SMCラボラトリーズが毎⽉発信している研究コラムをご覧いただけます。
2025.02.03
新しい薬効評価試験サービスとして、IPFモデルの陽性対照にNerandomilastを設定致しましたので、ご紹介いたします。 陽性対照として設定したNerandomilastはPDE-4阻害薬です。 BLM-induced IPFモデルの主要評価項目である肺の組織学的解析によるAshcroft scoreは、vehicle群と比較してNerandomilast投与群で有意に低下し、Nerandomilastによる肺線維化の治療効果が確認されました。 薬効評価試験における陽性対照の意義は、既知の有効な治療と同程度の被験物質の有効性を示すこと、及び、陽性対照と直接比較して被験治療の優越性を示すことにより被験治療の有効性を示すことです。つまり、陽性対照を設定することで、被験物質の薬効を陽性対照と比較して評価することが可能です。 このポジティブコントロールを用いて、貴社の被験物質の薬効評価試験を実施するのはいかがでしょうか。 弊社では、研究員同席の下、Webミーティングも可能です。 お客様の試験目的やご希望の試験内容をお伺いし、弊社の線維化・炎症に関するノウハウを合わせ、お客様に最適な薬効評価試験をご提供いたします。 弊社IPFモデルのサービス内容について、さらに詳細にお知りになりたい方は、お気軽にお問い合わせください。
2025.02.02
STAMTMマウスを用いたGLP-1 receptor agonistとの直接比較試験のご提案 本記事では、STAMTMマウスを用いたGLP-1をターゲットとした薬効評価試験の実証例について、ご紹介をいたします。 2010年本邦初のGLP-1アゴニストであるLiraglutideが上市され以後、Exenatide、Lixisenatideなどが登場しております。2024年1月時点で、Clinical trial gov.に登録されている臨床試験およびその非臨床試験を表1にまとめました。 表1. GLP-1に関わるCompoundのNASHに対する開発状況 *1; Kojima M et al (Int J Mol Sci, 2020), *2; Mollerhoj MB et al (Clin Transl Sci, 2022), *3; Boland ML et al (Nat Metab, 2020), *4; Viking Therapeutics VK2735 – Viking Therapeutics, *5; Klein T et al (Med Mol Morphol, 2013), *6;…
2025.02.02
本記事では、STAMTMマウスを用いたFGF21をターゲットとした薬効評価試験の実証例について、ご紹介をいたします。 2023年米国Akero社のEfruxifermin、イスラエル89bio社のPegozaferminがPhase 2bにおける良好な結果が公表され、今後の展開が期待されております。2024年10月時点で、Clinical trial gov.に登録されている臨床試験およびその非臨床試験を表1にまとめました。 表1. FGF21アナログのNASHに対する開発状況 表1に記載されている通り、STAMマウスはFGF21アナログであるPegbelfermin、Pegozaferminの評価実績があるモデルです。例えば、89bio社はSTAMTMマウスを用いて、Pegozaferminを投与することにより肝発癌抑制させることを世界で初めて報告しております。 https://www.89bio.com/wp-content/uploads/2023/06/EASL-2023.pdf STAMTMマウスというFGF21アナログで開発が先行しているPegozaferminの評価実績があるマウスを用いてることで、あなた方がお持ちの被験物質とhead-to-headで比較することができ、開発品の優位性を評価できることが、Pegozaferminと比較することが可能になります。 当社が世界に先駆けて開発したMASH/NASHモデルであるSTAMTMマウスを用いて、FGF21 pathwayをターゲットとした被験物質の薬効を評価することに関心はありますか。 皆様からのお問い合わせを心よりお待ち申し上げております。
2025.02.02
本記事では、弊社の病態モデルマウスのサンプル活用方法についてご紹介します。 弊社は、病態モデルマウスを用いた薬効評価試験受託事業を主力とするコンサルティング型非臨床CROでございます。 弊社が開発した世界初のNASH(非アルコール性脂肪肝炎)から肝ガンを発症する病態モデルマウスSTAMTMマウスをはじめとして、多くの薬効評価試験をご提供して参りました。その中で、「まずターゲットの発現を確認したい!」というご要望を多く頂き、STAMTMマウスをより多くの方にご利用頂くため、STAMTMマウスのサンプル販売を実施致します。STAMTMマウス、NASHから肝臓がんへの進行を示し、ヒトNASHに類似した病状を示しています(脂肪肝→NASH→肝硬変→HCC)。しかし、肝硬変を引き起こしません。したがって、このモデルを肝硬変のモデルであるCCl4 マウスと併用することで病態を補完し、総合的に評価することが可能です。 サンプル例: 凍結組織サンプル(凍結肝臓、肺、腎臓等) 組織サンプル(FFPE/OCTブロック・スライド) 血液サンプル(血清・血漿) *上記以外にもご要望に応じて採材が可能です。 貴社の候補化合物の有効性を検証するためにも、まずSTAMTMモデルやSTAMTMモデルのサンプルを用いて解析するのはいかがでしょうか? STAMTM以外にも様々な病態モデルマウスでサンプルのご提供が可能で、ご利用可能な病態モデルはこちらからご確認できます。 ご関心・ご不明点等ございましたら、お気軽にお問い合わせください。
2025.02.02
弊社ではSTAMTMモデルを用いた経時的な遺伝子発現データ(RNA-seq data)の取得を実施致しました。 さらに、それだけでなくSTAMTMモデルとNASH-HCC患者の遺伝子発現データ比較を実施致しました。 その結果、多くの遺伝子の発現変動が共通しており、その他HCC患者の遺伝子発現変動とも共通していることが分かっております。この遺伝子発現比較データに興味がありますか?興味がある場合、ぜひ弊社までご連絡ください。 TAMTMモデルは、弊社SMCラボラトリーズが開発した世界初のNASHから肝ガンを発症する病態モデルマウスです。ヒトNASHと類似した病態(脂肪肝→NASH→肝線維化→HCC)を発症することから、これまで多くの薬効評価試験や基礎研究に活用されてきました。 STAMTMモデルの遺伝子発現データの利用についてご興味ある場合は是非お問い合わせください。
2025.02.02
本記事では、弊社クライアント様がGeneに投稿された論文についてご紹介いたします (Ishizawa et al., Gene. 2022)。 こちらの論文では、弊社が開発したNASHモデルマウス 【STAM™マウス】を用いた薬効評価の結果が示されております。 STAM™マウスは2型糖尿病を背景に持ち、経時的に脂肪肝→NASH→線維化→肝ガンを自然発症する病態モデルです。 本論文では、脂肪肝フェーズからNASH初期フェーズまでのSTAM™マウスに漢方である大柴胡湯を投与しており、大柴胡湯が腸内細菌叢を変化させることで脂肪肝を改善することが報告されております。 脂肪肝についてはNAFLD activity score (NAS)により評価されており、大柴胡湯を投与したSTAM™マウスではNASが有意に低値を示しております。 また、腸内細菌叢の多様性指数や通常の主要構成細菌の割合は、通常マウスと比較して、STAM™マウスでは低値を示しましたが、大柴胡湯を投与したSTAM™マウスでは改善されていることが示されております。 NAFLDおよびNASHは腸肝軸や腸内細菌叢が大きく関与していることが知られております。 腸から肝臓への血液供給は門脈という血管を介しており、腸に由来する一連の細菌、細菌の代謝物や毒素が、門脈を通じて肝臓に影響を与えます。 実際に、ヒト及びSTAM™マウスにおいて、腸内細菌叢の変化による腸内環境の悪化はNAFLDおよびNASHの発症や悪化に関与することが報告されております (Lixin et al., Hepatology, 2012; Jay et al., CMGH, 2015; Guoxiang et al., Oncotarget., 2016)。 本論文のように、腸内環境を改善することは、NAFLDやNASHの治療や予防に役立つことが期待されます。 腸内環境の改善に作用するプロバイオティクスやプレバイオティクスや、腸疾患の改善に繋がる化合物をお持ちの場合は評価してみるのはいかがでしょうか。 STAM™モデルを用いて、お持ちの化合物で薬効評価試験を試してみませんか? これまでの経験を用いて試験をご提案することも可能です。 STAM™マウスの利用にご興味ある場合は、お気軽にお問い合わせください。
2025.02.02
本記事では、弊社が提供しているXenograftモデルおよびSTAM™モデルを用いたin vivoスクリーニング試験をご紹介します。 肝癌は、癌関連の死因3位に位置する癌種であり、B型およびC型肝炎ウイルス感染やNALFD/NASH、アルコール性障害などの慢性肝疾患を背景に発症します。様々な肝癌モデル動物が存在しますが、弊社では主にSTAM™モデルと同所移植モデルを2種を提供しております。 世界初のNASHから肝癌を自然発症する病態モデルマウスとして開発されたSTAM™は、慢性肝疾患であるNASHを背景に肝癌を発症します。そのため、ヒトで見られる発癌プロセス(肝障害-線維化-発癌)を考慮した薬効評価試験の実施が可能です。本モデルは、20週齢というごく短期間で肝癌を発症するモデルであり、ヒト肝癌および代表的な肝癌モデル(MUP transgenic、TAK1-knockout、DENおよびSTAM™)についてゲノムおよびトランスクリプトトームの比較を行った際、STAM™モデルが最もヒトに類似していることが報告されています(Dow et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA,. 2018)。 一方で同所移植モデルは、ヒト肝癌細胞株を肝臓に移植することで作製するため、比較的低コストかつ短期間(6週間)で薬効評価試験を実施することが可能であり、新規抗がん剤のin vivoスクリーニングに適したモデルであると言えます。しかし、肝癌発症に起因している基礎疾患までは再現しないために、発癌に至るまでの肝臓の変化を含めた薬効評価を行うことができません(Liu et al., Hepatoma Res., 2020)。 以上の事から、もし肝癌に対する化合物を複数お持ちでしたら、コストを抑えつつ薬効効果を評価が出来る同所移植モデルにてin vivoスクリーニング試験を行い、有効性が認められた化合物に対して、STAM™モデルを用いて基礎疾患への影響を含めて総合的に薬効を評価するのはいかがでしょうか。 弊社肝癌モデルに関して、ご関心がございましたらお気軽にお問い合わせください。
2025.02.02
本記事では、弊社が開発した世界初の非アルコール性脂肪肝炎(NASH)から肝癌を自然発症する病態モデルマウス-STAM™モデル-について、肝癌モデルとしての特徴をご紹介いたします。 STAM™モデルは、後期2 型糖尿病の背景を有し、脂肪肝、肝炎、肝線維化、そして肝癌へと病態が進行する病態モデルマウスです。 本モデルは、ヒトNASHにおいて高い臨床相関性を示すことから、多くのNASH治療薬候補の薬効評価に利用されてきました。 更に、HCCモデルとしても下記のような特徴と利点を有しております。 STAMTMモデル; ・ 肝細胞癌が、16週齢から認められ、20週齢では100%発症が認められます。 ・ 遺伝子改変を行っておらず、NASHを背景にHCCが自然発症します。そのため、微小環境を含めたガン組織構造の再現が可能となっております。 ・ クライアント様のご要望やニーズに沿って、予防試験や治療試験の実施が可能となっております。 上記に加え、STAMTMモデルでは、ヒトのHCCマーカーであるAFPやGlypican-3、Glutamine synthetaseの上昇が認められております。 また弊社には小動物用のCT装置もございますので、病態進行を多角的かつ正確に評価することが可能となっております。 資料のご請求やご質問等ございましたら、お気軽にお問い合わせください。
2025.02.02
本記事では、特発性肺線維症(Idiopathic pulmonary fibrosis, IPF)モデルとその特徴についてご紹介致します。 COVID-19発症後に見られる合併症については様々な報告がされており、特に肺の線維化は患者さんに長期的な影響を及ぼす可能性があります。 弊社では、この肺線維化の治療薬開発に利用可能なモデルとしてIPFモデルをご提供しており、これまでその有用性についてのご紹介を通じて多くのお客様にご利用頂いてきました。IPFに関する記事についてはこちらをご確認ください。 ブレオマイシン誘導性特発性肺線維症について ブレオマイシンはガンの治療に利用されていますが、その副作用として肺への影響が知られています。 このブレオマイシンは酸化ストレスによって肺に影響を及ぼした結果、肺の炎症や線維化が引き起こされると考えられており、肺線維化に対する薬剤開発研究の有用なモデルの一つとして知られています。 弊社IPFモデルについて 弊社のIPFモデルは、マイクロスプレイヤーを用いてブレオマイシンを気管内に単回投与することで誘導されます。肺へのブレオマイシンの局所投与によって肺胞上皮細胞に直接損傷が生じ、炎症細胞の浸潤と間質の線維化が引き起こされます。 弊社のIPFモデルの特徴 – ブレオマイシン暴露による再現性のある均一な病態を示すIPFモデルの10年以上の提供実績 – 低分子化合物、核酸、抗体といった様々なカテゴリーの被験物質の評価実績 – 陽性対照として、予防試験ではデキサメタゾン、治療試験ではニンテダニブを設定 – CTスキャン、生化学的解析、組織学的解析など、複数の解析項目が実施可能
2025.02.02
本記事では、弊社STAMTMマウスの肝細胞ガンへの関連性について、ご紹介致します。 肝細胞ガンは、最も発生頻度の高い原発性肝ガンであり、癌種における罹患率としては5番目に、癌関連の死因としては3番目に多いガンです(Shariff MI et al, 2009)。 また毎年、世界では約50万人以上のHCC患者が発生していると推定されています(Motola-Kuba D et al, 2006)。 弊社STAMTMマウスは、非アルコール性脂肪肝炎(NASH)のモデルマウスとしての特徴を有するだけでなく、20週齢で100%のマウスが発ガンするなど肝細胞ガンのモデルマウスとしての特徴も有します。 肝細胞ガンに対する治療戦略は、腫瘍の進行ステージと肝機能によって決定されます。 STAMTMモデルは、以下の特徴を示すことにより、ヒトのガンステージの概念を適用できる最初のマウスモデルである。 16-20週齢で、肝細胞ガンの平均腫瘍増殖率が150% 腫瘍の転移がなく、肝機能が保持されている ヒト患者と同様の病態進行を示し、かつ短期間で発ガンする これらの特徴から、STAMTMマウスは、ヒトのガンステージ分類法であるBarcelona Clinic Liver Cancer Staging systemにおいて、Stage BまたはCであることが報告されております。 患者のガンステージに合わせた病態モデルマウスを使用することで、肝細胞ガンを対象とする薬効評価試験を行う際により適切な評価が可能であると考えております。
あなたの研究を促進させます。