UUOモデル(片側尿管閉塞)は、腎線維症および閉塞性腎症の広く用いられる疾患モデルであります。慢性腎臓病(CKD)と同様の病理学的特徴、すなわち間質性線維症、尿細管萎縮、炎症細胞浸潤を示します。
UUOモデル誘導プロセスは以下の通りです。片側の尿管を結紮し疾患を誘導します。閉塞した尿管を有する腎臓は、組織病理学、生化学、遺伝子発現の3つの分析項目に分割されます。UUOモデルの各種分析項目および主要評価項目に関する詳細情報は、次節でご確認いただけます。
UUOモデルの研究期間は2週間であり、腎線維症を適応とする抗線維化薬の生体内スクリーニング試験に適しています。
組織病理学的解析
PAS染色(管腔内鋳型、尿細管拡張、炎症巣の検出)
シリウスレッド染色(コラーゲン沈着/線維化の検出)
生化学的解析
ヒドロキシプロリン含有量
血中尿素窒素(BUN)
遺伝子発現解析
α-SMA
TGF-β
コラーゲンI型(Col1)
TIMP1
TNF-α
IL-1β
MCP-1
Nrf2
HO-1 など
その他のパラメータ
体重変化
腎重量
左図:シリウスレッド染色切片は、腎臓皮質における線維化の誘導を示しています。
右図:PAS染色切片は、正常マウスでは観察されない腎障害(尿細管腫脹、円柱形成、刷子縁消失を含む)を示しています。
ALK5阻害剤は、腎臓における線維化進行の重要な経路であるTGF-βI型受容体/アクチビン受容体様キナーゼ(ALK5)に作用します。我々はUUOモデルにおいてALK5阻害剤を評価し、腎線維化の重症度の大幅な改善ならびに線維化・炎症関連遺伝子発現の抑制を実証しました。したがって、貴社の創薬候補の薬理学的有効性を評価する上で、本結果を参考として活用することが可能であります。
SGLT2阻害薬であるDapagliflozinは、腎臓の近位尿細管におけるナトリウム-グルコース共輸送体2を阻害し、濾過されたグルコースの再吸収を防止します。
我々はUUOモデルにおいてダパグリフロジンを評価し、腎線維化に対する有意な改善効果を示せました。代替参照対照として利用可能でします。
慢性腎臓病(CKD)および急性腎障害(AKI)に対する薬剤の薬理学的有効性評価のため、以下のモデルも提供しています:
Adenine Model
Adriamycin Model
Folic Acid Model