2025.01.29

アドリアマイシンモデルにおける腎障害バイオマーカーについて

本記事ではアドリアマイシン(ADR)モデルで利用可能なバイオマーカーについてご紹介致します。

 

       Urine NGAL levels in ADR model at Day28

慢性腎疾患(CKD)の診断には一般的にクレアチニンを用いて算出するeGFRが用いられていますが、腎臓への影響が弱い場合、変化が遅い・見られないなどの問題があります。

そのため、腎臓への影響を正確かつ簡便に測定可能なバイオマーカーが求められています。

 

今回は、腎障害・CKDのバイオマーカーとして注目されている【好中球ゼラチナーゼ結合性リポカリン(NGAL)】をご紹介致します。

NGALは腎障害によって尿中・血中に分泌されるタンパク質で、糸球体硬化症及びCKD患者においてバイオマーカーとして利用可能となっています。また、既存のバイオマーカーとして利用されているタンパク尿や血清クレアチニンの結果よりもCKDの進行と強い相関関係があることが報告されています[Zhang Q., et al, Am J Med Sci., 2018; Bolignano D., et al, Clin J Am Soc Nephrol., 2009]。

 

弊社のADRモデルで尿中NGALを解析した結果、病態発症28日後においてNGAL濃度の有意な上昇が認められました。

また、リファレンスコントロールであるバルプロ酸(VPA)の投与により有意な減少が認められました。

 

アドリアマイシンモデルの情報は以下からもご確認できます。