STAMにおける臨床相関性について
臨床試験へ進行するための鍵となるのは、動物モデルを使用する前臨床試験で得られた化合物の効果とデータの頑健性です。そのため、臨床相関性の高い適切なモデルを選択することが重要となります。
2020年1月の時点では、弊社のSTAM™マウスを用いて前臨床試験が行われ、その後NASHの臨床試験に進行した企業は15社に及びます。その中でも、ブリストル・マイヤーズスクイブ社が開発したPegbelfermin(PEG化FGF21アナログ)が現在までに臨床試験の第二相(NCT02413372)へと進行しております。
PegbelferminはSTAM™マウスと臨床試験の双方で脂質や線維化に関連した項目の改善を示したことが報告されております[Cristy R.C. Verzijl et al., EXPERT OPINION ON INVESTIGATIONAL DRUGS, 2019]。
・肝脂肪に対する有効性
STAM™マウスでは、Pegbelfermin投与群において肝中性脂肪やコレステロールの減少が認められました。また、臨床試験第二相でも同様に、Pegbelfermin投与群はプラセボ群と比較して、5-7%の肝脂肪の減少を示しました。
・線維化に対する有効性
STAM™マウスでは、病理学的評価において線維化が改善し、STAM™マウスと臨床試験の両方で線維化のマーカーである血清PRO-C3が減少を示したことから、前臨床と臨床間におけるPegbelferminの有効性が一致しました。
加えて、NASHの病態評価に利用されるNAFLD Activity Scoreの病理学的評価は、STAM™マウスではPegbelferminが優れた効果を示したものの、Pegbelferminの臨床試験ではまだ実施がされておりません。
したがって今後、前臨床試験と同様の結果が得られることが大いに期待されます。
Pegbelferminは、STAM™マウスおよび臨床試験の両方で有効性を証明した化合物の一例です。
STAM™モデルは、新薬開発の優れたプラットフォームであり、円滑な臨床試験への進行をサポートできると考えております。
また、NASH以外にも炎症・線維化に特化した幅広いモデルラインナップを取り揃えておりますので、
試験の詳細についてご質問等がございましたら、お気軽にご連絡下さい。