SMCラボラトリーズが毎⽉発信している研究コラムをご覧いただけます。
2025.02.03
本記事では、弊社クライアント様がInt J Biol Sciに投稿された論文についてご紹介致します。 こちらの論文では近年注目されているNASH由来肝ガンの進行抑制に着目し実験が行われています。 遺伝子発現データを基にしたターゲットの発現解析後、実際にNASH-HCCモデルマウスを用いた薬効評価試験を実施されています。 上記の論文だけでなく、これまでmicroarrayを用いた遺伝子発現解析が複数の論文で報告されています。 ご興味あるターゲットの遺伝子発現は試験依頼時に注目すべきポイントであり、クライアント様からお問い合わせが多い内容の一つです。そして特にRNA-seqを用いた遺伝子発現データについてお問い合わせ頂くことが多くございます。 弊社ではご要望にお答えして、STAMTMモデルを用いて経時的な遺伝子発現データの取得を実施致しました。STAMTMモデルは、弊社SMCラボラトリーズが開発した世界初のNASHから肝ガンを発症する病態モデルマウスです。ヒトNASHと類似した病態(脂肪肝→NASH→肝線維化→HCC)を発症することから、これまで多くの薬効評価試験や基礎研究に活用されてきました。 STAMTMモデルを用いて、ご興味のあるターゲットの遺伝子発現を確認し、研究に利用するのはいかがですか。 STAMTMモデルや遺伝子発現データの利用についてご興味ある場合は是非お問い合わせください。
2025.02.03
DSS誘発大腸炎モデルは、炎症性腸疾患のスタンダードモデルであり、炎症性腸疾患の治療候補の有効性やメカニズム研究に広く使用されております 本記事では、炎症性腸疾患(IBD)の病態モデルであるデキストラン硫酸ナトリウム(DSS)誘発大腸炎モデルをご紹介いたします。 本モデルは、病態誘導の簡便さやヒトIBDと類似した病態を持つことから、IBDの発症・進行メカニズム解明や治療薬の探索に活用されております。 弊社DSSモデルは、被験物質の作用機序や試験目的に合わせて、急性大腸炎と慢性大腸炎の2種の薬効評価試験が実施可能です。 急性大腸炎モデル: 5日間のDSS飲水投与に伴い、腸陰窩の消失や、腸管上皮のびらん、粘膜固有層への炎症性細胞の浸潤などのヒトIBDに類似した病理組織学的所見が確認 慢性大腸炎モデル: 急性大腸炎を誘導後、通常飲水で14日間飼育することで、慢性大腸炎に認められる腸の線維化を誘導 弊社では、DSSモデルを始め、種々の臓器における炎症/線維化モデルを用いた薬効評価試験サービスを提供しております。 詳細にご興味がございましたら、お問い合わせください。
2025.02.03
複数MASHモデルを用いる有用性: STAMTM x GAN diet – 臨床試験におけるMASH患者の基準を総合的にカバー可能 – STAMとGAN dietの併用により、肥満、脂肪肝スコア、線維症スコアを総合的に網羅して評価可能 STAMTM x GAN diet比較表 理想的なMASHモデルについては複数の論文で紹介されていますが、現在、これらの基準をすべて満たすモデルは存在せず、薬剤の有効性評価研究では少なくとも2つ以上のMASHモデルを使用することが推奨されています (Daniel Jahn et al, Biochim Biophys Acta Mol Basis Dis., 1865, 943-953, 2019, Prasanna K. Santhekadur et al, J Hepatol., 68, 230-237, 2019, Henrik H Hansen et al, Drug Discov Today, 22, 1707-1718, 2017). 実際、約30%のクライアント様が複数の肝線維化モデルを用いた薬理試験を評価し、複数モデルにおける試験物質の効果を総合的に評価されています。当社はSTAMTM,…
2025.02.03
本記事ではこれまでご提供してきました「ブレオマイシン(BLM)誘発肺線維症モデル」に関して、雄マウスでの病態作製オプションについてご連絡させて頂きます。 特発性肺線維症(IPF)の患者数は、女性よりも男性が多いことが知られております。弊社では、これまでハンドリングの容易さや病態誘導に伴う死亡率上昇の観点から、BLMモデル作製には雌マウスを用いてきました。しかし、非臨床試験の段階から、病態や化合物の作用機序に対する性差を考慮したいというクライアント様のご要望にお応えして、この度従来の雌マウスを用いたBLMモデルに加え、雄マウスを用いた病態モデル作製のオプションを追加いたしました。 弊社内で雄マウスを用いたBLMモデルのデータを取得・確認したところ、文献等で公表されているデータ同様、雌マウスよりも病態が強くなることを確認しております。これにより、肺線維症に対する化合物の薬効を包括的に評価することが可能になります。 今回ご紹介した雄BLMモデルを用いた薬効評価試験および弊社サービスについて、ご関心がございましたらお気軽にお問い合わせください。
2025.02.03
本記事では、弊社独自のNASH-HCCモデル(STAMTMモデル)の基礎研究への活用事例をご紹介致します NASHは、病態発症機序の解明や新規診断方法の確立などの基礎研究において、大きな需要が残る疾患領域です。 また基礎研究では、病態モデル動物を用いて度々行われていますが、その際臨床相関性の高いモデルであることが重要視されています。 弊社STAMTMモデルは、高い臨床相関性を活かして、これまで薬効評価試験だけでなく多くの基礎研究にもご利用いただいております。 ご参考までに、本モデルを用いた基礎研究について、現在公表されている論文の一部をご紹介します。 – Integrative genomic analysis of mouse and human hepatocellular carcinoma 4つの代表的な肝癌モデル(MUP transgenic、TAK1-knockout、DENおよびSTAMTM)とヒト肝癌についてゲノムおよびトランスクリプトームの比較を行った結果、STAMTMマウスで発生する肝癌が最もヒト肝癌に類似していることが示されました。 – MicroRNA deregulation in nonalcoholic steatohepatitis-associated liver carcinogenesis STAMTMモデルを用いて、NASH-HCCにおけるマイクロRNAの発現変化を解析し、主要なhepatocarcinogenesis-related pathwayに関与する複数のmiRNAがヒトHCCの場合と同様に高発現していることを明らかにしました。 – Free fatty acid-based low-impedance liver image: a characteristic appearance in nonalcoholic steatohepatitis (NASH) 新規非侵襲性の診断方法として、肝臓中の遊離脂肪酸の抵抗値を測定したところ、STAMTMモデルとヒトNASH検体で同様の傾向が確認されました。 – Analysis of amino acid profiles of…
2025.02.03
本記事では、STAMTMモデルのRNAシークエンスデータ取得とその活用方法に関してご提案させて頂きます。 STAMTMモデルはヒトNASHと類似した病態(脂肪肝→NASH→肝線維化→HCC)を示すNASH-HCCモデルとして、多くの企業様や大学様にてご利用頂いております。 弊社では本モデルの経時的なRNAシークエンスデータを取得しております。 以前はターゲット分子の発現について問い合わせ頂いたものの、それら全てにお答えすることはできておりませんでしたが、現在はこちらのデータを用いた標的因子の挙動を基に、解析に適した評価項目のご提案も実施しております。 ターゲットの発現が不明などの理由で試験実施を躊躇われている場合、お問い合わせ頂けますと幸いです。 当社ではRNAseqデータだけでなく、豊富な試験経験を生かした試験デザインのご提案や事前のディスカッションも実施しております。 ご興味がございましたら、コンタクトフォームよりお問い合わせください。
2025.02.03
新しい薬効評価試験サービスとして、IPFモデルの陽性対照にNerandomilastを設定致しましたので、ご紹介いたします。 陽性対照として設定したNerandomilastはPDE-4阻害薬です。 BLM-induced IPFモデルの主要評価項目である肺の組織学的解析によるAshcroft scoreは、vehicle群と比較してNerandomilast投与群で有意に低下し、Nerandomilastによる肺線維化の治療効果が確認されました。 薬効評価試験における陽性対照の意義は、既知の有効な治療と同程度の被験物質の有効性を示すこと、及び、陽性対照と直接比較して被験治療の優越性を示すことにより被験治療の有効性を示すことです。つまり、陽性対照を設定することで、被験物質の薬効を陽性対照と比較して評価することが可能です。 このポジティブコントロールを用いて、貴社の被験物質の薬効評価試験を実施するのはいかがでしょうか。 弊社では、研究員同席の下、Webミーティングも可能です。 お客様の試験目的やご希望の試験内容をお伺いし、弊社の線維化・炎症に関するノウハウを合わせ、お客様に最適な薬効評価試験をご提供いたします。 弊社IPFモデルのサービス内容について、さらに詳細にお知りになりたい方は、お気軽にお問い合わせください。
2025.02.02
STAMTMマウスを用いたGLP-1 receptor agonistとの直接比較試験のご提案 本記事では、STAMTMマウスを用いたGLP-1をターゲットとした薬効評価試験の実証例について、ご紹介をいたします。 2010年本邦初のGLP-1アゴニストであるLiraglutideが上市され以後、Exenatide、Lixisenatideなどが登場しております。2024年1月時点で、Clinical trial gov.に登録されている臨床試験およびその非臨床試験を表1にまとめました。 表1. GLP-1に関わるCompoundのNASHに対する開発状況 *1; Kojima M et al (Int J Mol Sci, 2020), *2; Mollerhoj MB et al (Clin Transl Sci, 2022), *3; Boland ML et al (Nat Metab, 2020), *4; Viking Therapeutics VK2735 – Viking Therapeutics, *5; Klein T et al (Med Mol Morphol, 2013), *6;…
2025.02.02
本記事では、STAMTMマウスを用いたFGF21をターゲットとした薬効評価試験の実証例について、ご紹介をいたします。 2023年米国Akero社のEfruxifermin、イスラエル89bio社のPegozaferminがPhase 2bにおける良好な結果が公表され、今後の展開が期待されております。2024年10月時点で、Clinical trial gov.に登録されている臨床試験およびその非臨床試験を表1にまとめました。 表1. FGF21アナログのNASHに対する開発状況 表1に記載されている通り、STAMマウスはFGF21アナログであるPegbelfermin、Pegozaferminの評価実績があるモデルです。例えば、89bio社はSTAMTMマウスを用いて、Pegozaferminを投与することにより肝発癌抑制させることを世界で初めて報告しております。 https://www.89bio.com/wp-content/uploads/2023/06/EASL-2023.pdf STAMTMマウスというFGF21アナログで開発が先行しているPegozaferminの評価実績があるマウスを用いてることで、あなた方がお持ちの被験物質とhead-to-headで比較することができ、開発品の優位性を評価できることが、Pegozaferminと比較することが可能になります。 当社が世界に先駆けて開発したMASH/NASHモデルであるSTAMTMマウスを用いて、FGF21 pathwayをターゲットとした被験物質の薬効を評価することに関心はありますか。 皆様からのお問い合わせを心よりお待ち申し上げております。
2025.02.02
本記事では、弊社の病態モデルマウスのサンプル活用方法についてご紹介します。 弊社は、病態モデルマウスを用いた薬効評価試験受託事業を主力とするコンサルティング型非臨床CROでございます。 弊社が開発した世界初のNASH(非アルコール性脂肪肝炎)から肝ガンを発症する病態モデルマウスSTAMTMマウスをはじめとして、多くの薬効評価試験をご提供して参りました。その中で、「まずターゲットの発現を確認したい!」というご要望を多く頂き、STAMTMマウスをより多くの方にご利用頂くため、STAMTMマウスのサンプル販売を実施致します。STAMTMマウス、NASHから肝臓がんへの進行を示し、ヒトNASHに類似した病状を示しています(脂肪肝→NASH→肝硬変→HCC)。しかし、肝硬変を引き起こしません。したがって、このモデルを肝硬変のモデルであるCCl4 マウスと併用することで病態を補完し、総合的に評価することが可能です。 サンプル例: 凍結組織サンプル(凍結肝臓、肺、腎臓等) 組織サンプル(FFPE/OCTブロック・スライド) 血液サンプル(血清・血漿) *上記以外にもご要望に応じて採材が可能です。 貴社の候補化合物の有効性を検証するためにも、まずSTAMTMモデルやSTAMTMモデルのサンプルを用いて解析するのはいかがでしょうか? STAMTM以外にも様々な病態モデルマウスでサンプルのご提供が可能で、ご利用可能な病態モデルはこちらからご確認できます。 ご関心・ご不明点等ございましたら、お気軽にお問い合わせください。
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