SMCラボラトリーズからのお知らせや新着情報を発信します。
この度、当社は2024年6月13日(木)~14日(金)、熊本城ホールにて開催されます「第60回 日本肝臓学会総会」に出展いたしますので、お知らせいたします。 当社オリジナルのMASH (NASH)-肝がんモデルであるSTAM™マウスをはじめ、各種臓器の炎症・線維化に関連した病態モデルマウスについてご紹介いたします。 特に、今回の展示では、これまでに15以上の化合物を臨床試験に進めたSTAM™マウスの実績のうち、 ★ 臨床相関性の高いMASH治療試験の薬効データ ★ MASH治療薬として初めてFDAに承認されたRezdiffra (resmetirom)の薬効データ ★ MASH由来の肝がん治療候補薬 (現在Phase3)の薬効データ 等、MASHやMASH発症後に生じる肝がんの治療薬に関する研究や開発に役立つ情報をご覧にいただくことが可能です! ご来場の際には、ぜひ当社ブース【No. 10】にお立ち寄りください。 皆様のご来場を心よりお待ちしております。 ======================================================================= 展示会名 : 第60回日本肝臓学会総会 (https://site.convention.co.jp/jsh60/) 日時 : 2024年6月13日(木)~ 14日(金) 会場 : 熊本城ホール ブースNo. : 10 出展製品 : 薬効評価試験受託サービス・病理組織解析サービス =======================================================================
3月14日、United States Food and Drug Administration (FDA)はMASHに対する初めての治療薬として Madrigal Pharmaceuticalsが開発を行ったRezdiffra (resmetirom)の承認を発表しました。 ► FDA NEWS RELEASE FDAが初のMASH治療法を承認 RezdiffraがMASH治療薬として承認されるまで15年以上を要し、また、その間に他社の候補薬の開発も難航してきました。さらに、Rezdiffraも承認されたものの、臨床試験の結果によると少なくとも半数のMASH患者では病態の改善が認められていません。これらの課題はMASHという疾患のメカニズムの複雑さによるものと考えられ、これまで治療薬開発が成功しなかった理由の一つです。今回の承認をきっかけに、MASH治療薬の開発市場が過熱することが予想されます。 当社のSTAM™マウスはMASHで生じる複雑な病態を反映しているモデルとして、RezdiffraのターゲットであるTHR-βを含む脂質代謝や、糖代謝、炎症、線維化など、様々な経路の化合物の評価が行われ、臨床試験に進んでいる化合物も多く存在します。 また、STAM™マウスは脂肪肝を背景にMASH、線維化および肝癌を発症するモデルであり、RezdiffraのMOAである脂質代謝の改善を介したこれら疾患を評価することができるため、本モデルの利用により、被験物質を評価すると共にRezdiffraとの複合投与による治療効果を評価することも可能となります。 本モデルではこれまでも化合物の複合投与試験の経験があり、相乗効果が見られることが確認されています。 当社では、これまでにSTAM™マウスを用いて800以上の薬効評価試験を実施し、膨大なノウハウを有しており、最適な非臨床研究のご提案が可能です。 今回の承認に続く結果をお力添えができれば嬉しく思います。 この機会にぜひ、当社にお問い合わせください。
肝癌モデルマウスを用いた薬効評価試験を考えている場合、現在考えているモデルマウスより、STAM™-HCC/IO+モデルを利用することで、ヒトの肝癌患者で見られる病態や特徴をより再現し、化合物の効果を最大限評価することが可能です。 肝癌の治療薬としては、レンバチニブ、ソラフェニブといった分子標的薬の他、近年アテゾリズマブ+ベバシズマブ、ニボルマブ、ペムブロリズマブといった免疫チェックポイント阻害剤が臨床の現場で使用されています。 これら化合物の評価を考えた場合、腫瘍抑制効果だけでなく、免疫細胞の評価や癌微小環境、腫瘍の不均一性など、ヒト肝癌患者で見られる様々な特徴を評価できることが重要であると考えられます。 以下、研究者の皆様からよくご質問頂くポイントについて、4つの癌モデルの比較を行った表です。 上記の表のように、STAM™-HCC/IO+モデルは、16-20週間という短期間で肝臓癌を100%発症し、腫瘍の不均一性、癌微小環境や免疫細胞の評価が可能なモデルとなっています。 また、STAM™-HCC/IO+モデルには以下のような特性もあり、腫瘍遺伝子変異量が高いことが明らかになっています。 (特性) ◆細胞傷害性T細胞(CD8陽性T細胞)の浸潤細胞数および局在などの評価が可能 ◆免疫チェックポイント阻害剤の抗腫瘍効果を評価することが可能 ◆標的病変の腫瘍径和の最大変化率をCTにより算出し、腫瘍発育阻害の評価ができる ◆腫瘍微小環境およびそれを形成する免疫細胞や因子(immunosuppressive cells、免疫調節サイトカイン/シグナル伝達、代謝異常、腸内細菌叢)を標的にした評価が可能 これらの特性は、非臨床試験で腫瘍免疫制御をベースとする治療法の評価に極めて有用で、これらの特性を全て備えているSTAM™-HCC/IO+マウスは、現在のところ腫瘍免疫学の研究においては最も適した非臨床肝癌モデルであるとも報告されています (Shalapour S et al, Nature, 551, 340-345, 2017, Dow M et al, PNAS, 115, E9879-E9888, 2018)。 上記以外の癌モデルとの比較やSTAM™-HCC/IO+モデルの特性を示す実際のデータについては、モデルのご紹介を含めて実施が可能です。 詳細につきましては、お気軽にお問い合わせください。
肺線維化モデルマウスを用いた薬効評価試験を考えている場合、画一的な試験デザインの使用ではなく、評価に適した試験デザインを使用することで、被験物質の効果を最大限引き出すことが可能です。 ヒトのIPFの病態を再現するモデルマウスとして、ブレオマイシン誘導性の肺線維化モデルが一般的に使用されております。 前回ご紹介させて頂いた通り、線維化修復能の低いマウスを使用したい場合や細胞治療など長期間の投与が必要な場合は、その目的にあった試験デザインを用いることが重要です。 前回の記事は【 こちら 】 当社は【非臨床専門コンサルティングCRO】として、お客様の目的を理解し、その目的に合った試験デザインをご提案し、IPFモデルマウスを用いて150以上の薬効評価試験を実施して参りました。 そして、その結果は論文や学会でご報告頂いております。 以下の表では、過去のご提案の中で細胞治療や核酸治療など、有効性を示すまでに時間を 要する被験物質をお持ちのお客様向けの試験デザインと一般的な試験デザインの比較をお示ししています。 また、上記の試験デザインで解析したデータを以下にご紹介します。 線維化の治療試験を検討される場合、病態誘導完了後の4週から最大8週間の投与期間を活用して、細胞治療など長期に渡る投与が可能な試験デザイン、モデルとなっております。 また、炎症誘導期間が通常より長いため、抗炎症作用を持った化合物の評価も十分に可能です。 被験物質を評価するデザインを頭でイメージしませんでしたか? その試験デザインをご共有頂ければ、あなたの化合物の価値を高めるための提案を含め、 試験の御見積りも含めてご紹介が可能です。 ぜひ、お気軽にお問い合わせください。
肺線維化モデルを用いた薬効評価試験を考えている場合、画一的な病態モデルの使用ではなく、評価に適した病態誘導モデルを用いることで、被験物質の効果を最大限引き出すことが可能です。 本日はIPF研究における病態誘導期間と使用するマウス週齢の多様性を分かりやすくご紹介します。 当社ではマイクロスプレイヤーを用いたモデル作成に高い技術力を持っており、他社様で試験を実施された後、なかなか上手くいかなかったため、当社にご依頼いただくケースも多くあります。当社では、これまで150試験以上の実施経験があり、その結果を論文でもご報告いただいております。 以下の表は私たちの過去の経験に伴い、IPF研究における病態誘導期間と使用するマウス週齢の多様性を示したオリジナルの表です。 Young×Standardタイプ:まず肺線維化に対する効果を見たい場合 Aged×Standardタイプ:線維化修復能の低いマウスを使用したい場合 Young×Chronicタイプ:細胞治療など長期間の投与が必要な場合 当社ではこのように多様性のある研究のサポートを実施しています。 さらに以下では過去にMedicinova社が実施され、発表しているYoung×Standardタイプでの結果をご紹介いたします。 MediciNova, Inc, ICLAF poster, 2014 本化合物は臨床試験の第Ⅱ相試験を実施中の化合物となり、Lung hydroxyprolineやCTを用いた線維化評価も実施されています。 当社はお客様のモデルのタイプと試験に関するお考えをお教えいただければ、お見積りも可能です。 気になるご提案や費用面はお問い合わせください。 お力添えできれば嬉しく思います。
非臨床研究を行う上で、モデルマウスの選択にはヒトの病態を再現していると共に、あなたの化合物が評価できるモデルを選択することが重要です。 本日はあなたの化合物に合ったモデルマウスとその結果をご紹介します。 当社はMASH/NASH領域におけるパイオニアとして、これまでSTAMTMモデルマウスを 用いて800以上の薬効評価試験を実施し、多くのMASH/NASH治療候補薬を評価してきました。 これまでSTAMTMモデルで評価してきた薬剤に関しての 【作用機序とパスウェイ】をまとめた一覧図を以下でご紹介いたします。 *図中の赤字で示した化合物は STAMTMマウスを用いた薬効評価試験の経験があり、P3とP2は臨床試験の第Ⅲ相、第Ⅱ相へと進んでいることを示しています。 例えば、臨床の第Ⅲ相に進んでいるbelapectinを用いて薬効評価試験を実施した事例は以下の通りです。 STAM™マウスについては、steatosis→MASH/NASH→fibrosis→HCCと病態が進展するため、あなたのターゲットに合わせて最適な試験時期の設定が可能です。 また、臨床試験に進んだ化合物に関する豊富な試験データからあなたが仮想敵としている化合物のデータとの比較を行った上で臨床試験に臨むことも可能です。 繰り返しますが、非臨床研究を行う上で、モデルマウスの選択にはヒトの病態を再現していると共に、あなたの化合物が評価できるモデルを選択することが重要です。 それを実現させるには化合物評価に最適な病態モデルと試験計画を実施できる非臨床CROをパートナーにすることでしょう。 わたしたちSMCラボラトリーズが保有している膨大なノウハウにより、お客様が研究に専念できるお力添えができれば嬉しく思います。
当社の新しい薬効評価試験サービスとして、COPDモデルを用いた薬効評価試験において、陽性対照にロフルミラストを設定し、ローンチしましたのでご紹介いたします。 陽性対照として設定したロフルミラストはPDE-4阻害薬です。 PPE-induced COPDモデルの主要評価項目である肺の組織学的解析によるMean linear interceptは、vehicle群と比較してロフルミラスト投与群で有意に低下し、ロフルミラストによる肺報壁の破壊を保護する作用が確認されました。 このロフルミラストの作用は、再現性が確認されております。 薬効評価試験における陽性対照の意義は、既知の有効な治療と同程度の被験物質の有効性を示すこと、及び、陽性対照と直接比較して被験治療の優越性を示すことにより被験治療の有効性を示すことです。つまり、陽性対照を設定することで、被験物質の薬効を陽性対照と比較して評価することが可能です。 このポジティブコントロールを用いて、貴社の被験物質の薬効評価試験を実施するのはいかがでしょうか。 弊社COPDモデルのサービス内容について、さらに詳細にお知りになりたい方は、お気軽にお問い合わせください。
慢性腎臓病 (chronic kidney disease, CKD)は、腎臓の構造または機能の異常によって特徴づけられる疾患です。腎不全の発生率や有病率が上昇し、予後不良の原因にもなることから、世界的な公衆衛生問題となっております。しかし、現在の治療法には完全に治療できるものはなく、病気の進行を抑える程度にとどまっています。 SMCでは、お客様の創薬プロジェクトをサポートするために、CKDモデルマウスを用いた薬効試験サービスを提供しています。 4種類のCKDモデルを用意し、お客様のニーズや被験物質の作用機序に合わせた試験を実施可能です。 - アデニン誘導性モデル: 尿細管および間質性評価 - アドリアマイシン誘発モデル: 糸球体評価 - UUO誘発モデル: 腎臓の線維化の評価 - Folic acid誘発モデル: 急性腎障害からのCKDの評価 私たちは常に、お客様のご要望やニーズに合わせて、各研究をカスタマイズさせていただいております。私たちの長年の経験、そして炎症と線維化の領域における専門知識を活かして、お客様の研究をお手伝いできれば幸いです。 私たちのサービスや提供するモデルについて、より詳しい情報につきましては、遠慮なくお問い合わせください。
慢性腎臓病 (chronic kidney disease, CKD)は、腎臓の構造または機能の異常によって特徴づけられる疾患です。腎不全の発生率や有病率が上昇し、予後不良の原因にもなることから、世界的な公衆衛生問題となっております。しかし、現在の治療法には完全に治療できるものはなく、病気の進行を抑える程度にとどまっています。 SMCでは、お客様の創薬プロジェクトをサポートするために、CKDモデルマウスを用いた薬効試験サービスを提供しています。 4種類のCKDモデルを用意し、お客様のニーズや被験物質の作用機序に合わせた試験を実施可能です。 - アデニン誘導性モデル: 尿細管および間質性評価 - アドリアマイシン誘発モデル: 糸球体評価 - UUO誘発モデル: 腎臓の線維化の評価 - Folic acid誘発モデル: 急性腎障害からのCKDの評価 私たちは常に、お客様のご要望やニーズに合わせて、各研究をカスタマイズさせていただいております。私たちの長年の経験、そして炎症と線維化の領域における専門知識を活かして、お客様の研究をお手伝いできれば幸いです。 私たちのサービスや提供するモデルについて、より詳しい情報につきましては、遠慮なくお問い合わせください。
本日、2月15日は世界胆管がんデーです。 本日は胆管がんと、そのリスクファクターである原発性硬化性胆管炎 (PSC)についてご紹介いたします。 胆管がんは肝細胞がんに次いで2番目に多い肝癌であり、その発生率は世界的に増加していると言われております (Banales JM et al., Nat Rev Gastroenterol Hepatol. 2020)。 胆管がんは稀ながんですが、その発生率は過去数十年間世界的に増加しており、世界的な健康問題となっています。さらに、胆管がんに対する認識、知識、診断、治療法の進歩にもかかわらず、切除後の5年生存率(7~20%)など、患者の予後は過去10年間大きく改善されていません。したがって、新たな治療法の確立のための研究開発が重要です。 胆管がんのリスクファクターの一つにPSCが挙げられます。 PSC患者におけるCCAの年間発生率は0.5~1.5%と推定され、生涯発生率は20%と報告されている (Fung BM, et al. World J Gastroenterol. 2019)。 したがって、PSCの予防または治療戦略はCCAの解決に繋がる可能性があり、PSCは解決すべき重要な疾患です。 PSCは、肝内・肝外胆管の狭窄・拡張と線維化に伴う胆汁うっ滞により、胆管炎から肝硬変へと進行する原因不明の進行性疾患です。現在のところ、PSCの治療薬は上市されておらず、新薬の開発が重要です。 SMCでは、DDCモデルを用いた薬効評価試験を実施することが可能であり、PSC治療法の研究開発に有用です。 DDCモデルは、細胆管反応を経て胆管周囲の線維化へと進行していく点でヒトPSC病態と高い臨床相関性を示すモデルであり、以下のような特徴を有します。 ・胆管へのプロトポルフィリン蓄積に続く、硬化性胆管炎と胆管型肝線維症が誘発可能 ・外科モデルであるBDLモデルと比較して高い生存率を示し、再現性が高い ・ヒト胆汁うっ滞性疾患の主な組織病理学的特徴を再現する PSCモデルや弊社サービスに関心がございましたら、遠慮なくお問い合わせください。 World Cholangiocarcinoma Day について 【 Link 】 お問い合わせはこちら 【 Click here…