DSS誘発性大腸炎は、炎症性腸疾患(IBD)において最も確立された疾患モデルであり、IBD治療のための新規薬剤候補の薬理学的有効性および作用機序を調査するために広く用いられています。
DSS投与の期間および頻度に応じて、動物は急性または慢性の病態を発症する可能性があります。急性モデルは大腸炎に焦点を当てた薬理学的研究に適しており、慢性モデルは線維化に焦点を当てた薬理学的研究に適しています。
急性DSSモデルの作製には、生後9週齢のオスC57BL6マウスに、飲用水に2.5%のDSS(デキストラン硫酸ナトリウム)を添加し、5日間連続投与します。5日後にマウスをト殺します。
急性DSSモデルでは、疾患活動性指数(DAI)の上昇および結腸組織の損傷(陰窩/上皮層の喪失および炎症細胞浸潤)が認められました。
慢性DSSモデルの作製には、生後9週齢の雌C57BL6マウスに飲用水中に2.5%のDSS(デキストラン硫酸ナトリウム)を5日間連続投与した後、14日間の純水(DSS不含)を飲用させます。この手順を1誘導サイクルと呼びます。この手順を繰り返しマウスを複数回の誘導サイクルに曝露することで、試験期間を延長することが可能であります。
慢性DSSモデルでは、結腸におけるコラーゲンの蓄積(線維化)およびそれに伴う結腸重量の増加が観察されました。
組織病理学的解析
シリウスレッド染色(線維化領域用)
マッソントリクローム染色
HE染色
α-SMA(免疫組織化学)
生化学的解析
結腸IL-1β
結腸IL-6
結腸IL-12
結腸TNF-α
血漿IL-1β
血漿IL-6
血漿IL-12
血漿TNF-α
その他のパラメータ
結腸重量
結腸長
体重
疾患活動性指数(出血、便性状、体重減少)
図1.DSSモデルの腸HE染色画像
正常マウスに比べて、DSSモデルではクリプトおよび上皮細胞の消失、炎症細胞浸潤が認められます。
DSSモデルに関する当社の実績の詳細や、ご自身の学習計画についてご相談の際は、下記の「薬効評価試験の無料を申し込む」ボタンよりご連絡ください。