コラムcolumn

SMCラボラトリーズが毎⽉発信している研究コラムをご覧いただけます。

2025.02.02

強皮症および肺線維症同時発症モデルのご案内

本記事では、弊社で既にご提供している全身性強皮症のモデルを改良した、 より臨床相関性の高い皮膚と肺で同時に線維化を発症するモデルのSSc-ILDのモデルを紹介いたします。   全身性強皮症は、皮膚だけではなく心臓、肺、腎臓などの全身の組織に線維化が起こる進行性の希少疾患です。 特に肺疾患は合併症の中でも発症率が高く、全身性強皮症患者の主要な死因として間質性肺炎が報告されております。   全身性強皮症の動物モデルでは、ブレオマイシン皮下投与による皮膚線維化誘導モデルが一般的であり、弊社でも以前からご提供しておりました。 より臨床相関性の高いモデルをご提供するために弊社では、昨年モデル作製条件の再検討を行い、皮膚および肺の線維化を同時に引き起こすモデルとしてリニューアル致しました。 本モデルは、強皮症において代表的な病態である皮膚の真皮長肥厚や肺の線維化が確認されております。   現在、全身性強皮症に対する根治療法はなく、皮膚や肺の各症状への対症療法のみです。 改良した本モデルを用いて、全身性強皮症の皮膚と肺の症状を同時に対象とする薬効評価試験を実施するのはいかがでしょうか。 こちらのモデルに関する資料の送付依頼やご質問に関しましては、お問い合わせください。

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2025.02.02

LPS誘導性急性肺障害モデルのご紹介

本記事では、COVID-19患者が類似した症状を示す急性呼吸窮迫症候群(ARDS)のモデルである、Liposaccharide誘導性急性肺障害(LPS)モデルをご紹介いたします。   COVID-19患者では急性肺炎や肺線維化などの病態が発生することが報告されております。 急性肺炎は肺障害の初期症状として現れ、進行するとARDSを発症することが知られています。 ARDSは活性化した好中球により肺組織に損傷を生じ、細胞浸潤や浮腫を引き起こすことが確認されております。   LPSモデルはARDSモデルとして広く使用されているモデルです。 弊社のLPSモデルでは好中球有意な炎症細胞の増加やIL-6の上昇といった急性肺炎由来のARDSとの共通点があることから、抗ARDS薬への薬効評価に対し有効なモデルであると考えております。   また、弊社ではBleomycin誘導性肺線維化(BLM-IPF)モデルを有しており、肺障害の中-後期に発生する肺線維化の予防・治療効果の検討に多くのクライアント様にご利用いただいております。 そのため、弊社の肺疾患モデルではLPSモデルで初期、BLM-IPFモデルで中期-後期の肺障害やCOVID-19の症状に対する薬効評価試験が実施可能と考えられます。

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2025.02.02

肝臓同所移植モデルのご紹介

本記事では、癌モデルにおいて腫瘍の微小環境を含めて評価が可能な肝臓同所移植モデルをご紹介します。   医療の進歩に伴う寿命の延長により癌患者の死亡者数は増加の一途を辿っています。 そのため、治療薬開発の需要は高く、多くの臨床試験が実施されていますが、前臨床試験での成功に反して、臨床試験での成功には大きな壁見られます。 原因の一つとして、ゼノグラフトモデル使用の影響が考えられます。   ゼノグラフトモデルは癌研究を行う際、細胞株の利用により簡便に目的の癌腫に対する薬効評価を行うことが可能です。 しかしながら、ゼノグラフトモデルを用いた前臨床試験と臨床試験の結果における相関関係は低いことが報告されています(Johnson et al., Br. J. Cancer., 2001)。   そこで注目されるのが、同所移植モデルであり、このモデルでは腫瘍を取り巻く環境を含めた評価が可能となっています。 腫瘍微小環境の重要性については過去に報告がされており(Min et al., Curr. Opin. Genet. Dev., 2008)、腫瘍細胞と組織特異的間質細胞との相互作用は、腫瘍の成長、分化、および薬剤感受性に影響を及ぼすことも報告されています(Douglas et al., Nat Med. 2010)。   同所移植モデルでは比較的安価に腫瘍微小環境の影響を含めた試験が可能となり、ゼノグラフトモデルよりも有益な結果を得られることが期待されます。 お手持ちの化合物を評価する際に、まずは同所移植モデルを用いて効果の確認を行うのはいかがでしょうか。

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2025.02.02

NASHモデルを用いたFXRアゴニストの薬効評価試験の実績について

本記事では、弊社が開発した世界初のNASHから肝癌を発症する病態モデルマウス-STAMモデル–の評価実績について、その一例としてFarnesoid X receptor (FXR)アゴニストをご紹介致します。   FXRは、胆汁酸をリガンドとして作動する核内受容体であり、コレステロール代謝、糖代謝、インスリン感受性などの調節に関与しています。 そのため、FXRの活性化がNAFLD/NASHの治療に繋がると考えられ、治療薬の標的分子として注目され、これまでNovartis社のTropifexorを始めとする様々なFXRアゴニストの開発が行われてまいりました。   本モデルにおいても、Tropifexor (Novartis)、EDP-305 (Enanta)、Vonafexor (ENYO Pharma)などFXRアゴニストの薬効を評価した経験は複数件あり、その研究成果の一部は論文や学会発表として公表されています。 [Chau M et al. International Journal of Gastroenterology. 2019.; Hernandez E et al. Hepatol Commun. 2019.; Radreau P et al. AASLD. 2019.]   NASHは複雑な病態を持ち、その発症機序も不明な点が多いことから、ヒトの病態を完全に再現するとされる動物モデルは、今日に至るまで報告されておりません。 そのため、遺伝子改変モデル、特殊飼料誘導モデル、薬剤誘導モデルなど多数の動物モデルの中から複数種を用いてNASHへの効果を総合的に評価していく必要があると言えます。 実際、今回ご紹介したTropifexorやEDP-305においても、本モデルに加えCDAHFDやAmylinモデルといった他NASHモデルを用いて薬効を評価しております。 本モデルは、病理組織学的にヒトNASHと類似した組織像を呈することから、臨床試験の主要評価項目であるNAFLD Activity scoreや線維化陽性面積の定量が可能な数少ない動物モデルです。 また本モデルを用いた薬効評価試験は800を超え、FXRのみならず多種多様な分子標的薬の薬効を評価してきた実績がございます。  

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2025.02.02

特許取得慢性肝疾患モデルマウスのご紹介

本記事では、弊社SMCラボラトリーズが開発した世界初のNASH*から肝ガンを発症する病態モデルマウスSTAM™について、ご紹介します。 後期2型糖尿病を背景にNASHを発症する本モデルは、他NASHモデルと比較して以下のような特徴を有します。 *: 非アルコール性脂肪肝炎   ヒトNASHに類似した病態進行(脂肪肝→NASH→肝線維化→肝ガン)を示す 軽度のALT上昇やBallooningの所見、中心静脈周囲性の線維化など、ヒトNASH患者の特徴を再現している 肝ガンが、16週齢から認められ、20週齢で100%の発症が認められます 規則正しく病態が進行することから、被験物質の作用機序やターゲットによって試験期間をカスタマイズ可能 日本国内外、評価した化合物の数は700以上の試験実施経験あり 陽性対照薬を設定し、評価系を保証 本モデルを用いた薬効評価試験から、臨床試験に進んだ被験物質が15種   [1] Fujii M et al, Med. Mol. Morphol, 2013 [2] Van der Schueren B et al, Int. J. Obes, 2015 [3] Asqharpour A., et al, J. Hepatol., 2016 [4] Clapper JR et al, Am. J. Physiol. Gastrointest. Liver Physiol, 2013 [5] Hansen…

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2025.02.02

COVID-19重篤化リスクにより高まるNASH治療薬開発の需要

本記事では、弊社肝疾患モデルマウスとCOVID-19重篤のリスクに関連する内容をご紹介をさせていただきます。   COVID-19は様々な代謝疾患により重篤化することが報告されており、非アルコール性の肝疾患(NAFLD/NASH)の患者でも重篤化リスクが報告されております[Pawlotsky, J., Nat Rev Gastroenterol Hepatol,2020]。   NAFLD/NASHは上市されている治療薬がない為、新薬の開発がなされてきましたが、 COVID-19感染後の重篤化リスクが報告されたことにより、新薬の開発はこれまで以上に急務となると考えられます。 新薬の開発では非臨床段階で適切なモデルを選択することで、臨床試験をより円滑に進めることが可能となります。   今回ご紹介させていただくSTAM™マウスはNAFLD/NASHの優れたモデルであり、 弊社独自の特許モデルでございます。STAM™マウスは以下の様な特徴をもちます。   – 脂肪肝・炎症・線維化・発がんといったNAFLD/NASH患者で見られる病態を再現 – 高血糖、高脂血症、Ⅱ型糖尿病様の症状を持つ – 臨床試験のEndpointである、NAFLD Activity Scoreや線維化の組織学的解析が実施可能 – STAM™で試験した化合物でNAFLD/NASHの臨床試験Phase2以上に進んだ化合物が15件   現在、肝硬変やHCCなどの肝疾患をターゲットとした創薬をされている方や、既存薬の適応拡大を考えている方も、 STAM™を御社の非臨床研究にご活用されるのはいかがでしょうか

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2025.02.02

COVID-19と肺線維症

本記事では、COVID-19と肺線維症の関係性についてご紹介致します。   COVID-19患者ではSARS-CoV-2の感染、及び継続的な炎症により下記表に示す特徴が観察されています(Rothan et al., J Autoimmun., 2020; Weiren et al., Preprint, 2020 )。 同様の特徴が突発性肺線維症(Idiopathic pulmonary fibrosis, IPF)患者とBleomycin(BLM)-induced IPFモデルマウスにおいても報告されています(Li  et al., Am J Physiol Lung Cell Mol Physiol., 2008; Le et al., J Immunol., 2014 )。   弊社では肺線維症モデルとしてBLM-IPFモデルを保有しており、上記の項目に関してqPCR、 ELISAや病理学的解析を用いて解析することが可能です。   ウイルス感染による肺損傷の予後症状としてIPFを発症することも報告されているため、開発の必要性が高まっています。線維化の予防・治療に関しまして研究をされる方がいらっしゃいましたら、IPFモデルをご活用するのはいかがでしょうか。

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2025.02.02

IPFモデルにおけるGalectin-3の免疫組織学的解析

本記事では、Idiopathic Pulmonary Fibrosis (IPF)モデルにおいての潜在的な治療ターゲット分子であるGalectin-3について紹介させて頂きます。   Galectin-3は様々な臓器のマクロファージで発現が増加することが知られており、線維化の発達に関与するレクチンタンパク質です。また、Galectin-3欠損マウスでは肝臓、肺、心臓の線維化に抵抗性を持つことが報告されています。   弊社IPFモデルにおけるGalectin-3の組織解析の結果は下記の特徴を示します。   IPFにおけるGalectin-3 後期線維化ステージであるDay21での評価 貪食により膨張したマクロファージの顕著な染色 ヒトのIPF患者と同様にマクロファージ中のGalectin-3 レベルが上昇 [Nishi et al., Allergol Int., 2007]   ご質問等ございましたらお気軽にご連絡ください。

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2025.02.02

STAMマウスの様々な病態に対する実績について

本記事では、弊社開発のNASH-HCCモデルであるSTAMモデルの非臨床研究における幅広い試験実績ついて、ご紹介させていただきます。   弊社のSTAMマウスには以下の様な特徴があり、多くの企業様や大学様にサービス提供を行っております。 脂肪肝、炎症、線維化、肝がん (HCC)など、幅広い病態での予防・治療効果の評価試験が実施可能 モデル作成から病態発症までの時間が短い(脂肪肝:5-6 週齢、炎症:7-8 週齢、線維化:9-12 週齢、肝がん:16-20 週齢)   STAMモデルを用いて薬効薬理試験を実施し、現在は臨床試験中(Phase 2またはPhase 3)の被験物質を、標的とする疾患領域ごとに分類したグラフを示しています。   弊社の専門領域である「炎症・線維化経路」にとどまらず、脂質合成経路やがん形成に関わる被験物質の試験実績がございます。   弊社ではSTAMモデル以外のモデルもご用意しており、クライアント様のご要望やニーズに沿った試験プランを提案致しております。 ご質問等がございましたらお気軽にご連絡ください。

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2025.02.02

NASHモデルを用いた薬効評価試験実績_マイクロバイオーム

本記事では、弊社クライアント様がBiomedicinesに投稿された論文についてご紹介いたします (Pinheiro et al., 2022)。   Title: A Nine-Strain Bacterial Consortium Improves Portal Hypertension and Insulin Signaling and Delays NAFLD Progression In Vivo.   本論文では、弊社が開発したNASHモデルであるSTAM™マウスを用いて、腸内細菌叢の改善に伴うNASHおよび肝線維化の病態変化を評価しています。   5週齢STAM™マウスに対して、ヒトの腸内常在菌9種類を経口投与することで、NAFLD Activity Scoreおよびシリウスレッド陽性面積の有意な減少が認められました。 またNASHのバイオマーカーであるCK-18においても、有意な減少が確認されております。 以上の結果から、腸内細菌叢の改善がによりSTAMマウスにおいてNAFLDの病態進行を遅らせることができることが示唆されました。   腸内環境をコントロールすることは、NAFLDやNASHの治療や予防に役立つことが期待されます。 腸内環境の改善に作用するプロバイオティクスやプレバイオティクスや、腸疾患の改善に繋がる化合物をお持ちの場合は評価してみるのはいかがでしょうか。 STAM™マウスの利用にご興味ある場合は、お気軽にお問い合わせください。

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