2025.02.02

弊社クライアントによる論文発行のお知らせ/ European Radiology Experimental

本記事では、European Radiology Experimentalにて弊社クライアント様による論文発表がございましたので、ご紹介させていただきます。

 

順天堂大学

TitleFree fatty acid-based low-impedance liver image: a characteristic appearance in nonalcoholic steatohepatitis (NASH)

 

本論文では、正常肝、単純性脂肪肝 およびNASH患者の肝臓における遊離脂肪酸(FFA)の抵抗値(インピーダンス)を測定することにより、それぞれを判別できるか検証を行っております。

 

(Figure .1 マウス肝臓のマッソントリクローム染色の結果と音響インピーダンスの分布)

 

音響インピーダンスと遊離脂肪酸量の違い

単純性脂肪肝およびNASHのモデルマウスとして、弊社STAM™マウスが利用されました。

肝臓中のインピーダンスはマウス正常肝が最も高く、単純性脂肪肝、NASHという順に顕著に減少していました。

また、ヒト検体でもマウスと同様の顕著な減少が確認されました。

 

以上の結果より、FFAのインピーダンス測定がNASHの早期診断に応用できる可能性が示されました。

今後は、FFA組成の人種差や肝線維化の進行度によるインピーダンスへの影響を検討していくとのことです。

 

FDAが2018年に発行している非肝硬変性NASHに対する創薬ガイドラインでは、臨床試験時に関わるNASH患者のクライテリアが設定されております。

その中で、侵襲性である肝生検が最も信頼できる診断項目とされていますが、患者の負担軽減や早期診断が可能であるバイオマーカーや超音波診断などの非侵襲性の方法も、その一つとして挙げられます。

 

今回の論文では、STAM™マウスとヒトNASH検体で同様の傾向が確認され、NASHの新規非侵襲性診断法の確立への兆しがSTAM™マウスによって開かれたことが報告されました。

 

STAM™マウスは今回のような診断法の開発だけではなく新薬開発にも優れたプラットフォームであり、円滑な臨床試験への進行をサポートできると考えております。