SMCラボラトリーズからのお知らせや新着情報を発信します。
3月14日、United States Food and Drug Administration (FDA)はMASHに対する初めての治療薬として Madrigal Pharmaceuticalsが開発を行ったRezdiffra (resmetirom)の承認を発表しました。 ► FDA NEWS RELEASE FDAが初のMASH治療法を承認 RezdiffraがMASH治療薬として承認されるまで15年以上を要し、また、その間に他社の候補薬の開発も難航してきました。さらに、Rezdiffraも承認されたものの、臨床試験の結果によると少なくとも半数のMASH患者では病態の改善が認められていません。これらの課題はMASHという疾患のメカニズムの複雑さによるものと考えられ、これまで治療薬開発が成功しなかった理由の一つです。今回の承認をきっかけに、MASH治療薬の開発市場が過熱することが予想されます。 当社のSTAM™マウスはMASHで生じる複雑な病態を反映しているモデルとして、RezdiffraのターゲットであるTHR-βを含む脂質代謝や、糖代謝、炎症、線維化など、様々な経路の化合物の評価が行われ、臨床試験に進んでいる化合物も多く存在します。 また、STAM™マウスは脂肪肝を背景にMASH、線維化および肝癌を発症するモデルであり、RezdiffraのMOAである脂質代謝の改善を介したこれら疾患を評価することができるため、本モデルの利用により、被験物質を評価すると共にRezdiffraとの複合投与による治療効果を評価することも可能となります。 本モデルではこれまでも化合物の複合投与試験の経験があり、相乗効果が見られることが確認されています。 当社では、これまでにSTAM™マウスを用いて800以上の薬効評価試験を実施し、膨大なノウハウを有しており、最適な非臨床研究のご提案が可能です。 今回の承認に続く結果をお力添えができれば嬉しく思います。 この機会にぜひ、当社にお問い合わせください。
本日、2月15日は世界胆管がんデーです。 本日は胆管がんと、そのリスクファクターである原発性硬化性胆管炎 (PSC)についてご紹介いたします。 胆管がんは肝細胞がんに次いで2番目に多い肝癌であり、その発生率は世界的に増加していると言われております (Banales JM et al., Nat Rev Gastroenterol Hepatol. 2020)。 胆管がんは稀ながんですが、その発生率は過去数十年間世界的に増加しており、世界的な健康問題となっています。さらに、胆管がんに対する認識、知識、診断、治療法の進歩にもかかわらず、切除後の5年生存率(7~20%)など、患者の予後は過去10年間大きく改善されていません。したがって、新たな治療法の確立のための研究開発が重要です。 胆管がんのリスクファクターの一つにPSCが挙げられます。 PSC患者におけるCCAの年間発生率は0.5~1.5%と推定され、生涯発生率は20%と報告されている (Fung BM, et al. World J Gastroenterol. 2019)。 したがって、PSCの予防または治療戦略はCCAの解決に繋がる可能性があり、PSCは解決すべき重要な疾患です。 PSCは、肝内・肝外胆管の狭窄・拡張と線維化に伴う胆汁うっ滞により、胆管炎から肝硬変へと進行する原因不明の進行性疾患です。現在のところ、PSCの治療薬は上市されておらず、新薬の開発が重要です。 SMCでは、DDCモデルを用いた薬効評価試験を実施することが可能であり、PSC治療法の研究開発に有用です。 DDCモデルは、細胆管反応を経て胆管周囲の線維化へと進行していく点でヒトPSC病態と高い臨床相関性を示すモデルであり、以下のような特徴を有します。 ・胆管へのプロトポルフィリン蓄積に続く、硬化性胆管炎と胆管型肝線維症が誘発可能 ・外科モデルであるBDLモデルと比較して高い生存率を示し、再現性が高い ・ヒト胆汁うっ滞性疾患の主な組織病理学的特徴を再現する PSCモデルや弊社サービスに関心がございましたら、遠慮なくお問い合わせください。 World Cholangiocarcinoma Day について 【 Link 】 お問い合わせはこちら 【 Click here…
この度、PR Newswire=共同通信JBN、にて当社のSTAM(TM)-HCC/IO+マウスについて紹介されましたので、お知らせいたします。 詳細は、以下URLをご覧ください。 SMCラボラトリーズが、肝癌新規治療薬の開発に利用できる肝癌腫瘍免疫モデル「STAM™-HCC/IO+マウス」を発表 URL ► https://jp.prnasia.com/story/107352-3.shtml 本プレスリリースや、STAM™-HCC/IO+マウスにご関心やご質問等ございましたら、お気軽にお問い合わせください。
1月25日 (木) 9:30 ~ 10:00 AM (JST)に当社のマンスリーウェビナーを開催いたします。 今回のウェビナーでは、当社オリジナルのMASH-HCCモデル「STAM™マウス」の薬効評価試験例として、GLP-1をターゲットとした試験例をご紹介いたします。 ご関心やご質問等ございましたら、お気軽にお問い合わせください。 ウェビナーへのご参加はこちら ► 【 Link 】 【 概 要 】 ウェビナータイトル:MASH-Liver cancer model mouse_Pharmacology study for MASH/fibrosis targeting GLP-1 当社は、MASH、炎症、線維化、代謝、がん免疫に関する技術・ノウハウを活用した薬理試験を受託する非臨床コンサルティング型CROです。独自に開発したMASH-肝癌モデルであるSTAM™マウスを用いた非臨床試験において、これまでに800種類以上の化合物(15以上のMOAカテゴリーと270以上の標的分子)の脂肪症、MASH、線維症、肝癌に対する有効性を評価してきました。本ウェビナーでは、STAM™マウスを用いた薬理学的研究の一例として、GLP-1をターゲットとした薬効評価例をご紹介いたします。 開催日時:2024年1月25日 (木)、9:30 – 10:00 (日本時間) Agenda: ● 当社紹介 ● MASH-HCCモデルのご紹介 ● GLP-1を標的とした薬効評価例 - GLP-1アナログ - DDP-4阻害剤 - GPR119受容体作動薬
本日は、線維化をターゲットにした治療法の重要性について、ご紹介いたします。 線維化は、慢性的な組織障害を原因とする創傷治癒プロセスの破綻により、組織に過剰なコラーゲン沈着が引き起こり、瘢痕と組織の硬化といった組織の正常な構造が損なわれる現象です。 その原因としては、生体外異物や機械的ストレスなどによる慢性炎症や過剰な炎症等が挙げられます。 組織の線維化が進行すると最終的に臓器不全となり、死に至ることがあります。 先進国における全死亡者の45%近くは、何らかの線維化疾患に起因していると報告されております (TA Wynn, J Pathol. 2008)。 線維化が死因に繋がる例として、肝ガンの原因にはNASHや肝硬変などの線維化が関与していること (Anstee et al., Nat Rev Gastroenterol Hepatol. 2019)、呼吸器不全には感染症や喫煙から特発性肺線維症などの線維化が関与していること (Collard et al., Am J Respir Crit Care Med . 2016)などが挙げられます。 これらのことから、線維化の治療は多くの人の命を救うことに繋がると考えられ、また、残りの55%の死因にも、特に炎症が関与していれば線維化も関与している可能性があり、線維化が関与した疾患はまだ増える可能性もあります。 以上のことから、線維化にフォーカスした治療法の確立は多くの疾患の解決につながるため、非常に関心度の高い疾患領域と言えます。 1つでも多くの新薬が上市されるよう、当社は炎症および線維化を得意とする知識と技術による非臨床の薬効評価サービスを提供してまいります。 当社オリジナルのNASHモデル”STAM™マウス“をはじめ、さまざまな炎症・線維化モデルマウスを扱っております。 当社サービスについてご質問やご相談等ございましたら、お気軽にお問い合わせください。
11月15日は世界COPDデーです。COPD (慢性閉塞性肺疾患)に関する知識を深めませんか? 世界COPDデーについて 世界中でCOPDに対する認識を高め、知識を共有し、負担を軽減する方法を議論することを目的として、COPDの啓発と予防・治療を進める世界的組織、GOLD(Global Initiative for Chronic Obstructive Lung Disease)に定められました。毎年11月の第3水曜日を世界COPDデーとし、世界各国でさまざまなCOPDの啓発イベントが実施されます。 COPD (chronic obstructive pulmonary diseas, 慢性閉塞性肺疾患)について COPDとは慢性気管支炎や肺気腫を合わせた疾患の総称です。主な原因はたばこの煙に含まれる有害物質が肺内に流入することです。有害物質が気管支や肺胞で炎症を起こし、やがて肺胞が破壊され、肺本来の弾力性が失われて空気がうまく吐き出せなくなるため肺機能が低下します。さらに悪化するとせき・たん・息切れが強くなり、QOLの低下を招きます。現在の治療法は、薬物療法や運動療法などの総合的な治療(呼吸リハビリテーション)によるもので、症状を和らげ、病気の進行を抑制することです。したがって、壊れた肺胞や気管支の炎症を治し、呼吸機能を回復させる治療薬の開発が急務です。 より詳細な情報は、日本呼吸器学会 (https://www.jrs.or.jp/citizen/disease/b/b-01.html)や、GLOD日本委員会 (http://www.gold-jac.jp/)のHPをご覧ください。 当社ではCOPDの前臨床モデルであるブタ膵臓エラスターゼ (PPE)誘発性肺気腫モデルマウスを扱っております。本モデルではPPEを気管支内投与して21日目までに肺胞壁の破壊が認められます。組織学的解析によるmean linear interceptの算出やBALF中の炎症細胞数のカウント、炎症性サイトカインの解析などにより、被験物質の薬効を評価することが可能です。 当社モデルにご関心やご質問等ございましたら、お気軽にお問い合わせください。
Galectin Therapeutics社 (GA)は、2023年10月3日、NASH肝硬変を対象としたBelapectinのアダプティブシームレスデザインのPhase 2b/3試験において、第4回データおよび安全性モニタリング委員会より良好な結果が得られたと公表しました。 詳細は、下記のURLをご覧ください。 Galectin Therapeutics Reports the Positive Outcome of the Fourth Data and Safety Monitoring Board Meeting for NAVIGATE, its Seamless, Adaptive Phase 2b/3 Study of Belapectin in Patients with Portal Hypertension Caused by Non-Alcoholic SteatoHepatitis Live Cirrhosis ► https://investor.galectintherapeutics.com/news-releases/news-release-details/galectin-therapeutics-reports-positive-outcome-fourth-data-and BelapectinはGalectin-3 inhibitorであり、非臨床試験でSTAM™マウスにおいてNASH/MASHおよび線維化を改善したことをPLoS One誌で報告しております。詳細は下記URLより論文をご覧ください。 Therapy of Experimental NASH…
米国FDAが89bio, Inc.のPegozaferminを非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)の画期的治療薬指定 (Breakthrough Therapy Designation: BTD)として承認したことが発表されました。 画期的治療薬指定 (BTD)は、まだ治療方法が存在しない重病または致死的な病気の治療に有望であると米国FDAに認められた新薬候補に対して、その開発と審査時間を短縮させるためのものです。 今回、PegozaferminはNASHに対するENLIVEN第2b相試験の結果によりBTDとして認められたため、これからの第3相試験の実施やNASH治療薬として上市するまでの開発スピードが加速できる可能性があります。 また、PegozaferminはSTAM™マウスのNASH-HCCに対する抗がん作用も示されており、NASHを軸とした脂肪肝疾患に対する包括的で画期的な治療薬に成り得る可能性も示唆されております。 今後の89bioのPegozaferminの開発に更なる発展が期待されます! ■89bioのプレスリリースはこちら 89bio Announces U.S. FDA has Granted Breakthrough Therapy Designation for Pegozafermin in Nonalcoholic Steatohepatitis (NASH) URL►https://ir.89bio.com/news-releases/news-release-details/89bio-announces-us-fda-has-granted-breakthrough-therapy ■Pegozafermin のSTAM™マウスのNASH-HCCに対する抗がん作用については、こちら 本記事やSTAM™マウス、当社サービスに関するご意見・ご質問などはお気軽にお問い合わせください。
当社のマンスリーウェビナーを、8月18日 (金) 9:30 ~ 10:00 AM (JST)に開催いたします。 今回のウェビナーでは、非アルコール性脂肪肝疾患 (NAFLD)/非アルコール性脂肪肝炎 (NASH)の定義、名称、診断方法およびNAFLD/NASHモデルマウスの再定義について言及いたします。 ご関心やご質問等ございましたら、お気軽にお問い合わせください。 ウェビナーへのご参加はこちら ► 【 Link 】 概 要 ウェビナータイトル:New NAFLD nomenclature ~Redefining the NAFLD/NASH mouse model~ 米国肝臓病学会(AASLD)、欧州肝臓学会(EASL)、Asociacion Latinoamericana para el Estudio del Higado(ALEH)と共同で2023年6月、Journal of Hepatology誌にてNAFLD/NASHの疾患定義、命名法、診断法に関する声明が発表されました。これまでは、NAFLD/NASHという病名が用いられてきましたが、病因や症状を正確に表現するために、metabolic dysfunction-associated steatotic liver disease (MASLD) / metabolic dysfunction-associated steatohepatitis (MASH)という病名に変更されます。これに伴い、従来NAFLD/NASHマウスモデルとして扱われていたモデルを、臨床的定義に従って再定義する必要があり、本ウェビナーで紹介いたします。 開催日:2023年8月18日 (金) 時間:9:30 – 10:00 (日本時間)…
米国肝臓学会議 (AASLD)と、欧州肝臓研究協会 (EASL)、中南米肝臓学会 (ALEH)により、非アルコール性脂肪肝疾患 (NAFLD)/非アルコール性脂肪肝炎 (NASH)の定義、名称、診断方法についての声明が発表されました。 Title: A multi-society Delphi consensus statement on new fatty liver disease nomenclature ( Rinella et al., J. Hepatol., 2023 ) これまでは、NAFLD/NASHという疾患名が利用されておりましたが、病因や症状を正確に表すために metabolic dysfunction-associated steatotic liver disease (MASLD) / metabolic dysfunction-associated steatohepatitis (MASH) へと疾患名が変更となります。 当社はこれまでSTAM™モデルをNAFLD/NASH-HCCモデルとご紹介して参りましたが、今回の定義/名称変更を受け、疾患カテゴリーについて医療専門家と協議を始めております。 新しいSLDにおけるSTAM™マウスの位置付けについては近日発表いたします。 ご関心やご質問等ございましたら、お気軽にお問い合わせください。