エラスターゼ誘発肺気腫モデルにおける肺機能低下の評価
当社では、エラスターゼ誘発肺気腫(PPE: porcine pancreatic elastase)モデルマウスを用いた非臨床評価を実施しています。本モデルは、気腫性変化に伴う肺機能障害を再現できることから、COPDや肺気腫治療薬の前臨床研究に幅広く活用されています。
今回、肺機能指標の一つである最大呼気流量(PEF: Peak Expiratory Flow)を測定しました。Sham群と比較して、PPE群ではPEFが有意に低下しており、肺機能障害が明確に確認されました。
この結果が示しているのは、当社のエラスターゼモデルマウスでは、ヒトのCOPDや肺気腫で見られる「息が吐きにくい」という肺機能低下を、明確に再現できているということです。臨床でも用いられる呼吸機能の指標をマウスで測定できるため、開発中の薬が本当に呼吸機能を改善できるのかを確実に評価できる点が大きな強みです。
形態(組織学的変化)の確認にとどまらず、臨床と同じ肺機能の低下を再現し、その改善効果を検証できるモデルであることから、新しい治療薬の有効性を見極めるうえで非常に信頼性の高いツールとなります。