーム STAM™ モデルはがん研究を行う上で、画期的なプラットフォームとなりえます。 Shalapour氏はSTAM™ モデルを用いた研究で、NASH性肝細胞がん発生では、抗腫瘍細胞障害性CD8 + Tリンパ球の活性化を直接阻害する常在IgA +プラズマ細胞によって促進されるという報告をあげております。 今回ご紹介したレビュー論文では、HCC研究には単一のモデルだけではなく、複数のモデル動物を組み合わせた研究が不可欠であると論じています。 現在、がん研究を他のモデルでご検討されている方も、これから非臨床モデルでのがん研究を開始される方も、STAM™ モデルをがん研究のプロジェクトにご活用するのはいかがでしょうか。
2025.02.02
臨床試験へ進行するための鍵となるのは、動物モデルを使用する前臨床試験で得られた化合物の効果とデータの頑健性です。そのため、臨床相関性の高い適切なモデルを選択することが重要となります。 2020年1月の時点では、弊社のSTAM™マウスを用いて前臨床試験が行われ、その後NASHの臨床試験に進行した企業は15社に及びます。その中でも、ブリストル・マイヤーズスクイブ社が開発したPegbelfermin(PEG化FGF21アナログ)が現在までに臨床試験の第二相(NCT02413372)へと進行しております。 PegbelferminはSTAM™マウスと臨床試験の双方で脂質や線維化に関連した項目の改善を示したことが報告されております[Cristy R.C. Verzijl et al., EXPERT OPINION ON INVESTIGATIONAL DRUGS, 2019]。 ・肝脂肪に対する有効性 STAM™マウスでは、Pegbelfermin投与群において肝中性脂肪やコレステロールの減少が認められました。また、臨床試験第二相でも同様に、Pegbelfermin投与群はプラセボ群と比較して、5-7%の肝脂肪の減少を示しました。 ・線維化に対する有効性 STAM™マウスでは、病理学的評価において線維化が改善し、STAM™マウスと臨床試験の両方で線維化のマーカーである血清PRO-C3が減少を示したことから、前臨床と臨床間におけるPegbelferminの有効性が一致しました。 加えて、NASHの病態評価に利用されるNAFLD Activity Scoreの病理学的評価は、STAM™マウスではPegbelferminが優れた効果を示したものの、Pegbelferminの臨床試験ではまだ実施がされておりません。 したがって今後、前臨床試験と同様の結果が得られることが大いに期待されます。 Pegbelferminは、STAM™マウスおよび臨床試験の両方で有効性を証明した化合物の一例です。 STAM™モデルは、新薬開発の優れたプラットフォームであり、円滑な臨床試験への進行をサポートできると考えております。 また、NASH以外にも炎症・線維化に特化した幅広いモデルラインナップを取り揃えておりますので、 試験の詳細についてご質問等がございましたら、お気軽にご連絡下さい。
2025.02.02
本記事では、Toxicological Sciencesにて弊社クライアント様による論文発表がございましたのでご紹介します。 FDA-National Center for Toxicological Research (NCTR) “Gene Expression and DNA Methylation Alterations in the Glycine N-Methyltransferase Gene in Diet-Induced Nonalcoholic Fatty Liver Disease-Associated Carcinogenesis” STAMTMモデルは、脂肪肝から肝炎、線維化、そして肝癌までの進行が、すべてのマウスにおいてヒトNASHと同じ病態進行で、100%規則正しく発現するモデルマウスとして、NASH-肝癌研究に用いられております。 本論文では、2つのNAFLD-HCC(STAMTM and Diamond)モデルを用いて、Gnmt 遺伝子が経時的な発現低下を示し、DNAメチル化レベルの上昇と相関していることが報告されています。 Gnmt遺伝子の発現低下はヒトHCC 患者でも同様に見られており、これらの遺伝子発現変化やエピジェネティック修飾変化は病態の早期診断のバイオマーカーとして利用できる可能性がございます。 過去の論文では、トランスクリプトームの比較を行った結果、STAMTMモデルで発生する肝癌が最もヒト肝癌に類似していることが報告されております(Dow et al., 2018)。また、STAMTM モデルを用いてNASH-HCC過程における遺伝子発現とエピジェネティック制御の関係が報告されている(Dreval et al., 2019)ことから、STAMTM モデルはこれらの解析行うのに適したモデルであると考えられます。 弊社は、STAMTMモデルを用いた薬効試験をはじめ、小スケールで実施いただけるパイロット試験プラン、臓器サンプル販売など、研究者様のニーズに応じたサービスを提供しております。 ご要望やご質問等ございましたら、お気軽にお問合せください。
2025.02.02
本記事では、Biochemistryにて弊社クライアント様による論文発表がございましたのでご紹介させて頂きます。 University of Nebraska Title: “A Panel of Protein Kinase Chemosensors Distinguishes Different Types of Fatty Liver Disease” 本研究は、STAMTMモデルのNAFLD、NASHおよびHCCステージでMK2 (MAPKAPK2)活性の有意な増加を報告しております。 STAMTMモデルは、キナーゼインヒビターの薬効評価試験にご利用頂けます。 ご質問等ございましたらお気軽にご連絡ください。
2025.02.02
本記事では、UCSDのMichael Karinチームの、NASH-HCCモデル(STAM™マウス)肝癌のヒト患者相関性に関する研究論文をご案内させて頂きます。 PNAS October 16, 2018 | vol. 115 | no. 42 | E9879 “Integrative genomic analysis of mouse and human hepatocellular carcinoma “ STAMTMマウスは、脂肪肝から肝炎、線維化、そして肝癌までの進行が、すべてのマウスにおいてヒトNASHと同じ病態進行で、100%規則正しく発現するモデルマウスとして、NASH-肝癌研究に用いられております。 本論文では、4つの代表的な肝癌モデル(MUP transgenic、TAK1-knockout、DENおよびSTAMTM)とヒト肝癌についてゲノムおよびトランスクリトームの比較を行った結果、STAMTMマウスで発生する肝癌が最もヒト肝癌に類似していることが示されました。 弊社は、STAMTMマウスを用いた薬効試験をはじめ、小スケールで実施いただけるパイロット試験プラン、臓器サンプルや個体の販売など、研究者のニーズに応じたサービスを提供しております。 ご要望やご質問等ございましたら、お気軽にお問合せください。
2025.02.02
本記事では、Hepatology Communicationsにて弊社クライアント様による論文発表がございましたのでご紹介させて頂きます。 Novartis社 Title: “Tropifexor-Mediated Abrogation of Steatohepatitis and Fibrosis is Associated with the Antioxidative Gene Expression Profile in Rodents” 本研究は、STAMTMモデルを用いて、非胆汁酸FXR作動薬であるTropifexorの線維化に対する治療効果を報告しております。 ご質問等ございましたらお気軽にご連絡ください。
2025.02.02
本記事では、International Journal of Gastroenterologyにて弊社クライアント様による論文発表がございましたのでご紹介させて頂きます。 Enanta社 Title: “Characterization of EDP-305, a Highly Potent and Selective Farnesoid X Receptor Agonist, for the Treatment of Non-alcoholic Steatohepatitis” 本研究は、STAMTMモデルを用いて、EDP-305(FXRアゴニスト)の抗NASH効果を報告しております。 ご質問等ございましたらお気軽にご連絡ください。
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