腸内環境を改善して肝がんを防ぐ
本記事では、弊社の慢性肝疾患 (MASH/NASH)による肝がんモデルマウスを用いた薬効評価試験の実証例をご紹介いたします。
弊社の肝がんモデルマウスを使った薬効評価試験にて、肝臓だけではなく腸も重要な肝がん治療における標的臓器であることがわかりました。
Title: Gut insulin action protects from hepatocarcinogenesis in diabetic mice comorbid with nonalcoholic steatohepatitis
(Soeda K et al., Nat Commun. 2023) PMID: 37852976
これまでの肝がん治療法は肝臓に焦点を当てきましたが、今回の発表により、腸のdysbiosisに焦点を当てて肝がんを治すという新しい肝がんの治療法が初めて報告されました。
肝がんモデルマウスにInsulinを投与すると、血中インスリン濃度が改善するだけではなく、MASH/NASHに伴う腸内細菌叢の変化やリーキーガットが改善し、肝がんの腫瘍数やサイズが有意に減少しました。
本研究で実施された解析項目に加え、本モデルマウスでは生存率やCTによりin-lifeでの腫瘍数・サイズの解析、癌マーカーのグルタミンシンターゼの発現等の病理組織的解析を実施することが可能です。
したがって、Dysbiosisや腸疾患に着目している方は、当社肝がんモデルマウスを使うことでother indicationとして慢性肝疾患に起因する肝がんに対する薬効を評価することが可能であることが示されました。
これまでの肝がんの主な原因はウイルス性肝炎ですが、ワクチン接種によるウイルス性肝炎の予防を通じて肝がんの発症を抑えられる可能性が示されており (Chang, et al. Gastroenterology. 2016)、ウイルス性肝炎由来の肝がんは克服できることが予想されます。
一方で、MASH/NASHは肝臓において酸化ストレスの亢進や免疫システムや代謝システムの異常を引き起こすことで肝がんのリスクファクターと考えられており、現段階ではMASH/NASHの予防方法や治療方法はありません。したがって、MASH/NASH患者の増加に伴ってMASH/NASHに起因する肝がんの患者も増加し続けることが予想されています (Estes, et al. Hepatology. 2018; Llovet et al., Nat Rev Dis Primers. 2021)。
これらのことから、MASH/NASHに起因する肝がんの発症を抑えるための創薬や基礎研究が重要であると考えられます。
そして、貴社の腸を標的とした化合物は、肝がんへの薬効評価を行うことで、肝疾患治療薬マーケットにおける価値を高めることができます。そのために、弊社の肝がんモデルを用いた非臨床研究が最適です。
Dysbiosisや腸疾患に着目した貴社の被験物質 (便微生物叢移植(FMT)、生菌製剤、遺伝子組換えプロバイオティクス、低分子化合物、ファージカクテル、漢方、機能性素材など)を弊社肝がんモデルマウスを用いて肝がんの薬効評価しませんか?
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