2025.01.29

線維化バイオマーカー PIIINPのご紹介

本日はMASHの非侵襲性線維化マーカーについてご紹介致します。

現在、MASH診断において、最も信頼性の高い診断方法は、肝生検による病理組織学的検査となっています。しかし、肝生検はサンプリングエラーや患者への負担などの問題点があり、それに代わる非侵襲性の早期診断マーカーの開発が期待されています。

 

その中でも、今回は線維化の血中バイオマーカーである【プロコラーゲンIII-N末端ペプチド(PIIINP)】をご紹介致します。

PIIINPはⅢ型コラーゲン合成時に放出される末端ペプチドで、線維化の進行に伴い血中濃度が上昇することが予想されており、

臨床においては、単純性脂肪肝とNASHを区別できる有用なマーカーであることが示唆されています[Tanwar et al., Hepatology., 2013]。

 

弊社のMASHモデルマウスであるSTAMTMで血中のPIIINPを解析したところ、6週齢および9週齢時では、血漿PIIINP濃度の有意な上昇は見られませんでした。

一方、12週齢においては、有意差な上昇が確認されました。

STAMTMモデルでは、9週齢で線維化が確立しているにもかかわらず、線維化が進行している12週齢でのみ有意な上昇がみられたことから、より早期の段階で線維症の発症を検出できる方法を検討することが今後の課題と考えております。

 

弊社では今回ご紹介したPIIINPの他、様々なMASHの非侵襲性バイオマーカーの有効性の評価を行っておりますので、ご興味のあるマーカーがございましたら是非お問い合わせください。