MASHモデルマウスにおける脂肪組織の関与について
本記事では、弊社STAMTMモデルにおけるMASH病態とアディポサイトカインの関連性について、ご紹介致します。
MASLDから肝細胞障害・壊死を伴うMASHへの進展発症には、多臓器が関与するmultiple parallel hit 説が有力とされております[Tilg et al, 2021]。MASH病態に密接に関与している臓器として、脂肪組織が挙げられます。
脂肪組織は余剰エネルギーを蓄えておく器官としてだけでなく、TNF-aやIL-6、アディポネクチン等の種々のアディポサイトカイン分泌器官としても機能し、他臓器の代謝や炎症に影響を及ぼすことが知られています。
特にアディポネクチンは、インスリン感受性の増強や糖、脂質代謝改善、抗炎症作用を有していることが知られております。NASH患者では、健常者と比較して血中アディポネクチンが低値を示しており、血中濃度が低い患者程より強い炎症を示すことが報告されていることからNASH病態の発症進展に大きく関与していると考えられています[Musso et al, 2005; Finelli et al, 2013]。
STAMTMモデルにおいても、同様に血中アディポネクチン濃度の低下が認められております。
今回の結果により、本モデルが肝臓のみならずMASH病態の発症進行に寄与しているとされる脂肪組織においても、同様に臨床相関性を有している可能性が示唆されました。
弊社では、STAMTMモデルを始め、炎症/線維化に関連した様々な病態モデルマウスを取り揃え、薬効評価試験サービスを提供しております。
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