SMCラボラトリーズからのお知らせや新着情報を発信します。
in vivo誌にて当社クライアント様 (兵庫医科大学)による論文発表がございました。 Title: Association of PNPLA3 SNP With the Development of HBV-related Hepatocellular Carcinoma (Enomoto H, et al. In Vivo. 2023) こちらの論文では、HBV患者の肝細胞がん (HCC)発症リスクに脂肪肝および脂肪肝の発症に関与するPNPLA3 SNPが影響するかを検証されております。本論文内のHBV患者の肝生検における脂肪肝の組織学的解析は、当社の病理組織解析サービスにより評価いたしました。 HBV患者の肝臓では、非脂肪肝よりも脂肪肝を有した方におけるHCC発症率が有意に高く、インスリン抵抗性やPNPLA3 SNPの変異も有意に増加していることが示されました。したがって、HBVに伴うHCCの発症リスクには、脂肪肝をはじめインスリン抵抗性やPNPLA3 SNPが関与することが示唆されました。 当社ではNASH-HCCモデルであるSTAM™モデルをはじめとしたin vivoモデルの薬効評価試験において、臨床相関性の高い薬効評価を実現させるため、病理組織解析に力を入れてまいりました。 当社の病理学的解析に関してはこちらをご覧ください。当社では非臨床薬理研究だけでなく、臨床研究でも疾患のグレード(NASHや線維症など)を評価することが可能です。 客観的な評価でお持ちの組織サンプルの病理データを取得したい場合は、是非、当社までご相談・ご質問等お気軽にお問い合わせください。
Cell Metabolism誌にて当社クライアント様 (Bristol-Myers Squibb (NJ))による論文発表がございました。 Title MGAT2 inhibitor decreases liver fibrosis and inflammation in murine NASH models and reduces body weight in human adults with obesity (Cheng et al., Cell Metab 2022) こちらの論文ではNASH初期フェーズである6~9週齢のSTAM™モデルにBMS-963272 (Monoacylglycerol acyltransferase 2 (MGAT2))を投与した、薬効評価試験の結果が示されております。 STAM™マウスは2型糖尿病を背景に持ち、経時的に脂肪肝→NASH→線維化→肝ガンを自然発症する病態モデルです。 vehicle群と比較してBMS-963272投与群では、NAFLD activity score が減少傾向、肝線維化および血漿中TNF-αの濃度が有意に抑制されたことから、BMS-963272が抗炎症作用と抗線維化作用によりNASHの治療効果を示すことが示唆されました。 病態モデルを用いた薬効評価試験をご検討中でしたら、弊社STAM™モデルを用いた試験はいかがでしょうか。 また、STAM™マウスはNASH治療薬の有効性を示す重要なクライテリアであるNAFLD activity scoreで評価が可能な病態モデルマウスです。 STAM™マウスをはじめ他のモデルマウスやこれまでの経験を用いて試験をご提案することも可能ですので、ぜひご検討ください。 ■当社のサービスにご関心がある場合は、お気軽にお問い合わせください。 ■STAM™マウスについてはこちら。 ■NAFLD…
2023年3月9日は World Kidney Day (世界腎臓デー) です。 World Kidney Day (世界腎臓デー)は、世界中で健康に対する腎臓の重要性に対する認識を高め、腎臓病やそれに関連する健康問題を減らすことを目的としています。国際腎臓学会 (ISN) および国際腎臓財団連盟、世界腎臓同盟(IFKF-WKA)による取り組みであり、腎臓病の予防や危険因子、付き合い方等の認識を高めるためのイベントが世界中で開催されます。 腎臓は血液をろ過し、身体に必要なものと老廃物や余分な塩分などに分け、尿として不必要なものを体外へ排出するはたらきがあります。また、血圧を調節するホルモンや赤血球を作るホルモンを分泌し、身体の恒常性を保つのに重要な役割を担っています。 一方で、慢性腎臓病(chronic kidney disease, CKD)を中心に、世界中で腎臓病の患者数が増加しています。1990年から2017年にかけて、CKDの死亡者数は41.5%増加し、2017年の1年間でも1.2百万人が亡くなっています。また、約10人に1人が発症しているという統計結果も示されています (GBD Chronic Kidney Disease Collaboration. Lancet. 2020)。したがって、CKD治療薬のニーズは高く、製薬企業各社の開発パイプラインにも多く見受けられます。 当社では、さまざまなCKD治療薬開発の目的に合わせるため、4種類の病態モデル(unilateral ureteral obstruction (UUO)モデル、Adriamycinモデル、Adenineモデル、Folic acidモデル)を扱っております。 特に、UUOモデルの試験期間は2週間であり、腎線維化に対する抗線維化薬のin vivoスクリーニング試験に適したモデルとして、お問い合わせおよび受託試験数も多くなっております。 当社のCKDモデルについて、資料請求やご質問・詳細につきましては、お気軽にお問い合わせください。 ►World Kidney Dayについてはこちら
本日は、胆管結紮(BDL)誘発性胆汁うっ滞性肝疾患モデルについてご紹介します。 このBDLモデルは、急性肝障害に続き、肝炎や重度の線維化を引き起こす原発性胆汁性胆管炎 (Primary Biliary Cholangitis:PBC)の病態を再現しています。 試験期間が2週間と比較的短いため、肝臓に対する保護作用、抗炎症作用、抗線維化作用を有する薬剤候補のin vivoスクリーニング試験を実施したい方に最適なモデルです。 当社ではBDLモデルをはじめ、様々な臓器の線維性・炎症性疾患モデルを取り扱っております。 資料請求や詳細につきましては、お気軽にお問い合わせください。
本日は、皮膚と肺の線維化が同時に進行する、臨床相関性の高い線維化モデルをご紹介します。 全身性強皮症は、皮膚だけでなく、心臓、肺、腎臓など全身の組織に線維化が起こる進行性の希少疾患です。特に線維化を伴う肺疾患は発症率の高い合併症であり、間質性肺炎は全身性強皮症の患者さんの主な死因として報告されています。 全身性強皮症の動物モデルは、ブレオマイシンの皮下投与による皮膚線維化の誘導が一般的です。 当社では、より臨床的な相関性の高いモデルを提供するために、条件検討を重ね、皮膚と肺の線維化を同時に誘導するSSc-ILDモデルも取り扱っております。SSc-ILDモデルでは、強皮症の典型的な病態である皮膚の肥厚と肺の線維化の両方が誘導されます。 現在、全身性強皮症に対する根治的な治療法はなく、皮膚や肺の症状に対する対症療法のみとなっています。そこで、全身性強皮症の皮膚症状と肺症状の両方を同時に治療する薬剤候補の有効性を評価したいお客様に、このSSc-ILDモデルを推奨しています。 SSc-ILDモデルについてご質問・ご相談がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
当社のオンラインLinkedin ウェビナーを、2月16日(木) 10:30 ~ 11:00 AM (JST)に開催いたします。 本ウェビナーは、NASHの非臨床試験のデザイン例について紹介するシリーズの第4弾となり、今回は、NASH治験薬のFGF21を例にご紹介します。NASH治療薬の開発において重要な、臨床相関性の高い非臨床試験のデザインについて学んでみませんか? ご参加はこちら ► ウェビナーに参加 当社にはNASHに対する薬効評価試験を多数実施してまいりました経験がございます。 ウェビナーやその他、ご不明な点がございましたら、お気軽にお問い合わせください。 ■ウェビナータイトル:Creating high quality non-clinical study designs based on clinical trials (#Series 4: FGF21) ■Webinar Link ■日程:2月16日 (Thu) 10:30 ~ 11:00 AM (JST) ■今回のウェビナーの内容 – NASHの臨床試験についてのご紹介 – NASHの非臨床試験デザイン(#4;FGF21)についてのご紹介 – NASH から肝がんを誘発する当社のNASHマウスモデル (STAM™モデル)についてのご紹介 – STAM™モデルの実績について ■STAM™モデルマウス 当社が独自で開発した、肝がんを自然発症する世界初のNASH-肝がんモデルマウスです。本モデルは、ヒトのNASHと同様の病態(脂肪肝→NASH→肝線維化→肝細胞癌)を示します。
本日は、片側尿管閉塞(UUO)モデルにおけるポジティブコントロールとしてALK5 inhibitorをご紹介いたします。 ALK5 inhibitorは、慢性腎臓病(CKD)で観られる腎線維化において中心的な役割を担うTGF-β/ALK5シグナル経路を阻害する化合物です。当社ではUUOモデルにおいてALK5阻害剤が腎臓の線維化を有意に抑制することを確認しており、ポジティブコントロールとして確立しています。 UUOモデルは、腎線維化、尿細管萎縮、炎症細胞浸潤など、慢性腎臓病の様々な側面を研究するのに最適な方法です。さらに、腎臓での強い線維化と短期間での病態発症を特徴として、腎線維化に対する化合物のスクリーニングに適したモデルとなっております。 線維化及び腎臓疾患に対する候補化合物をお持ちでしたら、UUOモデルを用いた試験をご検討してはいかがでしょうか。 ご質問・ご相談がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
特発性肺線維症(IPF)の病態モデル動物として広く利用されておりますブレオマイシン誘導性IPFモデルについて、病理組織のデータをご紹介いたします。 病理組織学的解析は、薬理研究において被験物質投与による標的組織の病態変化を、理解する上で最も重要なエンドポイントの一つです。 当社では、炎症・線維化疾患に特化した非臨床CROとして、これまで150を超えるIPF薬効評価試験の病理像を評価してきた経験がございます。以下にお示しした様に、様々な病理組織学的染色が可能となっており、またこれらの病理像の定性的・定量的な解析を通じて病態を多角的に評価いたします。 研究員同席の下、Webミーティングも可能ございます。 当社IPFマウスや病理組織解析の経験について、ご関心がありましたらお問い合わせください。
World Cancer Dayは、2000年2月4日、パリで開催された「がんサミット」から始まったUICC (国際対がん連合)の取り組みです。世界中で人々ががんに関する意識を高め、知識を増やし、がんに対して行動を起こすことを目的として、世界が一体となって各地でさまざまな取り組みを行う日です。 世界におけるがんの罹患者数および死亡者数は増加し続けております。多岐にわたるがんの種類の中で、世界のがん患者の死因の第3位に肝臓がんがございます。 先日にも述べましたが、非アルコール脂肪肝炎 (NASH)を罹患した肝がんの死亡者数が急速に増加していることが明らかになっております。NASH由来の肝がんについては、現段階ではNASHの予防方法や治療方法はなく、またNASH患者は増加することが予想されているため、NASHに起因する肝がん患者も増加し続けることが予想されています。これらのことから、当社は、NASHに起因する肝がんの発症を抑えるための創薬や基礎研究が非常に重要であると考えています。 当社が独自で開発したSTAM™モデルマウスは肝がんを自然発症する世界初のNASH-肝がんモデルマウスです。16週齢から腫瘍が形成し始め、20週齢時には100%肝ガンを発症します。 STAM™ モデルマウスを用いた肝がん試験は、これまでに30件以上実施し、15件以上の論文発表と学会発表を行った実績がございます。一例として、クライアント様がSTAM™モデルマウスを用いた肝がん治療試験を実施し、被験物質の抗腫瘍効果が確認されたと報告されたものがございます (Okrah et al. NPJ Precision Oncology, 2018)。 NASH由来の肝ガン治療薬や治療方法の研究開発にSTAM™モデルを使ったin vivo試験はいかがでしょうか。 STAM™モデルや当社サービスに関する詳細については、お気軽にお問い合わせください。 ■World cancer day 2023について ► Link
bioRxiv 誌にて当社クライアント様 (GN Corporation)による論文発表がございました。 Resolution of fibrosis in mdx dystrophic mouse after oral consumption of N-163 strain of Aureobasidium pullulans produced biological response modifier β-glucan (BRMG) (Preethy et al., bioRxiv. 2022) こちらの論文では、mdxマウスを用いた薬効評価の結果が示されております。 mdxマウスは、ヒトのデュシェンヌ型筋ジストロフィーの発症機序に類似し、広く用いられている病態モデルです。 本論文では、mdxマウスに黒酵母菌Aureobasidium pullulansのN-163株由来β‐グルカンを投与しており、筋肉の炎症と線維化が予防されたことが報告されております。グルカン投与群の筋肉では、vehicle群と比較して、炎症細胞の浸潤レベルを示す炎症スコアや、マッソントリクローム染色による線維化面積の定量値が低値を示しました。これらのことから、グルカンはデュシェンヌ型筋ジストロフィーの進行を遅らせる補助剤として用いることが可能であることが示唆されました。 ►本論文について詳しくはこちら 本論文に用いられた被験物質は、これまでに当社NASHモデル(STAM™モデル)を用いた薬効評価試験などから、すでに抗炎症作用や抗線維化作用を有することが示されてきたものです。 当社ではクライアント様がお持ちのモダリティの機能性に合わせた標的疾患や病態モデルの提案を行っており、リピート試験の実績も多くございます。 また、本論文で用いられたmdxモデルの薬効評価試験も、クライアント様からのご要望に合わせて構築・実施したものです。 当社では、現在のモデルラインナップにない病態モデルをご希望の場合も、本件のようにモデルの確立や予備試験から実施することが可能ですので、ぜひお気軽にお問い合わせください。