2025.03.28

GPCR関連研究のご紹介:GPR119作動薬によるNASH/MASH治療への新たな展望

本日は、Gタンパク質共役型受容体(GPCR)の経路に関する研究論文をご紹介します。
本研究は、これまで課題とされてきたGPCRを標的としたNASH/MASH治療薬開発の壁を乗り越えた好例です。

GPR119は、GLP-1およびグルコース応答性インスリン分泌を促進することで、糖尿病を背景とする代謝異常と関連の深いNASH/MASHに対する治療標的として期待されてきました。
しかし、従来のGPR119作動薬は肝脂肪の改善効果こそ見られるものの、炎症や線維化への作用が乏しいことが多く、臨床開発に進展した例は限られていました。

今回ご紹介するLee SHらの研究では、当社オリジナルで特許取得済みのNASH/MASH-HCCモデル「STAM™マウス(8–12週齢)」を用い、GPR119作動薬DA-1241の有効性が検証されました。

DA-1241投与群では以下の効果が確認されました:

  • NAFLD活動度スコアの有意な低下

  • 肝線維化の抑制

  • OCA(後期臨床開発中薬)と比較しても、炎症スコアの低下傾向を示す

 

このように、代謝異常だけでなく炎症・線維化への効果を明確に示すことが、NASH/MASH治療薬の効率的な研究開発につながるといえるでしょう。

GPR119をはじめとするGPCRを標的とした新薬開発は、未充足医療ニーズを満たすだけでなく、First-in-class薬の創出にもつながる大きな可能性を秘めています。

 

GPCR関連化合物のin vivo評価には、STAM™マウスをご活用ください!

炎症・線維化・代謝異常のいずれかに作用するGPCR関連化合物をお持ちでしたら、ぜひSTAM™マウスによる評価をご検討ください。
皆さまからのお問い合わせを、心よりお待ちしております。