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2023年1月23日(月)~2月13日(月)で開催されます 「日英バーチャルパートナリング」 (オンライン)に参加いたします。本イベントは大阪府が英国内の大学機関等との協力により、日英企業による共同研究・開発に向けたビジネスパートナー探しを支援する、オンラインパートナリングイベントです。 今回のテーマは、「神経、精神、自己免疫、ガン、循環器」の5領域となっております。創薬における非臨床試験のご相談をお待ちしております。 Zoomを用いたWeb会議による商談の実施も可能ですので、当社のサービスやSTAM™マウスにご興味・ご関心がございましたら、お気軽にお問い合わせください。 ■日英バーチャルパートナリング 【会期】 2023年1月23日(月)~2月13日(月) 【場所】 オンライン 【URL】 https://osaka-bio.jp/matchingsupport-2/japan-uk-virtual-partnering_jpn/ 【主催】 大阪府
本日は、線維化をターゲットにした治療法の重要性について述べたいと思います。 線維化は、慢性的な組織障害を原因とする創傷治癒プロセスの破綻により、組織に過剰なコラーゲン沈着が引き起こり、瘢痕と組織の硬化といった組織の正常な構造が損なわれる現象です。 その原因としては、生体外異物や機械的ストレスなどによる慢性炎症や過剰な炎症等が挙げられます。 組織の線維化が進行すると最終的に臓器不全となり、死に至ることがあります。 先進国における全死亡者の45%近くは、何らかの線維化疾患に起因していると報告されております (TA Wynn, J Pathol. 2008)。 線維化が死因に繋がる例として、肝ガンの原因にはNASHや肝硬変などの線維化が関与していること (Anstee et al., Nat Rev Gastroenterol Hepatol. 2019)、呼吸器不全には感染症や喫煙から特発性肺線維症などの線維化が関与していること (Collard et al., Am J Respir Crit Care Med . 2016)などが挙げられます。 これらのことから、線維化の治療はが多くの人の命を救うことに繋がると考えられ、また、残りの55%の死因にも、特に炎症が関与していれば線維化も関与している可能性があり、線維化が関与した疾患はまだ増える可能性もあります。 以上のことから、線維化にフォーカスした治療法の確立は多くの疾患の解決につながるため、非常に関心度の高い疾患領域と言えます。 1つでも多くの新薬が上市されるよう、当社は炎症および線維化を得意とする知識と技術による非臨床の薬効評価サービスを今後もご提供してまいります。 当社オリジナルのNASHモデル”STAM™モデル“をはじめ、さまざまな炎症/線維化モデルマウスを扱っております。 当社サービスについてご質問やご相談等ございましたら、お気軽にお問い合わせください。
Cell Death & Disease誌にて当社クライアント様 (J2H biotech)による論文発表がございました。 ■タイトル Inhibition of 11β-hydroxysteroid dehydrogenase 1 relieves fibrosis through depolarizing of hepatic stellate cell in NASH (Lee et al., Cell Death Dis. 2022) こちらの論文では、当社が開発したNASHモデルマウス 【STAM™マウス】を用いた薬効評価の結果が示されております。 STAM™マウスは2型糖尿病を背景に持ち、経時的に脂肪肝→NASH→線維化→肝ガンを自然発症する病態モデルです。 本論文では、脂肪肝フェーズからNASH後期フェーズまでのSTAM™マウスに、11β-hydroxysteroid dehydrogenase type 1のインヒビターであるJ2H-1702を投与しており、肝臓の線維化と炎症が抑制されたことが報告されております。 J2H-1702投与群の肝臓ではvehicle群と比較して、炎症細胞の浸潤レベルを示す炎症スコアや、中心静脈域の線維化レベル、Timp-1 mRNA発現量が抑制されました。 さらに、これらJ2H-1702の抗炎症化・抗線維化効果は、NASHの候補薬であるオベチコール酸(OCA)投与群よりも高い傾向を示しております。 本論文で用いられたJ2H-1702は、11βHSD1を阻害することで、脂質異常症や糖尿病を改善する可能性がin vivoで報告されております (Oh et al., Eur J Pharmacol. 2015)。 NASHは糖尿病を背景に発症しているケースが多く (Younossi et…
本日は、当社が開発した世界初の非アルコール性脂肪肝炎(NASH)から肝癌(HCC)を自然発症する病態モデルマウス-STAM™モデル-について、肝癌モデルとしての特徴をご紹介いたします。 STAM™モデルは、後期2 型糖尿病の背景を有し、脂肪肝、肝炎、肝線維化、そして肝癌へと病態が進行する病態モデルマウスです。 本モデルは、ヒトNASHにおいて高い臨床相関性を示すことから、多くのNASH治療薬候補の薬効評価に利用されてきました。 更に、HCCモデルとしても下記のような特徴と利点を有しております。 STAM™モデル; ・ 肝細胞癌が、16週齢から認められ、20週齢では100%発症が認められます。 ・ 遺伝子改変を行っておらず、NASHを背景にHCCが自然発症します。そのため、微小環境を含めたガン組織構造の再現が可能となっております。 ・ クライアント様のご要望やニーズに沿って、予防試験や治療試験の実施が可能となっております。 表. STAM™モデルと他HCCモデルの比較 上記に加え、STAM™モデルでは、ヒトのHCCマーカーであるAFPやGlypican-3、Glutamine synthetaseの上昇が認められております。 また当社には小動物用のCT装置もございますので、病態進行を多角的かつ正確に評価することが可能となっております。 引き続き、当社モデルおよびサービスについてアップデートがございましたらご案内させていただきます。 当社サービスについてご質問やご相談等ございましたら、お気軽にお問い合わせください。
BMJ Open Gastroenterologyにて当社クライアント様 (GN Corporation Co. Ltd)による論文発表がございました。 本研究では、黒酵母Aureobasidium pullulansのAFO-202株およびN-163株由来の2種類のβ-グルカンが、STAM™モデルの腸内細菌叢および糞便中のメタボロームプロファイルにどのような影響を与えるかを評価しました。本研究の結果より、これらのβ-グルカンがNASHの管理における有効な補助剤となる可能性が示唆されました。 ■タイトル Two unique biological response-modifier glucans beneficially regulating gut microbiota and faecal metabolome in a non-alcoholic steatohepatitis animal model, with potential applications in human health and disease (Preethy et al., BMJ Open Gastroenterol. 2022) また、以前に当クライアント様はAFO-202株およびN-163株由来の、2種類のβ‐グルカンの単独または併用摂取が、STAM™モデルのNASH病態の進行にどのように影響するかを評価しております 【詳細はこちら】。2種類のβ-グルカンについて、AFO-202株由来は脂肪肝および肝細胞のballooning形成、N-163株由来は炎症と線維化を抑制することが示され、NASH治療に有用であることを明らかにしております。 近年、食事やサプリメントによりNASHを管理する話題や研究が増えています。当社は、化合物だけでなく、サプリメントなどを用いた評価試験の経験もあります。また、STAM™マウスはNASH治療薬の有効性を示す重要なクライテリアであるNAFLD activity scoreで評価が可能な病態モデルマウスです。 STAM™マウスをはじめ他のモデルマウスやこれまでの経験を用いて試験をご提案することも可能ですので、ぜひご検討ください。 ■当社のサービスにご関心がある場合は、お気軽にお問い合わせください。…
Biomedicinesにて当社クライアント様 (MRM Health)による論文発表がございました。 ■タイトル A Nine-Strain Bacterial Consortium Improves Portal Hypertension and Insulin Signaling and Delays NAFLD Progression In Vivo (Pinheiro et al., Biomedicines. 2022) 本研究では、9種類の腸内常在菌からなる細菌コンソーシアムのNASHおよび線維化に対する治療効果を、当社独自のSTAM™モデルで検討しております。 コンソーシアムの経口投与後、STAM™マウスのNAFLD Activity Scoreおよびシリウスレッド陽性領域(線維化)は、vehicle群に比べ有意に減少しました。また、NASHの主要なバイオマーカーであるCK-18のレベルも投与群で低下していました。これらの結果は、腸内細菌コンソーシアムがNASHと線維化の両方を改善する可能性を有し、疾患の進行を遅らせることも可能であることを示唆しています。 本論文のように、腸内環境を改善することは、NAFLDやNASHの治療や予防に役立つことが期待されます。 腸内環境の改善に作用するプロバイオティクスやプレバイオティクスや、腸疾患の改善に繋がる化合物をお持ちの場合は評価してみるのはいかがでしょうか。 また、STAM™マウスはNASH治療薬の有効性を示す重要なクライテリアであるNASで評価が可能な病態モデルマウスです。 STAM™マウスをはじめ、他のモデルマウスやこれまでの経験を用いて試験をご提案することも可能ですので、ぜひご検討ください。 ■当社のサービスにご関心がある場合は、お気軽にお問い合わせください。 ■STAM™マウスについてはこちら。
本日は、乾癬のマウスモデルである「イミキモド(IMQ)誘発皮膚炎モデル」をラインアップに加えましたので、お知らせいたします。 乾癬は、遺伝的要因と環境要因の両方によって引き起こされる難治性の皮膚疾患です。臨床的には、皮膚の紅斑と鱗屑を特徴とする慢性の炎症を引き起こします。 乾癬の有病率は2~4%であり、全世界で少なくとも1億人が罹患しているとされております。しかしながら、現在、乾癬を完全に治癒させる治療法はなく、現在の治療法は病気の症状を管理するのみです。 IMQモデルは、乾癬の研究に最も広く使用されているモデルの一つです。このモデルでは、ヒトの乾癬患者に見られるようなケラチノサイトの過度な増殖、免疫細胞の浸潤、IL-17/IL-23軸の活性化などが観察されます。 IMQモデル以外にも、様々な線維症・炎症性疾患モデルをご用意しております。 当社のサービスやIMQモデルについて詳しく知りたい方は、お気軽にお問い合わせください。
本日は、脂肪肝の新しい診断基準、代謝異常関連脂肪性肝疾患(metabolic dysfunction-associated fatty liver disease, MAFLD)についてご紹介いたします。 非アルコール性脂肪性肝疾患 (NAFLD)は、糖尿病や肥満等のメタボリックシンドロームに関連した諸因子とともに脂肪肝が認められる慢性肝疾患の一つです。生活習慣の変化や肥満人口の増加を背景にNAFLDの有病率は上昇しており、既存の患者数と共に潜在患者の多さからNAFLDが注目をされています。一方で、非アルコール性脂肪性肝疾患という疾患の理解が進むにつれ、当時の診断基準の定義だけでは患者の実態に合わない例が認められるようになってきました。 その現状に対し、MAFLDという概念が示され (Eslam et al., j Hepatol., 2020)、原因や病態を細分化して薬の開発を行っていく必要性が加速していくと考えられます。MAFLDは脂肪肝に加えて、①過体重・肥満、または②2型糖尿病、または③痩せ・正常体重+項目以上の代謝異常 (高血圧、内臓脂肪蓄積、耐糖性異常、脂質異常症など) のいずれかを合併する場合に診断されます。 今後もNAFLD自体は存在し続けるものの、疾患を一括りにするのではなく、原因や病態を細分化して薬の開発を行っていく必要性が加速していくと考えられます。 当社ではMAFLDを想定したモデル開発を開始しておりますので、アップデートがありましたらご連絡させて頂きます。 当社サービスについてご質問やご相談等ございましたら、お気軽にお問い合わせください。
第40回 日本レーザー医学会総会賞受賞論文にて当社クライアント(防衛医科大学校病院)による発表がありました。 Title “脂質性肝疾患の光診断“ 瀧端 康博 こちらの発表では、光計測による肝組織診断の有用性について、STAM™マウスを用いて報告されています。 STAM™マウスが経時的に脂肪肝→NASH→線維化を示すことから、各病態フェーズのSTAM™マウスの肝臓に対する光計測と、病理組織解析の相関性から、光計測が脂肪含有量や組織酸素飽和度を評価でき、NASH診断に有用であることが示されました。 当社では各病態フェーズのSTAM™マウスを用い、本発表の様な診断方法の評価や、薬効評価試験が可能です。 また、他のモデルマウスやこれまでの経験を用いて試験をご提案することも可能ですので、ぜひご相談・ご検討ください。 当社のサービスにご関心がある場合は、お気軽にお問い合わせください。 STAM™マウスについてはこちら。
本日は、原発性硬化性胆管炎モデルである(3,5-Diethoxycarbonyl-1,4-Dihydrocollidine)DDCモデルをご紹介します。 原発性硬化性胆管炎 (PSC)は胆管に生じる斑状の炎症、線維化、および狭窄を特徴とする慢性的な胆管障害で、末期まで進行すると肝臓移植が必要とされます。 PSCの治療薬にはウルソデオキシコール酸が知られていますが、進行を完全に抑えるほどの効果はなく、PSCの根治療法は開発段階にあります。 DDCモデルは、細胆管反応を経て胆管周囲の線維化へと進行していく点でヒトPSC病態と高い臨床相関性を示すモデルであり、以下のような特徴を有します。 ・胆管へのプロトポルフィリン蓄積に続く、硬化性胆管炎と胆管型肝線維症が誘発可能 ・外科モデルであるBDLモデルと比較して高い生存率を示し、再現性が高い ・ヒト胆汁うっ滞性疾患の主な組織病理学的特徴を再現可能 本モデルは、肝臓における病態変化に加え、ALTやAST、ビリルビン等の各種血液マーカーの増加も確認されております。 弊社では、本モデル以外にも炎症/線維化に関連した様々な病態モデルを取り揃え、薬効評価試験サービスをご提供しております。 その他、資料請求やご質問等ございましたらお気軽にお問い合わせください。