2025.01.29

アドリアマイシン誘導性腎障害モデル

本記事では慢性腎疾患(Chronic kidney disease: CKD)とアドリアマイシン誘導性腎障害(ADR)モデルについて、ご紹介いたします。

 

CKDは慢性的な腎臓機能低下や腎障害により引き起こされる進行性の腎臓疾患です。

成人の約10%では腎障害が生じており、CKD患者の約1%は慢性腎不全に進行後、透析や腎移植を必要とするまでに悪化します。

米国では毎年数百万人がCKD関連の合併症により生命が脅かされており、人口の1%未満である上記患者によって年間医療費の6%以上が消費されるとの報告もあります。

現在までにCKDの根本的な治療法はなく、その進行遅延による病態悪化抑制を目的とした治療が行われているため、慢性腎疾患の早期診断、及び治療薬の開発が望まれています。

 

ADRモデルマウスは慢性腎疾患モデルとして広く使用されているモデルであり、弊社のADRモデルマウスには以下の様な特徴がございます。

  1. 糸球体、及び間質尿細管障害、線維化などの組織学的な評価が可能
  2. 腎疾患の初期から中期ステージの評価に有用
  3. リファレンスコントロールとしてバルプロ酸(Valproic acid, VPA)*を利用した予防・治療効果の評価試験が実施可能

*: VPAは抗炎症・神経保護効果を示すヒストン脱アセチル化阻害剤であり、抗てんかん薬の一つとして知られています。

本モデルでは腎障害後の早期で観察される尿、組織の病態変化が中心に認められています。

そのため、診断と治療薬開発が期待されているCKDの初期‐中期ステージの解析が可能と考えられます

 

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