お知らせnews

SMCラボラトリーズからのお知らせや新着情報を発信します。

2023.01.05

ニュースリリース

NASH, the fastest growing cause of liver cancer

本日は、肝がんと非アルコール性脂肪肝炎 (NASH)の関連性についてご紹介したいと思います。   Changing global epidemiology of liver cancer from 2010 to 2019: NASH is the fastest growing cause of liver cancer (Huang et al., Cell Metab. 2022) こちらの論文では、世界のNASHを罹患した肝がんの死亡者数が急速に増加していることを報告しております。   非常に興味深いことに、本論文によると、2010年から2019年にかけて、がん患者の大部分を占めるB型肝炎とC型肝炎による肝がん死亡者数は減少してきましたが、一方で、NASHを罹患した肝がんの死亡者数が急速に増加していることが明らかになっております。 ウイルス性肝炎由来の肝がんについては、ワクチン接種によるウイルス性肝炎の予防を通じて肝がんの発症を抑えられる可能性が示されており (Chang, et al. Gastroenterology. 2016)、克服できることが予想されます。 しかしながら、NASH由来の肝がんについては、現段階ではNASHの予防方法や治療方法はなく、またNASH患者は増加することが予想されているため、NASHに起因する肝がん患者も増加し続けることが予想されています (Estes, et al. Hepatology. 2018; Llovet et al., Nat Rev Dis Primers. 2021)。 これらのことから、当社は、NASHに起因する肝がんの発症を抑えるための創薬や基礎研究が非常に重要であると考えています。   当社が独自で開発したSTAM™モデルマウスは肝がんを自然発症する世界初のNASH-肝がんモデルマウスです。16週齢から腫瘍が形成し始め、20週齢時には100%肝ガンを発症します。 STAM™…

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2022.12.20

ニュースリリース

Fibrosis is involved in many diseases and disease-related deaths

本日は、線維化をターゲットにした治療法の重要性について述べたいと思います。   線維化は、慢性的な組織障害を原因とする創傷治癒プロセスの破綻により、組織に過剰なコラーゲン沈着が引き起こり、瘢痕と組織の硬化といった組織の正常な構造が損なわれる現象です。 その原因としては、生体外異物や機械的ストレスなどによる慢性炎症や過剰な炎症等が挙げられます。   組織の線維化が進行すると最終的に臓器不全となり、死に至ることがあります。 先進国における全死亡者の45%近くは、何らかの線維化疾患に起因していると報告されております (TA Wynn, J Pathol. 2008)。 線維化が死因に繋がる例として、肝ガンの原因にはNASHや肝硬変などの線維化が関与していること (Anstee et al., Nat Rev Gastroenterol Hepatol. 2019)、呼吸器不全には感染症や喫煙から特発性肺線維症などの線維化が関与していること (Collard et al., Am J Respir Crit Care Med . 2016)などが挙げられます。 これらのことから、線維化の治療はが多くの人の命を救うことに繋がると考えられ、また、残りの55%の死因にも、特に炎症が関与していれば線維化も関与している可能性があり、線維化が関与した疾患はまだ増える可能性もあります。   以上のことから、線維化にフォーカスした治療法の確立は多くの疾患の解決につながるため、非常に関心度の高い疾患領域と言えます。   1つでも多くの新薬が上市されるよう、当社は炎症および線維化を得意とする知識と技術による非臨床の薬効評価サービスを今後もご提供してまいります。 当社オリジナルのNASHモデル”STAM™モデル“をはじめ、さまざまな炎症/線維化モデルマウスを扱っております。   当社サービスについてご質問やご相談等ございましたら、お気軽にお問い合わせください。

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2022.11.09

ニュースリリース

Introduction of MAFLD criteria and the disease model

本日は、脂肪肝の新しい診断基準、代謝異常関連脂肪性肝疾患(metabolic dysfunction-associated fatty liver disease, MAFLD)についてご紹介いたします。   非アルコール性脂肪性肝疾患 (NAFLD)は、糖尿病や肥満等のメタボリックシンドロームに関連した諸因子とともに脂肪肝が認められる慢性肝疾患の一つです。生活習慣の変化や肥満人口の増加を背景にNAFLDの有病率は上昇しており、既存の患者数と共に潜在患者の多さからNAFLDが注目をされています。一方で、非アルコール性脂肪性肝疾患という疾患の理解が進むにつれ、当時の診断基準の定義だけでは患者の実態に合わない例が認められるようになってきました。   その現状に対し、MAFLDという概念が示され (Eslam et al., j Hepatol., 2020)、原因や病態を細分化して薬の開発を行っていく必要性が加速していくと考えられます。MAFLDは脂肪肝に加えて、①過体重・肥満、または②2型糖尿病、または③痩せ・正常体重+項目以上の代謝異常 (高血圧、内臓脂肪蓄積、耐糖性異常、脂質異常症など) のいずれかを合併する場合に診断されます。   今後もNAFLD自体は存在し続けるものの、疾患を一括りにするのではなく、原因や病態を細分化して薬の開発を行っていく必要性が加速していくと考えられます。 当社ではMAFLDを想定したモデル開発を開始しておりますので、アップデートがありましたらご連絡させて頂きます。   当社サービスについてご質問やご相談等ございましたら、お気軽にお問い合わせください。

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2022.10.20

ニュースリリース

The effect of the gut-liver axis dysfunction in liver disease

本日は肝臓疾患であるNonalcoholic steatohepatitis (NASH)と腸の関係についてご紹介を致します。   NASHの要因として酸化ストレス、脂肪毒性、ミトコンドリア機能異常などがあり、近年、注目されているのが腸肝軸(gut-liver axis)の異常になります。   腸と肝臓は門脈という血管で繋がっており、肝臓の血液供給の約70%は門脈を介しています。そのため、腸に由来する一連の細菌、細菌の代謝物や毒素が、門脈を通じて肝臓に影響を与えます。 NASH患者ではマイクロバイオームの変化や腸粘膜の透過性向上 (Leaky Gut)などが示されています(Lixin et al., Hepatology, 2012; Jay et al., CMGH, 2015)。 実際にマウスモデルを用いた解析から腸粘膜の透過性向上、細菌の異常増殖、腸内毒素症などの腸肝軸の機能障害が、炎症や線維化の進行に寄与することが示されています (Samuele et al., Hepatology, 2013; Lau et al., BioMed Res. Int.,2015)。   上記の理由から、腸の異常も兼ね備えた病態モデルを用いることで、より正確なNASHの評価が可能であると考えられます。 当社SMCラボラトリーズが開発した世界初のNASHから肝ガンを発症する病態モデルマウス STAM™マウス ではマイクロバイオームの変化を示すことが報告されています (Guoxiang et al., Oncotarget., 2016)。 また、STAM™マウスにおいて、化合物が腸内細菌叢を変化させることがNAFLDやNASHを改善することも報告されております (Pinheiro et al., Biomedicines. 2022; Ishizawa et al., Gene. 2022)。 プロバイオティクスによる腸内環境の改善に伴い、NASH病態の改善が示されているため、もし腸疾患の改善に繋がる化合物をお持ちの場合は評価してみるのはいかがでしょうか。   その他、資料請求やご質問等ございましたらお気軽にお問い合わせください。

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2022.09.21

ニュースリリース

Today, September 21th, is World Alzheimer’s Day!

本日9月21日は“世界アルツハイマーデー”です。   先日、世界アルツハイマーデーを含めた世界アルツハイマー月間について触れましたが (ニュース記事はこちら)、本日はアルツハイマー病の治療薬の開発についてSMCの考えを発信したいと思います。   現在のアルツハイマー病治療薬はFDAの承認薬としては5種類(ドネペジル、リバスチグミン、ガランタミン、メマンチン、アデュカヌマブ)があります。 これらの治療薬は、神経細胞の働きを補うものと、アルツハイマー病の原因と考えられているアミロイドβを脳内から取り除くものに分けられます。現状として、この5種類の治療薬ではアルツハイマー病の根治には至らず、発症を遅らせるような効果しか得られておりません。   アルツハイマー病の原因は脳内でアミロイドβが過剰に蓄積することであると考えられているものの、脳内で色々な現象が起こる複合的な病気であるため、単一の原因や現象にフォーカスした治療薬のみではなく、複合的な作用を発揮する治療薬やいくつかの治療薬の組み合わせが治療の鍵になるかもしれません。   アルツハイマー病は、アミロイドβの過剰な産生と蓄積により脳内の恒常性が破綻することから、免疫細胞が活性化し脳内で慢性炎症が起こることが考えられます 【Reference】。この脳内炎症は、アルツハイマー病発症前から発症まで病態に関与しています。さらに、アミロイドβの産生に脳内炎症が関与することも報告されていることから 【Reference】、脳内炎症もアルツハイマー病の原因の一つであるかもしれません。 したがって、アルツハイマー病の治療には、①アミロイドβの排除や阻害、②神経の活性化と保護 に加えて、③脳内の炎症を抑制し適切に制御することが重要なのではないかと考えます。    SMCではアミロイドβに依存しない脳内炎症を呈するアルツハイマー病モデルマウスとして、icv-STZモデルマウスを用いた薬効評価試験を提案することができます。 当社のサービスやicv-STZモデルにご興味・ご関心がございましたら、お気軽にお問い合わせください。     ■「国際アルツハイマー病協会」(Alzheimer's Disease International; ADI) URL: https://www.alzint.org/   ■Reference Kinney et al., Alzheimers Dement (NY). 2018.   ■icv-STZモデルについてはこちら

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2022.09.14

ニュースリリース

The importance of the NAFLD activity score and the STAM™ model’s clinical relevance

今回は、NASH治療薬の開発に欠かせない評価項目NAFLD activity score (NAS)とSTAM™マウスについて 紹介いたします。   NASH治療薬の開発における重要事項はアメリカ食品医薬品局(Food and Drug Administration; FDA)によるガイドラインに示されています。NASH治療薬開発の目的から有効性の評価については以下のように述べられております。   NASH 治療の究極の目標は、疾患の進行を遅らせる、止める、または逆転させることであり、臨床転帰を改善することである。 NASH の進行は遅く、肝硬変への移行や生存率などの臨床的エンドポイントを評価する試験の実施に時間がかかるため、FDA はNASで評価し、肝組織学的改善をエンドポイントとして検討することを推奨する。 病理組織学的な総合判定で脂肪肝炎が消失し、NASで肝線維化の悪化がないこと。脂肪肝炎の消失は、脂肪肝疾患がないこと、あるいは脂肪肝炎を伴わない孤立性または単純性脂肪症と定義し、NASスコアは炎症が0~1、バルーニングが0、脂肪症が任意の値であることを条件とする。   これらはガイドラインの一部ですが、上記3にもあるとおり、NASはNASH治療薬の有効性を示す重要なクライテリアであり、必要評価項目です。その内容は、肝臓生検の組織学的解析において、炎症(免疫細胞の集積)、バルーニング、脂肪摘の3つの病変の程度を数値化し、スコアリングするものです。   当社のSTAM™マウスは、NASにおける3つの病変が観察される画期的なNASHモデルです。すなわち、NASH患者の病態を反映した、臨床相関性の高いNASHモデルであると考えております。     STAM™マウスを使った薬効評価試験にて、NASH治療薬の開発を進めてみませんか? 現在臨床試験の段階にあるNASHの候補治療薬について、当社クライアント様がSTAM™を用いて化合物の薬効評価試験を行った論文も投稿されておりますので、ご興味のある方は是非、ご覧ください。   また、STAM™マウスのNASのデータや、組織像などの基本的なデータについて、詳細について興味のある方はお気軽にお問い合わせください。     ■FDAガイドライン   Noncirrhotic Nonalcoholic Steatohepatitis With Liver Fibrosis: Developing Drugs for Treatment Guidance for Industry   ■STAM™マウスについて     ■STAM™マウスを用いた薬効評価試験の文献例    Farnesoid X Receptor Agonist:…

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2022.08.31

ニュースリリース

September is World Alzheimer’s Month!

9月は 「世界アルツハイマー月間」 です。アルツハイマー病について関心を深めてみませんか?   1994年、「国際アルツハイマー病協会」(ADI)は、世界保健機関(WHO)と共同で毎年9月21日を「世界アルツハイマーデー」と制定し、この日を中心に認知症の啓蒙を実施しています。また、9月を「世界アルツハイマー月間」と定め、様々な取り組みを行っています。   アルツハイマー病とは認知症の1種で、進行性の神経疾患です。アルツハイマー病には遺伝が関係しない孤発性と遺伝が関係する家族性の2つのタイプがありますが、90%以上の患者さんが孤発性アルツハイマー病です。アルツハイマー病の治療薬は4種類が承認されていますが、いずれも進行を遅らせるものであり、現段階では根治するための治療薬がなく、開発が急務です。    SMCではアルツハイマー病を主とする神経疾患の医薬品開発のための非臨床試験として、icv-STZモデルマウスを用いた薬効評価試験を提案することができます。  アルツハイマー病になると脳内では神経細胞がダメージを受け、修復のため炎症が起こります。しかしながら、疾患の進行に伴い炎症も続くため、慢性炎症状態となります。この慢性化した脳内炎症はアルツハイマー病の病態に悪影響であることが多く報告されています。したがって、アルツハイマー病の治療には脳内炎症を抑えることや、制御することが重要であると言えます。  icv-STZモデルは、マウスの脳内にストレプトゾトシンを投与することで、酸化ストレスに由来する神経へのダメージおよび免疫細胞の活性化が惹起される孤発性アルツハイマー病モデルマウスです。脳内炎症にフォーカスした薬効評価試験を提供することができます。 当社のサービスやicv-STZモデルにご興味・ご関心がございましたら、お気軽にお問い合わせください。     ■「国際アルツハイマー病協会」(Alzheimer's Disease International; ADI) URL: https://www.alzint.org/   ■icv-STZモデルについてはこちら

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2022.07.27

ニュースリリース

July 28th is World Hepatitis Day!

7月28日は “世界肝炎デー”です。 肝炎について関心を深めてみませんか?   世界保健機関(WHO)は、2010年に世界的レベルでのウイルス性肝炎のまん延防止と患者・感染者に対する差別・偏見の解消や感染予防の推進を図ることを目的として、7月28日を”World Hepatitis Day”(世界肝炎デー)と定め、肝炎に関する啓発活動等の実施を提唱しました。   この世界肝炎デーではウイルス性肝炎について言及しております。肝炎による死亡の 95 % 以上はB型、C型、D型肝炎ウイルスによるものとされており、ウイルス性肝炎の予防や治療はもちろん、検診により肝臓の状態について知ることが非常に重要です。   今回はウイルス性肝炎についての内容ですが、同時にウイルス性肝炎以外の肝炎も解決しなければなりません。 当社では非ウイルス性の非アルコール性脂肪肝炎(NASH)やその重症化による肝ガンを解決すべく、当社オリジナルのSTAM™マウスを使った薬効評価試験を軸にサービスを展開しております。 画期的なNASHの予防方法や治療方法は今のところ存在せず、今後はウイルス性肝炎よりもNASH患者が増えていくことが考えられます。当社はNASHの治療や予防方法の確立のための研究開発をサポートしております。   世界肝炎デーについて ■World Health Organization https://www.who.int/campaigns/world-hepatitis-day/2022 ■日本WHO協会 https://japan-who.or.jp/news-releases/2207-11/   国内の肝炎対策について ■厚生労働省 肝炎総合対策の推進 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/kanen/index.html   STAM™マウスについてはこちら。

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2022.04.26

ニュースリリース

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2022.04.16

ニュースリリース

Introduction of the paper using our UUO model

当社慢性腎臓病モデルを用いて発表された論文について紹介します。       上記の論文では当社の片側尿管閉塞(UUO)モデルを用いた結果を報告しています。 化合物の投与後に組織学的解析、遺伝子発現解析を実施し病態改善を示すと共にメカニズムの解析を実施しています。   UUOモデルについて こちらの論文で使用しているUUOモデルは間質性線維症、尿細管萎縮、炎症細胞浸潤などの病理的特徴を再現性良く示すモデルとなっています。 また、試験期間が2週間と短いことから腎臓の線維化に対する化合物のスクリーニング試験に適したモデルとなっております。 抗線維化効果を示す化合物をお持ちの場合、UUOモデルを用いた試験を検討されてはいかがでしょうか?   UUOモデルの作成方法や確認できる病態に興味がある方はこちら。

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