肝癌in vivoスクリーニング試験のご紹介
本記事では、弊社が提供しているXenograftモデルおよびSTAM™モデルを用いたin vivoスクリーニング試験をご紹介します。
肝癌は、癌関連の死因3位に位置する癌種であり、B型およびC型肝炎ウイルス感染やNALFD/NASH、アルコール性障害などの慢性肝疾患を背景に発症します。様々な肝癌モデル動物が存在しますが、弊社では主にSTAM™モデルと同所移植モデルを2種を提供しております。
世界初のNASHから肝癌を自然発症する病態モデルマウスとして開発されたSTAM™は、慢性肝疾患であるNASHを背景に肝癌を発症します。そのため、ヒトで見られる発癌プロセス(肝障害-線維化-発癌)を考慮した薬効評価試験の実施が可能です。本モデルは、20週齢というごく短期間で肝癌を発症するモデルであり、ヒト肝癌および代表的な肝癌モデル(MUP transgenic、TAK1-knockout、DENおよびSTAM™)についてゲノムおよびトランスクリプトトームの比較を行った際、STAM™モデルが最もヒトに類似していることが報告されています(Dow et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA,. 2018)。
一方で同所移植モデルは、ヒト肝癌細胞株を肝臓に移植することで作製するため、比較的低コストかつ短期間(6週間)で薬効評価試験を実施することが可能であり、新規抗がん剤のin vivoスクリーニングに適したモデルであると言えます。しかし、肝癌発症に起因している基礎疾患までは再現しないために、発癌に至るまでの肝臓の変化を含めた薬効評価を行うことができません(Liu et al., Hepatoma Res., 2020)。
以上の事から、もし肝癌に対する化合物を複数お持ちでしたら、コストを抑えつつ薬効効果を評価が出来る同所移植モデルにてin vivoスクリーニング試験を行い、有効性が認められた化合物に対して、STAM™モデルを用いて基礎疾患への影響を含めて総合的に薬効を評価するのはいかがでしょうか。
弊社肝癌モデルに関して、ご関心がございましたらお気軽にお問い合わせください。